【医師監修】妊婦が楽な寝方は?妊娠中の寝不足や不眠対策におすすめの方法を紹介
妊娠してから、つわりがひどくて安眠できなかったり、おなかが重くて仰向けで寝るのがしんどかったりしていませんか?
なかなか寝付けないとき・ぐっすり眠れないときは、体調に合わせた姿勢で寝てみましょう。寝方を変えると体に負担もかかりにくくなりますよ。妊娠時期ごとにおすすめの寝方をお伝えしますので、寝苦しさを感じているママは試してみてくださいね。
妊娠してから、つわりがひどくて安眠できなかったり、おなかが重くて仰向けで寝るのがしんどかったりしていませんか?
なかなか寝付けないとき・ぐっすり眠れないときは、体調に合わせた姿勢で寝てみましょう。寝方を変えると体に負担もかかりにくくなりますよ。妊娠時期ごとにおすすめの寝方をお伝えしますので、寝苦しさを感じているママは試してみてくださいね。
妊娠時期で寝方は変えたほうがよい?
妊娠中はおなかに負担をかけないためにも、時期に合わせて寝方を変えましょう。
妊娠中、つわりがひどくなったり、おなかが大きくなってきたりすると、それまで安眠できていた姿勢では朝までぐっすり眠れなくなることがあります。
また、妊娠中期から後期にかけてお腹が大きくなると、仰向けで寝ると仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)や、胎児の状態が悪化し死産になるリスクを高める原因になります。
妊娠中は寝やすさだけでなく、母体・胎児に負担をかけない姿勢をとるようにしましょう。
妊娠初期(~4ヶ月)
妊娠初期(~4ヶ月)は寝方・寝相を気にせず、寝やすい姿勢で寝ても問題ありません。
つわりによる吐き気があるときは、上半身を少し起こした姿勢で寝るとよいでしょう。
上半身を少し起こすことで胃酸が逆流しにくくなるので、吐き気や胸やけが起こりにくくなります。また、吐いたとしても、吐いたものが誤って肺に入ってしまうのを防ぐためにも有効です。
クッションや座布団を重ねて背もたれ代わりにするなど、工夫してみましょう。
この時期はまだおなかが大きくないため、仰向けやうつ伏せで寝ても赤ちゃんへの影響はありません。
妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月)
妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月)からは仰向けで寝るのは避け、横向きで寝るようにしましょう。
中期以降は、子宮が少しずつ大きくなってきて、仰向けで寝ると息苦しさや重苦しさを感じやすくなります。
子宮が大きくなっている状態での仰向け寝は、寝苦しいだけではなく、子宮がその後ろにある太い静脈を圧迫しさまざまな不調やリスクの原因になります。
おなかが大きくなる妊娠中期から、体の左側を下にした「シムス位(シムス体位)」という体位に慣れていくとよいでしょう。
妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月)
妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月)になると、おなかがさらに大きくなって、仰向けで寝るのが難しくなります。仰向けで寝ると、仰臥位低血圧症候群になることがあるので注意が必要です。妊娠後期は、シムス位で寝るとよいでしょう。シムス位をベースに、腕や足の位置を調整して心地よい姿勢を見つけてください。
抱き枕やクッションを使うと、より楽な姿勢がとりやすくなりますよ。
仰向けで寝るリスク
仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)
むくみ
死産のリスク増加
仰向けでの睡眠が直ちに死産を引き起こすというものではありませんが、妊婦の不調や胎児の健康リスクになりうるため、妊娠中は仰向けを避けた寝方を心がけてください。
妊婦におすすめの寝方「シムス位」とは?
シムス位とは、体の左側を下に横を向いて寝た状態から、体をややうつぶせにした姿勢です。誰もが自然に取りやすい姿勢で、寝返りを打ちにくい妊娠中も楽に眠れます。
シムス位のとり方
体の左側を下にして横になる
右足・右手を前に出すように、上半身をややうつ伏せに
右足(上側)は膝を曲げ、左足(下側)よりもやや前方に
右足・右手は楽な位置に調整する
左手(下側)は背中のうしろ側に伸ばす
シムス位はおなかを守るような姿勢なので、仰向けなど無防備な姿勢に比べると安心感があるのもポイント。クッションや抱き枕を使うことで、より楽にシムス位がとれますよ。
シムス位のメリット
安心感があってリラックスできる
仰臥位低血圧症候群の予防になる
おなかの重さを感じにくい
背面に熱がこもらない
おなかが大きくなってきて、今までの寝方では寝にくいと感じたら試してみてくださいね。
妊娠中に悩みやすい症状別のおすすめの寝方
妊娠中は、腰痛やむくみといったマイナートラブルに悩まされるママも多いもの。妊娠中に悩まされることが多い症状別におすすめの寝方を紹介します。
腰痛があるとき
おなかが重くなってくると反り腰の姿勢になりやすく、腰の痛みが出やすくなります。
腰が痛いときは、腰の下にクッションや2つに折った座布団などを入れて寝ると、寝ている間の痛みがやわらぎますよ。
腰の下にクッションを入れると暑い場合や寝にくい場合は、ひざの下に筒状のクッションを入れるのもおすすめです。腰やひざの下にクッションを入れることで反り腰が解消され、痛みが出にくくなります。
足のむくみがひどいとき
足のむくみがひどいときは、足枕やクッションで足を少し高くして寝るのがおすすめです。足を少し高くすることで、足元に溜まった水分が心臓に戻りやすくなります。クッションがない場合は、丸めた布団や毛布を入れてもかまいません。
恥骨痛がひどいとき
妊娠すると、ホルモンの影響で骨盤まわりの関節やじん帯が緩んで骨盤が開き、痛み(恥骨痛)を感じることがあります。恥骨痛がつらいときは、クッションを使ってみましょう。妊娠初期に仰向けで寝るときは、ひざの下にクッションを入れてください。妊娠中期以降、横向きで寝るときはひざを曲げ、ひざの間にクッションやバスタオル、座布団などを挟むと痛みがやわらぎます。
つわりで吐き気があるとき
つわりで吐き気があるときは、上体を起こすか右側を下にして横向きに寝るのがおすすめです。上体を少し起こすことで胃酸が逆流しにくくなりますよ。胃が重いとき・もたれているときは、右側を下にして横向きに寝ましょう。
右側を下にすることで、食べたものが胃から十二指腸にスムーズに送られるので、胃もたれが防げます。
妊娠中に眠れない・寝不足になりやすい原因は?
妊娠中に眠れない・寝不足になりやすいのには、理由があります。主な理由は次のとおりです。
妊婦が不眠になりやすい原因
ストレス
ホルモンバランスの変化
頻尿
おなかが大きくなったことによる息苦しさ
腰痛・恥骨痛
妊娠中の不眠はある程度しかたがない部分もありますが、寝不足が続くと体にも負担になります。日中眠気を感じたら、無理をせず短時間でもお昼寝をするなど、眠れるときに眠って体を労わってくださいね。
眠くなくても横になり目をつむるだけで体がぐっと楽になりますよ。
妊娠中に快適に眠るための5つのポイント
妊娠中も朝までぐっすり眠るためには、次のポイントを意識してみましょう。
安眠のコツ・ポイント
寝室の明るさ・色を調整する(暖色系がおすすめ)
室温湿度を調整し気候に合った寝具を使う
日中は適度に体を動かし寝る前に軽くストレッチをする
夕食は寝る2時間前までに済ませる
寝る前にスマホやテレビを見ない
就寝前にお風呂に入ってリラックスする
ヒーリングミュージックを聞く
起きる時間と寝る時間を一定にする
朝起きたら日光を浴びる
普段の生活習慣や寝室の環境・寝具を見直すだけでも睡眠の質を上げられるので、試してみてくださいね。
出産された後は赤ちゃんの授乳や夜泣き、おむつ交換などで長時間睡眠はまず無理です。短時間の睡眠をどこで取るかといった自分なりの工夫が必要になります。その準備だと考え妊娠中から色々トライされることが宜しいでしょう。
また、眠れないからといって睡眠導入剤(いわゆる睡眠薬)を求めたくなるかも知れませんが、妊娠中は安易に薬を用いることは勧めません。医師が必要と判断した場合に限り内服してください。
みんなどうしてた?妊娠中の睡眠に関するアンケート
ここでは、先輩ママ100名を対象にした「妊娠中の睡眠に関するアンケート」の結果をご紹介します。
もしかしたらヒントになる意見があるかもしれませんね。
妊娠中は9割以上の人が睡眠に悩んだという結果に
「妊娠中に睡眠で悩んだことはありますか」という質問には、9割以上の人が初期から後期にかけて悩んでいたと回答しました。
また、8割以上の人が「妊娠後期に悩んだ」と回答しており、おなかが大きくなるほど睡眠の悩みが出やすく、多くの妊婦さんが悩んでいることがわかります。
妊娠中に睡眠で悩んだことはありますか
妊娠初期に悩んだ:31人
妊娠中期に悩んだ:35人
妊娠後期に悩んだ:84人
悩みはなかった:8人
※複数回答あり
「睡眠で悩んだ」と回答した人が寝やすかった姿勢は?
今回のアンケートでは、「 妊娠中に寝やすかった・寝心地が良かった姿勢はどのような姿勢でしたか。逆に寝苦しかった姿勢はどのような姿勢でしたか。」という質問の回答も集めました。
ここでは、妊娠中「睡眠で悩んだ」と回答した人が、どのような姿勢が寝心地が良かったか、寝苦しかったのか、回答コメントをご紹介します。
sehrさん/40代/専業主婦/中国地方在住/子ども3人のママ
ゆあさん/30代/専業主婦/関東地方在住/子ども3人のママ
ユメさん/20代/会社員(正社員)/近畿地方在住/子ども1人のママ
りりこさん/30代/専業主婦/近畿地方在住/子ども2人のママ
まぁさん/40代/専業主婦/九州・沖縄地方在住/子ども2人のママ
Mililyさん/30代/専業主婦/関東地方在住/子ども2人のママ
たまさん/30代/会社員(正社員)/関東地方在住/子ども2人のママ
なあつさん/20代/専業主婦/九州・沖縄地方在住/子ども2人のママ
mkmkさん/20代/会社員(正社員)/北海道在住/子ども1人のママ
みみさん/30代/専業主婦/北海道在住/子ども1人のママ
ちいさん/40代/会社員(正社員)/東北地方在住/子ども5人以上のママ
ぱこさん/30代/専業主婦/中部地方在住/子ども1人のママ
妊娠中の睡眠で工夫したことやおすすめグッズは?
妊娠中の睡眠で工夫したことや、おすすめグッズについてのコメントもご紹介します。
快適な睡眠のために参考にしてくださいね。
るるさん/20代/会社員(正社員)/関東地方在住/子ども1人のママ
ゆあさん/30代/専業主婦/関東地方在住/子ども3人のママ
みかんさん/30代/専業主婦/東北地方在住/子ども1人のママ
あねっささん/20代/パート・アルバイト/中部地方在住/子ども1人のママ
みくさん/20代/専業主婦/近畿地方在住/子ども1人のママ
sehrさん/40代/専業主婦/中国地方在住/子ども3人のママ
まいさん/30代/経営者・役員/関東地方在住/子ども1人のママ
ゆうさん/30代/専業主婦/北海道在住/子ども1人のママ
may_15さん/30代/会社員(正社員)/近畿地方在住/子ども1人のママ
なあつさん/20代/専業主婦/九州・沖縄地方在住/子ども2人のママ
今日も早起きさん/30代/専業主婦/北海道在住/子ども2人のママ
ぴょんさん/30代/専業主婦/北海道在住/子ども3人のママ
横向きで抱き枕を使うことで寝やすくなったという声が多くみられました。
また、足がつりやすいときの水分補給や、むくみ対策に靴下をはくといった工夫や、昼間は眠くなくても横になるといった工夫がみられました。
妊婦の寝方でよくある質問
ここでは妊婦さんの寝方に関するよくある疑問をご紹介します。気になる点を解消しましょう!
右と左、どちらを下にした方がよい?
自分が楽な方を下にして寝て構いません
左右どちらを下にするかは、自分が楽だと思う方を選んで構いません。シムス位は左側を下にするのが基本姿勢です。まずは左側を下にして寝てみましょう。ただ、胃酸が逆流しやすい姿勢でもあるため、調子が良くなければ反対側を下にして寝てみましょう。左右の違いで赤ちゃんに影響があるものではなく、人によって楽に感じる向きが違うので、左右試しながら寝やすい姿勢を見つけてください。
いつまで仰向け・うつ伏せで寝てよいの?
苦しくないうちは仰向け・うつ伏せで寝て構いません
妊娠初期のあいだ、苦しくないうちは仰向け・うつ伏せで寝てもかまいません。仰向けやうつ伏せの姿勢が苦しくなってきたら、シムス位など楽な寝方を試してみましょう。妊娠後期からは、仰向けで寝ると「仰臥位低血圧症候群」になることがあります。仰臥位低血圧症候群は、大きくなったおなかに大きな血管が圧迫されることで冷汗や頻脈、吐き気、顔面蒼白などの症状が起こる病気です。妊娠後期になったら、仰臥位低血圧症候群を防ぐためにもシムス位などで寝るのがおすすめです。
体の向きで赤ちゃんが逆子になることはある?
寝る姿勢の向きが逆子に影響することはありません
右向きまたは左向きで寝たからといって、赤ちゃんが逆子になるとは考えにくいです。赤ちゃんは、妊娠30週ぐらいまではママのおなかのなかでぐるぐる動いています。次の健診では逆子が直っていることも珍しくありません。寝る向きによって逆子になったり、逆子が直ったりすることはないと考えられているので、寝る向きに気をつける必要はありません。自分が楽だと感じる向きで寝ましょう。ただし、医師や助産師さんによっては、逆子を直すために「胸膝位(逆子体操)」をするよう指導することがあります。医師や助産師さんから指示があった場合は、それに従ってくださいね。
寝る時に抱き枕は必要?
抱き枕やクッションがあると便利です
抱き枕やクッションはなくてもかまいませんが、あると何かと便利です。シムス位を取ったり、上体を起こしたりするのに使えるので、ひとつ準備しておくのもよいでしょう。授乳クッションとして使えるタイプは出産後も活躍しますよ。
苦しくなければ寝方は自由!楽な姿勢でリラックスしよう
妊娠中は、体調の変化や大きくなったおなかの重さ・圧迫感で、熟睡するのが難しくなるもの。そんなときは、体調に合わせた寝方を試してみましょう。おすすめは、横向きの状態で体を軽くうつ伏せにしたシムス位です。シムス位ならおなかが大きくなっても圧迫感や苦しさを感じにくく、寝やすいですよ。妊娠中の睡眠の質をアップさせたいときは、寝室の環境や寝方を工夫してみてくださいね。自分に合った寝方で、朝までぐっすり眠りましょう。
- ホルモンの影響などで妊娠中は熟睡しにくくなる
- 妊娠中はシムス位など楽な姿勢で寝てみよう
- おなかが大きくなってきたら仰向けは避けて
- クッションや抱き枕があると寝方を変えるのに便利
- 寝室の明るさや室温、寝具なども見直そう
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
本サイトでは正確な情報を提供できるよう最善を尽くしておりますが、妊娠期の母体の状態は個々人により異なるためすべての方に適用できるものではございません。
本サイトの記事中で紹介している商品やサービスは編集部が選定しております。記事の監修者が選定・推奨したものではありません。
記事の一部では妊娠中の方から寄せられた体験談を紹介しておりますが、個人の実体験に基づいており医学的根拠があるものとは限りません。専門家の見解と異なる意見も含まれるためご注意ください。
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