【医師監修】C型肝炎の検査は必要?妊娠中に感染がわかったときの対応や母子感染のリスクを解説
妊娠中は、病院でさまざまな検査を行います。血糖や貧血などの検査のほか、C型肝炎やB型肝炎の検査もあり「これまで肝炎にかかったことがないのにどうして検査をする必要があるの?」と思っている人もいるでしょう。
C型肝炎は、放っておくと肝臓がんの原因になるだけでなく、母子感染することもある病気です。
この記事では、検査のタイミングや方法のほか、検査結果が陽性だった場合の対応などを解説します。
妊娠中は、病院でさまざまな検査を行います。血糖や貧血などの検査のほか、C型肝炎やB型肝炎の検査もあり「これまで肝炎にかかったことがないのにどうして検査をする必要があるの?」と思っている人もいるでしょう。
C型肝炎は、放っておくと肝臓がんの原因になるだけでなく、母子感染することもある病気です。
この記事では、検査のタイミングや方法のほか、検査結果が陽性だった場合の対応などを解説します。
妊娠中にC型肝炎の検査を受けるのはなぜ?
妊娠中は、妊婦健診でさまざまな検査を行います。C型肝炎ウイルス検査も、そのひとつです。
C型肝炎は自覚症状がほとんどなく、発熱やだるさなどがなくても感染していることがあります。
肝炎ウイルスに感染していると分娩時に母子感染が起こることがあるため、母子感染を防ぐためにもC型肝炎の検査はきちんと受けておきましょう。
C型肝炎とは?
C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで起こる肝臓の病気です。C型肝炎の症状や感染経路について解説します。
C型肝炎の症状と経過
C型肝炎ウイルスに感染すると、肝臓に炎症が起き、体が疲れやすくなったり食欲が落ちたりします。しかし、感染初期は目立った症状が現れることは少なく、無症状の人も少なくありません。
C型肝炎ウイルスに感染した場合、60~80%の人は慢性肝炎になってしまいます。
慢性肝炎が進行すると、徐々に肝臓が硬くなる「肝硬変」が起こることも。そのまま治療をせずにいると、肝硬変から肝臓がんへと移行することも珍しくありません。
C型肝炎はすぐに進行する病気ではなく、20年ほどかけてゆっくり進行していくのが特徴です。
C型肝炎の感染経路
C型肝炎は、感染経路や原因がわからないケースが過半数を占めています。
しかし、タトゥーや血液が付着したカミソリ・歯ブラシなどの共用で感染することがあります。会話や食事、入浴などの日常生活で感染が広がることはありません。
ウイルスに感染していた人とのセックスで感染することもありますが、感染率は低いとされています。
感染している人の血液を介して感染が広がるため、妊娠中は他人の血液に触れないよう気をつけましょう。
現在は厳しいチェックがされているため、輸血や血液製剤によってC型肝炎に感染することはほぼありません。
しかし、1992年以前の輸血や1994年以前のフィブリノゲン製剤、1988年以前の血液凝固因子製剤はC型肝炎ウイルスのチェックが不十分だった可能性があります。
過去に輸血・血液製剤を使用したことがないか確認しておくとよいでしょう。
C型肝炎は母子感染することがある
妊娠中、おなかの赤ちゃんがC型肝炎ウイルスに感染することはありませんが、分娩時に感染する「母子感染」が起こることがあります。
母子感染が起こるのは5〜10%と稀で、万が一母子感染した場合でも約30%が数年以内に自然と治ります。
それほど高い確率で母子感染が起こるわけではないので心配しすぎることはありませんが、不安な場合はかかりつけの医師に相談してみましょう。
C型肝炎の検査はいつ・どのように行う?
C型肝炎の検査は、妊娠初期の妊婦健診で行います。
検査の方法は血液検査です。血液中のHCV抗体の有無を調べることで、C型肝炎ウイルスに感染したことがあるかどうかをチェックします。
しかし、HCV抗体の有無だけでは今もC型肝炎ウイルスに感染しているのか、過去に感染したことがあり現在は治っているのかはわかりません。
そのため、血液検査の結果HCV抗体が陽性だった場合は、HCV核酸増幅検査(HCV-RNA定量検査)で血液中にC型肝炎ウイルスの遺伝子がないかどうかを調べます。
HCV-RNA定量が陽性の場合は現在C型肝炎ウイルスに感染していることを示すため、治療が必要です。
妊婦健診でC型肝炎検査の結果が陽性だった場合の対応
C型肝炎の検査結果が陽性だった場合、まずは病院で適切な治療を受けましょう。現在、C型肝炎は飲み薬だけで治療できるようにもなっています。
また、出産後は母乳をあげても問題ありません。
母乳をあげると赤ちゃんへの感染率が上がる、ミルクをあげると下がる、という医学的根拠はないので、C型肝炎の検査結果が陽性だったからといって、母乳を控える必要はありませんよ。
C型肝炎にかかっていた場合の分娩方法
C型肝炎の母子感染は、分娩の際に起こることがほとんどです。
以前は、母子感染のリスクを減らすために帝王切開で出産することが少なくありませんでしたが、最近は経腟分娩でも母子感染率に大きな差がないことが明らかになっています。
経腟分娩で出産するか、帝王切開で出産するかは、妊娠の経過や赤ちゃんの状態、ママの血液検査の結果なども踏まえて総合的に判断されます。
妊娠初期に行うC型肝炎以外の検査
妊娠初期の妊婦健診では、C型肝炎以外にもさまざまな検査を行います。実施するおもな検査は次のとおりです。
妊娠初期に行うC型肝炎以外の検査
血液型(ABO式・Rh式)赤血球不規則抗体
赤血球不規則抗体
血糖
梅毒
B型肝炎
成人T細胞白血病ウィルス(HTLV-1)抗体
風疹抗体
HIV抗体
クラミジア抗原
子宮頸がん
膣内細菌
C型肝炎検査は必要!陽性だった場合はきちんと治療しよう
C型肝炎は、自覚症状がなくても感染していることがある病気です。血液などを介して、母子感染することもあります。
妊娠したら、母子感染のリスクを少なくするためにも、C型肝炎の検査を受けましょう。結果が陽性だった場合でも、きちんと治療を受ければ妊娠継続・出産は可能です。
C型肝炎は20年ほどかけてゆっくり進行していきます。しかし今は飲み薬で治療ができるようにもなっているので、検査結果が陽性だったからといって悲観せず、医師とよく相談しながら治療を進めていきましょう。
- C型肝炎検査は母子感染を防ぐために必要
- C型肝炎は自覚症状が現れにくい
- C型肝炎は血液を介して感染が広がる
- C型肝炎の感染しているかどうかは血液検査でわかる
- 結果が陽性だった場合でも飲み薬で治療ができる
【注意事項】
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本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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