妊娠初期の胃痛の原因はつわりなの？対処法や医師に相談する目安も解説

妊娠初期に、つわりによる胃痛を経験するのは珍しいことではありません。

この胃痛は、主にホルモンの変動や体の急激な変化によって引き起こされます。

特に、妊娠初期は体が大きく変化するため、その影響で多くの妊婦さんがさまざまな不快な症状を感じてしまうと考えられています。

ここでは、妊娠が原因で起こる可能性のある胃痛の理由を掘り下げて解説します。

女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの増加が、胃痛や胸焼けの一因です。

妊娠すると、女性ホルモンの分泌量に変化が現れます。プロゲステロンには子宮内膜を安定させる重要な働きがある一方で、胃のぜん動運動を鈍らせて、胃痛を引き起こす作用もあります。

また、プロゲステロンには、消化器系の筋肉を緩める働きも。胃酸の逆流を防ぐ下部食道括約筋がうまく働かなくなることで、胸やけの原因になってしまうのです。

ストレスも、胃痛の原因になることがあります。

妊娠は喜ばしいことである一方で、体の変化や将来の不安からストレスを感じることも少なくありません。

ストレスによって自律神経が乱れることで、消化器系の機能にも影響が生じ、胃痛が引き起こされることがあります。

妊娠初期から子宮が少しずつ大きくなりはじめ、胃を圧迫します。

消化機能が低下したり、胃が上がった状態になったりすることで、食後に不快感や痛みを感じることがあります。

つわりに伴う胃痛は、妊娠初期に最も強く現れ、妊娠12週ごろには落ち着くのが一般的です。

ただし個人差が大きいため、場合によっては症状がもっと長く続くこともあります。

ここでは、日常生活の中ですぐに試せる、つわりによる胃痛を軽減するための具体的な対処法を紹介します。

1日3回の食事を、5〜6回に分けて少しずつ食べる方法が効果的です。

一度に大量の食事を摂ると胃に負担がかかります。小分けにしてこまめに食事をすることで胃の負担が減り、胃痛を防ぐ効果が期待できますよ。

消化によい食品を選ぶことで、胃への刺激や負担が軽減されます。

おかゆやうどん、豆腐など、脂っこくなく食べやすいものを選びましょう。胃に優しい食べ物なので、つわりによる不快感を和らげるのに役立ちますよ。

食後2時間程度は、横にならず上体を起こして過ごしましょう。

食後すぐに横になると、胃酸が食道に逆流しやすくなり、胃痛や胸焼けの原因になることがあります。

体を休ませたいときは、クッションや枕を利用して、上体を20cm程度高くすると、胃酸の逆流を防げますよ。

締め付けが強い服やインナーを着ると胃が圧迫され、不快感や胃痛が引き起こされることがあります。なるべくゆったりとした服を着て、リラックスして過ごしましょう。

特に、ウエスト部分が締め付けられないように注意してください。インナーはワイヤーが入ったものは避け、マタニティ用に切り替えるとよいでしょう。

妊娠中の胃痛のほとんどがつわりの一種ですが、なかには病院を受診したほうがいいケースもあります。

以下では、病院を受診すべき症状について詳しく説明します。気になる症状がある場合は、自己判断せずに内科や胃腸内科で医師に相談しましょう。

食後に胸やみぞおちの痛みがある場合、胃潰瘍の可能性があります。

胃潰瘍は、胃酸によって胃の内壁が傷つけられることで起こる病気です。嘔吐や胃もたれを伴うこともあります。

空腹時にみぞおちが痛むのは、十二指腸潰瘍が原因かもしれません。

十二指腸潰瘍は、ストレスが一因だといわれています。食事で一時的に痛みが和らぐことがありますが、根本的な治療を受けないと再発する可能性が高いでしょう。

便の色が黒い場合も、十二指腸潰瘍のサインである可能性があります。

ほかにも、嘔吐や吐血などの症状を伴うことがあります。

食欲不振が長期間続く場合、胃腸の病気の兆候である可能性があります。

食欲不振は体全体の栄養不足につながるため、食欲不振以外にも気になる症状がないかを確認し、早めに医師の診察を受けましょう。

妊娠中に繰り返し嘔吐する場合は、胃腸の障害や食中毒、さらには妊娠悪阻などの妊娠合併症の可能性が考えられます。

嘔吐が頻繁に起こる場合、脱水症状を引き起こす可能性があるため、速やかに医師の診察を受けることが重要です。

胸焼けが強い場合や、症状が長引く場合は、逆流性食道炎の可能性があります。

逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して食道の内壁を刺激することで起こります。この状態が続くと、食道の狭窄や他の合併症が発生する可能性があるので注意が必要です。

このような症状が見られる場合は、胃酸の逆流を防ぐための適切な治療を受けることが重要です。

ここでは、妊娠中の胃痛やつわりに関してよくある質問を紹介します。疑問や心配事の解消に役立ててください。

妊娠初期の胃痛はつわりの一種で、一般的にホルモンバランスや体の変化が原因で起こります。

食事を小分けにしたり、消化によいものを摂るようにしたりして、症状を和らげる工夫をしましょう。

痛みがつらい場合や、他の症状も気になる場合は、自己判断せずに病院を受診してください。

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