
【医師監修】排卵期は乳首が痛くなる?原因・よくある症状・病院に行く目安も解説
排卵期に乳首の痛みを経験したことがある人もいるでしょう。乳首の痛みは排卵期によくある症状ですが、突然起こると不安に思うこともあるかもしれませんね。
今回は、排卵期の乳首の痛みについて、その原因や対処法、病院を受診したほうがよい症状などを詳しく解説します。
乳首の痛みが気になる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
排卵期に乳首の痛みを経験したことがある人もいるでしょう。乳首の痛みは排卵期によくある症状ですが、突然起こると不安に思うこともあるかもしれませんね。
今回は、排卵期の乳首の痛みについて、その原因や対処法、病院を受診したほうがよい症状などを詳しく解説します。
乳首の痛みが気になる人は、ぜひ参考にしてくださいね。
排卵期は乳首が痛くなる?原因は?

乳首の痛みは排卵期によくある症状で、ホルモンバランスの変化が原因です。
女性の体内では、排卵期と生理前に「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が活発になります。これらのホルモンが乳腺の組織に作用することで、胸の張りや乳首の痛みを引き起こすのです。
また、プロゲステロンの増加により、乳腺に水分が溜まりやすくなります。その結果「乳腺嚢胞(にゅうせんのうほう)」という水たまりの袋ができ、チクチクとした痛みを感じることもあります。
排卵期の乳首の痛みの特徴は?

排卵期の乳首の痛みには「チクチクとした痛み」や「触れると痛い」などの特徴があります。
ただし、痛みの強さには個人差があり、毎月必ず痛みを感じる人もいれば、ほとんど症状を感じない人もいます。
痛みがないから排卵していない、ということではないので安心してくださいね。
排卵期の乳首の痛みはいつからいつまで続く?

一般的に、乳首の痛みは生理予定日の約2週間前からはじまり、生理直前頃から少しずつ和らいできます。生理が始まると女性ホルモンの分泌が少なくなるので、乳腺の水分量も減り、痛みを感じなくなるのです。
月経周期が安定している場合は、痛みが生じる時期をある程度予測できるようになるでしょう。
ただし、人によって痛みを感じる時期や持続期間は異なります。「月の半分は痛みを感じている」という人もいれば、生理前の数日間のみ痛みを感じる人もいます。
排卵期の乳首の痛みを和らげるには?

排卵期の乳首の痛みを軽減するためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、日常生活で実践できる対処法を紹介します。
下着を変える
乳首の痛みを感じるときは、ゆったりとしたサイズの下着を選ぶのがおすすめです。
1サイズ大きい下着やノンワイヤーのブラジャーを選ぶことで、圧迫感を軽減できます。
やわらかい素材の下着なら、摩擦による刺激を軽減でき、より楽に過ごせるでしょう。
カフェインや脂質の摂取を控える
乳首が痛むときは、カフェインや脂質の多い食事の摂取に気をつけることもポイントです。
カフェインや脂質を摂りすぎると、エストロゲンの分泌が増え、胸の張りや痛みを悪化させるといわれています。
特にカフェインについては、赤ちゃんへの影響を考え、妊娠を考え始めた時点で摂りすぎないようにする必要があります。日本では具体的な摂取量の基準はありませんが、海外の公的機関では1日200〜300mgが目安とされているので、この範囲内で摂取するようにしましょう。
栄養バランスのよい食事を摂る
栄養バランスを意識した食事を心がけることも大切です。
必要な栄養素をまんべんなく摂ることで、ホルモンバランスが整い、胸の痛み・張りの症状が和らぐ可能性がありますよ。
主食・主菜・副菜のそろった食事を1日3回摂ること、できるだけ多くの食材を適量食べることを意識しましょう。
乳房を温める・冷やす
乳房を温めることで血行が促進され、乳首の痛みを和らげる効果が期待できます。
胸の周辺を、優しく円を描くようにマッサージすると効果的といわれていますよ。入浴や運動などもまじえて、体全体を温めるのもポイントです。
一方、乳房を冷やすことでも炎症を抑えられることがあります。水で濡らしたタオルをあてるなどして、適度に冷やしてみましょう。ただし、冷やしすぎには注意してくださいね。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めると自律神経やホルモンバランスの乱れにつながり、乳房の痛みを悪化させる可能性があります。
軽い運動やヨガのほか、深呼吸などのリラックス法を取り入れて、ストレスを軽減しましょう。趣味の時間を作るなど、気分転換を心がけることも大切です。
十分な睡眠をとる
質のよい睡眠を心がけることでホルモンバランスが整い、乳房や乳首の痛みが緩和できるでしょう。
毎日7~8時間の睡眠時間を確保し、毎日できるだけ同じ時間に寝起きするのがおすすめですよ。
病院を受診したほうがよい乳首の症状とは?

乳首や乳房の痛みが生理の2週間前〜数日前に起こり、2週間程度で治まるようであれば、女性ホルモンの働きが原因で起きている症状と考えられます。
ただし、以下の症状がある場合は、婦人科や乳腺外科を受診しましょう。
病院を受診したほうがよい乳首の症状
乳房の張りに加えて詰まりや痛み、熱を持った感じがする
乳腺炎の可能性があります。特に産後数週間の時期に起こることが多く、乳腺に乳汁が詰まったり感染が起きたりすることで発症します。乳腺炎には「うっ滞性乳腺炎」「化膿性乳腺炎」「慢性乳腺炎」の3つがあり、発症する時期や症状がそれぞれ異なります。
しこりやくぼみをともなう痛みがある
乳がんの可能性があるかもしれません。がんが進行することで湿疹やびらんができ、痛みの原因となります。上記の症状のほかに、乳房の形が変形したり乳首の腫れやただれが起きたりすることも。早期発見が重要なので、異常に気がついたタイミングで早めに受診しましょう。
乳首のまわりに小さなしこりがあり、血の混じった分泌物が出る
乳管内乳頭腫(乳管にできる良性腫瘍)の可能性があります。痛くないケースが多いようですが、血の混じった分泌液が出る場合は痛みをともないます。透明や薄い黄色、褐色の分泌液が出ることもあります。
乳首の炎症のほかに、赤みや腫れなどが起きる
赤みや腫れなどがある場合は、乳頭炎かもしれません。下着や衣服に長時間触れる乳首は蒸れやすいため、細菌や真菌などが繁殖して乳頭炎を引き起こすのです。悪化すると合併症を引き起こす場合もあるため、早めに病院を受診しましょう。
排卵期によくある症状とは?

排卵期には、乳首の痛み以外にもさまざまな症状があらわれることがあります。以下の症状を参考に、排卵のタイミングを判断してみてくださいね。
排卵期によくある症状
下腹部の痛み(排卵痛)
おりものの増加や形状の変化
イライラ
腰痛
吐き気
眠気やだるさ、倦怠感
むくみや冷え
乳首の痛みは排卵期によくある症状!不安がある場合は受診を

排卵期の乳首の痛みは、女性ホルモンの変化による症状で、生理直前頃から和らぐのが一般的です。痛みの有無や強さには個人差があり、生活習慣の改善や適切なケアにより軽減できる可能性があります。
気になる症状がある場合は婦人科や乳腺外科を受診し、医師に相談しましょう。
- 排卵期の乳首の痛みはホルモンバランスの変化が原因
- 症状の有無や痛みの程度、期間には個人差がある
- 生活習慣の改善などで症状を軽減できる場合がある
- 痛みが長く続く・しこりがあるなど、気になる症状があれば受診しよう
出典
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