【医師監修】つわりが気持ち悪くて助けてほしい…症状を和らげる方法や病院を受診する目安を解説

つわりを引き起こす原因は一つではありません。ここでは、つわりを引き起こし、悪化させる原因について説明します。

妊娠すると、ホルモンバランスが変化します。

特にヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）の増加により、嘔吐中枢が刺激されるといわれています。これが、吐き気や嘔吐などのつわりの症状を引き起こすのです。

運動不足になると、消化機能が低下し、つわりが悪化することがあります。

適切な運動で血流を改善し、ストレスを減少させることにより、つわりの症状を軽減させることができます。

とはいえ妊娠中なので、運動の質や量は加減してくださいね。

食事のバランスが崩れると、つわりが悪化することがあります。

特にビタミンやミネラルが欠乏すると、つわりの悪化に大きく影響するので注意しましょう。

心理的なストレスが高まると、体の自律神経のバランスが乱れ、つわりの症状が引き起こされたり悪化したりすることがあります。

十分な休息を取るなどストレスをうまく管理することで、つわりの軽減につながりますよ。

つわりのピークには個人差がありますが、一般的に妊娠8週から10週にピークを迎え、妊娠12週までに症状が軽減するといわれています。

ピーク時には動けないほどのつらさでも、妊娠の経過とともに徐々に症状が落ち着く場合がほとんどなので、安心してくださいね。

この時期にピークを迎える理由は、妊娠初期に分泌されるホルモン、特にヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）の分泌レベルが最高点に達するためです。

これらのホルモンは妊娠を維持するために重要ですが、同時につわりを引き起こす原因になります。

トモニテ編集部では、10〜40代の女性を対象につわりに関するアンケートを行いました。

つわりのピークはいつ頃だったかを質問したところ、「妊娠8週頃」と回答した人が53人で最も多い結果に。

次いで多かったのは「妊娠9週頃」で47人、「妊娠10週頃」で43人でした。

全体的に妊娠8週〜10週頃につわりのピークを迎える人が多いものの、回答にばらつきがあることから、つわりのピークの時期には個人差があることがわかります。

つわりで気持ちが悪いときにどう対処すればよいのか気になりますよね。ここでは、つらいつわりの対処法を紹介します。

動くのもつらくてなかなか実践できないこともあるかもしれませんが、できる範囲で取り入れてみてくださいね。

一日の食事量は変えずに、食事の回数を小分けにすることで、胃に負担をかけずに栄養を摂取することができます。

バナナ、リンゴ、トーストなどの消化によい食べ物を少しずつ食べましょう。食べられるものから少しずつ摂取することを心がけることで、吐き気の軽減につながるかもしれません。

嘔吐によって水分が不足すると、脱水症状を起こしやすくなります。

妊娠中は水分をこまめに補給するようにしてくださいね。

水分を摂るときは、適度な塩分も一緒に摂取するとよいでしょう。

体内の水分バランスが保たれ、気持ち悪さが軽減されますよ。

ただし、糖分が多く含まれるものは飲み過ぎに注意しましょう。

ジュースやコーラなどの甘い飲み物を過剰摂取すると、妊娠糖尿病や肥満のリスクが高くなります。

夜間や朝起きたときの不快感に対処するために、クラッカーやドライフルーツなどの軽くて食べやすいスナックを枕元に用意するとよいでしょう。

寝起きで空腹感を感じてもすぐに何かを口にでき、つわりの症状緩和につながります。

妊娠中は、料理や洗剤のにおいで吐き気が誘発されてしまう場合もあります。つわりで辛いときは、無理に家事や外出をすることは控えて安静にしましょう。

休息を取ってストレスを和らげるのも、つわりの症状を軽減することにつながります。

トモニテ編集部が行ったアンケートでは、つわりの症状を和らげるためにしていた工夫についても調査。

その結果、以下のような回答を得られました。

苦手なにおいを避けたり、食べられるものを食べたりと、無理のない範囲で工夫をしていた人が多くみられました。

つわりがつらいときは、自分が楽でいられる環境でリラックスして過ごすことが大切だといえそうですね。

つわりによって赤ちゃんに直接害が出ることはないといわれています。

しかし、重度のつわりが長期間続く場合、栄養不足や脱水症状が母体に影響を及ぼし、結果的に赤ちゃんの健康に悪影響を与える可能性があります。

重度のつわり（妊娠悪阻）が続く場合は、医師の診察を受け、適切な治療を受けましょう。

一般的に、つわりは自宅で様子を見ていても問題ありません。しかし、重度のつわりでビタミンB1の摂取が不足すると、意識障害やふらつき、目の障害などの「ウェルニッケ脳症」という脳の症状がみられることがあります。

極端に食事が摂れなかったり、脱水症状や極端な体重減少が見られたりする場合は医療機関を受診しましょう。

また、吐き気や嘔吐が一日に何度もある場合や、つわりによって日常生活に支障が出る場合も、専門の医師に相談してくださいね。

つわりの症状や程度は個人差が大きいもの。「こんなにつらいのは私だけ？」と困っている妊婦さんもいるかもしれません。

ここでは、つらいつわりが続くときによくある疑問を紹介します。

つわりは多くの妊婦さんが経験するものとわかっていても、症状が重いときはつらく感じるものです。

食べられるときに食べたいものを少しずつ食べる、水分をこまめに摂るなど、できることから無理なく始め、症状を少しずつ和らげられるとよいですね。

ただし、つわりの症状があまりに重い場合は、医療機関を受診しましょう。食事や水分をまともに摂取できない、体重が大幅に減少したなどの場合、赤ちゃんの発育に影響する可能性があります。

つらいときは一人で我慢せず、妊婦さんと赤ちゃんが健康的に過ごすことを最優先で考えてくださいね。

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