妊婦はいかを食べてもいい？妊娠中にいかを食べるときの注意点やメリットについて解説

妊婦がイカを食べることに問題はありません。

妊娠中に摂取したい栄養素が豊富に含まれているため、注意点を守れば妊婦さんにとっては魅力的な食材と言えます。

ただし、生のいかは食中毒のリスクがあるため避けましょう。

イカを食べる時にとくに気を付けたいのは「食中毒」と「塩分過多」です。

妊娠中は免疫力が下がるため、食中毒にかかりやすくなります。生のイカから感染する恐れのある寄生虫や細菌について説明します。

生のイカには寄生虫のアニサキスが寄生している可能性があるため、妊婦は控えるようにしましょう。

アニサキスは魚介類に寄生している寄生虫で、白く太めの糸のような見た目です。

体内にアニサキスが取り込まれると胃壁や腸壁に入り込み、激しい痛みや吐き気を伴うアニサキス症を発症します。

有効な駆虫薬がないため、内視鏡で摘出する処置が必要です。妊婦さんの体にかなりの負担がかかります。

腸炎ビブリオは、感染性胃腸炎を引き起こす細菌の1つで、原因食品のほとんどが魚介類です。

感染すると、12時間前後の潜伏期間を経て、激しい腹痛と下痢の症状が現れます。また、発熱や嘔吐を伴うこともあり、注意が必要です。

胎児に直接の影響があるわけではありませんが、妊婦が下痢や嘔吐によって脱水症状に陥ることになれば、胎児に影響がでる可能性もあります。

ここからは、妊婦がイカを食べるときに気を付けたいポイントについて説明します。

食中毒を避けるために、生のイカは避け、しっかり加熱調理してから食べるようにしてください。

アニサキス、腸炎ビブリオ、リステリア菌など食中毒を引き起こす細菌は、加熱調理することで死滅させられます。

冷凍や塩漬けなら菌が死滅するイメージがあるかもしれませんが、そのような状況でも増殖できる細菌がいるので注意して下さい。

リスクを避けるため、よく火を通したものを食べましょう。

イカを食べる時は、塩分過多にならないよう注意が必要です。

いかは淡白な味なので、濃い味付けをしたり塩辛として食べたりすることが多いですよね。

たとえば、製品にもよりますが、イカの塩辛100g中には約7g前後の塩分が含まれています。

これは大さじ2杯分の醤油の塩分量に相当する値です。

また、イカを食べる際には、減塩タイプの醤油などを使う、塩の量を控えめにするなどの工夫をして塩分摂取量をおさえましょう。

厚生労働省では、妊婦の1日の塩分摂取量は6.5g未満を推奨しています。

食事全体のバランスを考えて、塩分のとり過ぎにならないよう注意してください。

妊娠中にイカを食べるメリットとして、まずイカに含まれる栄養素「タウリン」の効果が挙げられます。

タウリンは神経伝達物質の一種で、胎児の脳や神経系の発達に重要な役割を果たすことがわかっています。

ほかにも、良質なタンパク質やミネラル、ビタミンB群を豊富に含んでいるため、積極的に食事に取り入れたい食材と言えるでしょう。

歯ごたえがあることから消化されにくいイメージがあるかもしれませんが、消化率はスルメイカで93.5%と高く、消化器官への負担が少なく母体に優しい点も魅力です。

高たんぱくで低カロリーなイカを上手に食事に取り入れてみてください。

イカは妊娠中でも「生で食べることは避ける」「塩分のとり過ぎに注意する」の2つのポイントを守れば、安心して食べていい食材です。

栄養が豊富なイカは、しっかり火を通して食べることで、妊婦さんの健康をサポートしてくれる栄養源となってくれますよ。

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