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一人っ子の女の子の傾向は?育て方や個性や長所を伸ばすポイントとは

一人っ子の女の子の傾向は?育て方や個性や長所を伸ばすポイントとは

「一人っ子の女の子はわがままに育ちやすい」ということを聞いたことはありませんか?一人っ子の境遇を心配するママやパパもいるかもしれませんが、特別な心配はいりません。この記事では、一人っ子の子育てのヒントをご紹介。女の子の傾向や特徴など、参考にしてみてくださいね。
「一人っ子の女の子はわがままに育ちやすい」ということを聞いたことはありませんか?一人っ子の境遇を心配するママやパパもいるかもしれませんが、特別な心配はいりません。この記事では、一人っ子の子育てのヒントをご紹介。女の子の傾向や特徴など、参考にしてみてくださいね。

一人っ子は珍しくない

晩婚化や、高齢出産の増加、共働き世帯の増加などから、一人っ子の家庭が増えています。

国立社会保障・人口問題研究所による調査結果では、子どもがいる世帯の3分の1近くが一人っ子世帯となっています。

兄弟・姉妹のメリットは4歳差までという説もあり、きょうだいとの年齢差による「実質一人っ子」のような状況で育つ子も含めると2分の1以上になり、一人っ子家庭は珍しいものではありません。

一人っ子の女の子のイメージは?

一人っ子に対して、「わがまま」「かわいそう」「社会性が育たない」というネガティブなイメージを持つ人がいます。

このネガティブイメージは19世紀の終わり頃、心理学者スタンレー・ホールが「一人っ子はそのこと自体が病気」という主張をしたことから広まったといわれています。

しかし、その後、心理学者トニ・ファルボにより、「個人の性質に関しては一人っ子と兄弟・姉妹とともに育った子に差はない。一人っ子の孤独でわがままで適応能力に欠けるという固定概念を証明する研究は存在しない」と発表しています。

心理学的に見ると、一人っ子は達成意欲と自尊心が高い傾向にあり、脳科学的、運動科学的に見ると、女の子は想像力や共感性に優れていて、優しい傾向があるとされています。

つまり、一人っ子の女の子に対するネガティブイメージを証明する根拠はなく、ポジティブな傾向も指摘されているので、一人っ子を理由に子どもに不安を抱く必要がないことはあきらかです。

一人っ子の女の子の育て方の基本

大前提として、子どもの個性や性格は子ども一人ひとりで異なり、「一人っ子だから」という理由で偏った性格になるものではなく、決まった子育て方法というものはありません。

一方で、脳や体が発達する過程で、接し方やコミュニケーションの取り方など、意識するとよいとされていることもあります。

ここからは、心理学や脳科学、行動科学の視点から、子どもの特徴を活かした子育てのヒントをご紹介します。

自己肯定感を育てる

子育てをする中で、大切にしたいのが子どもの自己肯定感です。

自己肯定感を育てるには、愛されている実感が不可欠といわれています。愛されている実感は、見守られること、受け止められること、甘えられることで感じます。

子どもの言動をよく見て、言動一つ一つを受け入れ、共感し、褒めてあげましょう。子どもが話しているときはできるだけ手をとめ、目を合わせて聞いてあげます。

褒めるときは「すごいね」と全体をまとめて褒めず、「◯◯がよかったね」とひとつずつ具体的に褒めてあげることがポイントです。失敗したり、うまくいかなかったりした場合でも、ありのままを受け入れてあげましょう。

「いい子でも悪い子でもあなたが大好き」と子どもへの愛情を伝えることで安心感を与えることができるとされています。

一人っ子はママ・パパの愛情を独り占めすることができます。特に、0歳から6歳までの時期に思う存分甘えられることは、「心の土台」を作るためにとても大切で、この時期に甘えられる環境があることで、頑張れる心や安定した心を育てることができるとされています。

甘えさせてあげるときには、ママ・パパは愛情を込めて抱っこをしたり、スキンシップをとるようにしましょう。女の子は親から愛情を込めて触れられることで、自分の心と体を大事にする感覚を学びます。

感性を刺激し想像力や創造力をのばす

女の子は体の構造上、男の子よりも小さいときから色の識別が得意で耳もよく、質感の違いを触って判別するのも得意なことから、感性が豊かといわれています。

一人っ子は1人で遊ぶ時間が長い傾向にあり、いろんなことを想像し、空想し、内面で楽しんで過ごす時間をたっぷりと持つことができます。

1人で過ごす時間は、想像力や創造力を育てるために必要な時間です。一人っ子の女の子は、散歩や歌、ごっこ遊び、絵本、お絵かき、折り紙などを積極的にさせてあげて、感性を刺激し、想像力や創造力を育てるサポートをしてあげましょう。

また、女の子は0歳で感性が急激に育つことがわかっています。0歳の刺激は2歳頃の言葉の発達に大きく現れるため、コンサートや演劇、スポーツ観戦など本物に触れる機会を作って、さらに五感を刺激してあげるとよいでしょう。

お絵かきや折り紙などで子どもが独創的な表現をするときは、口出しせず、見守ってあげるのもポイントです。

自分の意志を主張する大切さを教える

共感力が優れていると、相手の気持ちを理解しやすいために自己主張が得意でない子も少なくありません。

しかし、自分の気持ちを抑え相手を優先することが、必ずしもよいとは限りませんよね。社会では異なった考えの人と共存することが大切です。

子育てでは、相手の気持ちや考えを受け入れる力と同時に、自分の気持ちや意見を主張するトレーニングをしてあげるとよいでしょう。

普段の生活の中で「どれがいいの?」と複数の選択肢から選ばせたり、「どうしたいの?」と聞いて、自分の気持ちを伝えたりする習慣をつくるのがポイントです。

このとき、どんな主張をしても否定せず、ママ・パパが受け止めてあげることも大切です。

一人っ子の女の子を育てるポイント

一人っ子の女の子の特性から、子育てにおいて意識しておきたいポイントをご紹介します。

会話を大事にする

女の子は男の子よりも言葉が早く、たくさん話す子が多い傾向があります。

2歳以降は、自分の行動の確認と承認欲求から、よりたくさん会話をするようになります。

ママ・パパはじっくり目を合わせて、子どもが話す内容を正しい日本語の文章にして繰り返してあげるとよいでしょう。

上手に会話ができるようになると、コミュニケーションがうまくとれるようになり、心の安定にもつながるとされています。

本気で向き合う

共感力に優れてい子は、上辺だけで会話をすると、簡単に見抜くといわれています。

忙しい中で、常に子どもと向き合うのは大変ですが、子どもと会話をするときはできるだけ本気で向き合えるとよいですね。

相手ができない場面では、「今はご飯を作っているからちょっと待っててね」と声をかけてあげるとよいでしょう。

0歳の赤ちゃんでも声のトーンや表情で大人の感情を察するといわれているので、赤ちゃんと接するときの声かけや表情は「おだやかにやさしく」を意識するのがポイントです。

ママ・パパがお手本になる

子どもはママやパパのマネをするのが大好きです。子どもに何かを教えるとき、ママ・パパが見本を見せてあげると効果的

ハイハイしているところを見せたり、もぐもぐ噛むところを見せたり、お年寄りとの接し方や、お友達の輪に入りたいときの方法などコミュニケーション面でも、まず、パパママが実践している姿をみせてあげるとよいでしょう。

「ごめんなさい」「ありがとう」などの言葉も、ママやパパが使うことで、子どもも自然に言える子に育つともいわれています。あいさつや感謝の気持ちは、積極的に表現できるとよいですね。

感情をコントロールする訓練をする

子どもは感情をコントロールできず、泣いたり大声を出したりすることもありますよね。感情的な場面が気になったら、感情をコントロールするトレーニングをしてみましょう。

トレーニングのひとつに、子どもが歩いたり走ったりできるようになったら、ママやパパの掛け声で「止まる」「戻る」をするゲームがあります。

体をコントロールすることは感情をコントロールすることの土台になるため、動作をコントロールする訓練が効果的。

子どもは自分の思い通りにならないときや不快なときにイライラしたり、わがままを言ったりすることもありますよね。そんなときは、具体的にどうすれば問題が解決するかを考えさせ、アドバイスしてあげましょう。

問題を解決することが感情をコントロールする手段になります。

会話が上手にできる子は会話で心を安定させることができますが、中には苦手な子もいます。

その場合は、お絵かきや歌、ダンスなど、どのような手段でもいいので、自分の気持ちを表現できることをさせてあげ、その内容を元に子どもとコミュニケーションをとるとよいでしょう。

言動の裏にある本音を知る

子どもは、言動と本心が違うことがあります。ときには、言動の裏にある本心を察してあげる必要があります

3歳くらいになると、同じ服を着たがったり、同じぬいぐるみをずっと持ち歩きたがったりと、こだわりをみせることがあります。

この時期は家族以外の新しい世界を認識し、新しいステップに進もうとする時期であり、こだわりは不安を抑えるための行動とされています。ママ・パパは心配したり否定したりせず、ただ、あたたかく見守ってあげましょう。

また、4歳頃になると、不快な感情をどう伝えたらいいのか、どう解決したらいいのかがわからず、「やだやだ」とだだをこねます。

まずは、「やだ」の裏に隠された不安を具体的に言語化して、どうすれば解決するのか一緒に考えたり、提示してあげるのがポイントです。

わかりやすく・具体的に叱る

子育てでは叱るタイミングや叱り方で悩んでしまうこともありますが、危ないことをしたときや道徳・倫理に反したときは、きちんと叱ることも大切です。

叱るときは「だめ」という言葉が先行してしまいますが、「だめ」だけでは伝わりません。「危ないよ」「痛いよ」と、なぜだめなのかを伝えましょう

すぐに理解はできなくても、繰り返し伝えることでわかるようになっていきます。

急いで行動してほしいときや、行儀よく静かにしてほしいときは、つい「◯◯して!」「◯◯しちゃダメ!」と怒った口調になってしまいがちです。このような場面では、子どもの考えや気持ちをいったん認めてあげてから、どうすればいいのか、その行動でまわりの人がどんな気持ちになるのかを伝えましょう

子どもの成長に合わせて、徐々に自分の行動で起きることには、責任が伴うことを学ばせましょう。「◯◯してはいけない」と否定ではなく、「◯◯してね」と伝えてあげるのもポイントです。

お手伝いをしてもらう

3歳頃になると、「自分でしたい」と家事などをやりたがることが増えます。一人っ子にとって、お手伝いは協調性を育てるために家庭でできることの1つ。

ママ・パパは、自分でやったほうがスムーズに家事が進むと感じてしまいますが、子どものやりたい気持ちを認めてあげて、余裕があるときは子どもに手伝ってもらいましょう。

お手伝いを通じて自分も家族の一員として役立つことを経験し、人の役に立つために働きたい、人と関わりたいという気持ちが育まれます

きょうだいがいないことによる経験不足はどうする?

兄弟・姉妹がいないことで生じる経験不足は、多くの場合は保育園や幼稚園、小学校などでお友達と関わることで十分に補うことができます。

家庭では下記のようなことを試してみるとよいでしょう。

  • 動物と触れる機会をつくりいたわりの気持ちを養う
  • お年寄りや年下の子と接する機会を作る
  • コミュニケーションスキルを身につけパパママが自宅に自分の友達を招く
  • 協調性を身につけさせるためにお手伝いをさせる

人との関わり方が学べるような絵本を読むのも効果的です。しかし、コミュニケーション力や社会性は、社会経験を積むことで自然と身につくため、無理に補おうとする必要はありません。

親子のバランスに気をつけることも大事

現代の一人っ子の家庭では、多くがママとパパ、子どもの3人家族です。大人2人と子ども1人というバランスは、子どもにとっては窮屈かもしれません。

たまには、ママ・パパのどちらかと2人でお出かけをしたり、親戚やお友達の子を連れて大人と子どものバランスをとる機会を作ってみましょう。

ついついやりがちなNG行動

一人っ子の女の子を育てる中で、気をつけたい行動があります。感受性が強く、ママやパパの言動を真似やすい子どもの特徴を踏まえ、注意したいポイントを紹介します。

「一人っ子でごめんね」の発言

どんなに小さい子どもでも親の気持ちには敏感です。

ママやパパが「一人っ子でごめんね」という気持ちで接していると、子どもは「わたしはかわいそうな子なんだ」と感じるようになり、自己否定につながります。

ママ・パパが一人っ子に関して罪悪感を持たないことが大切です。「あなたが大切」「3人でも楽しいね」とたくさん伝えながら育ててあげましょう。

しつけを厳しくする

甘えん坊に育つ心配から、厳しいしつけをしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、厳しくしつけることはデメリットも多く、子どもの心を傷つけてしまうことにもなりかねません。

6歳までの子どもには、厳しすぎるしつけよりも愛されている実感が大切といわれています。会話を大切に、子どもと接する時間を意識的にとるとよいでしょう。

習い事をさせすぎる

いろいろな習い事をさせることに問題はありません。

親にいわれて続けていた習い事が、後々やっていてよかったという経験をしたママ・パパもいるでしょう。

しかし、子どもが本気で習い事を拒否し、辛い思いをしているときは、決して無理強いしないことが大切です。さまざまなことを体験する機会を作りつつも、子どもの様子をみて本人の意志を尊重しながら続けるか判断できるとよいですね。

否定的な発言や汚い言葉を使う

子どもは親の言動をよくみているものです。親の喧嘩や愚痴の内容が、子どもの考えの基礎になってしまうことがあります。

普段から否定的な発言をしていたり、汚い言葉を使っていると、いつの間にか子どもも同じような話し方をしている、ということもあります。

家庭では子どもに聞かれていることを念頭に会話をしましょう。

ルールは絶対的だと教える

ルールは他人に迷惑をかけず、みんなが気持ちよく共存するためのものです。

女の子は共感力が強いため、ルールを理解し、守るのが得意といわれていますが、ルールを絶対的なものととらえすぎると柔軟性に欠け、臨機応変な対応ができないこともありますよね。

ルールを基準にするのではなく、みんなが気持ちよく共存するためにどうすればいいかという視点で考え、行動できるようサポートしてあげましょう。

人と比べる

きょうだいがいないことで、競争心が育たないことを心配してしまうかもしれませんが、そのためにほかの子と比較してはいけません

ほかの子と比べてしまうと、やる気をなくしてしまう可能性があるので、ゲーム性を持たせて一緒に楽しんだり、簡単なことから達成する喜びを味わわせたりしながら、競争力を育む工夫をしてみましょう。

性格は人それぞれ!ありのままを受け止めよう

一人っ子の女の子の育て方について、心理学や脳科学の観点や、傾向を踏まえた接し方についてご紹介しました。

しかし、実は一人っ子の女の子に限ったことではなく、男の子でもきょうだいがいても大切なことばかりです。

大切なことは、1人の人間として尊重し大人の意志を押し付けすぎないこと。そして、子どもの成長を見守り、ときに必要なことを学ばせるサポートすることです。

子どもの自己肯定感を育めるように、子どもの個性を認めてあげながら向き合えるとよいですね。

諸富祥彦『ひとりっ子の育て方~「友だちづくり力」「自分づくり力」「立ち直り力」。0~15歳児の親が最低限しておくべきこと。~』WAVE出版 (2013/10/1)
竹内エリカ『女の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』 KADOKAWA/中経出版 (2015/9/26)
  • 一人っ子の女の子だからといって決まった育て方はない
  • 子育てで大切なことは子どもを1人の人間として認めてあげること
  • 子どもと対話し一緒に考えながら物事を学ぶサポートをする

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