
基礎体温のグラフがガタガタでも大丈夫?排卵・妊娠可能性との関係を解説
妊活中の人のなかには、基礎体温のグラフがガタガタで心配に感じている人もいるでしょう。
基礎体温のグラフがきれいに二相になっていなくても、ざっくり高温期と低温期に分かれていれば問題ありません。しかし、なかには医師に相談したほうがよいケースもあるため、不安であればあらかじめチェックしておくことが大切です。
この記事では、基礎体温がガタガタになる理由や妊娠との関係について詳しく解説します。妊活中の人や、基礎体温を測って健康を管理している人は、ぜひ参考にしてくださいね。
妊活中の人のなかには、基礎体温のグラフがガタガタで心配に感じている人もいるでしょう。
基礎体温のグラフがきれいに二相になっていなくても、ざっくり高温期と低温期に分かれていれば問題ありません。しかし、なかには医師に相談したほうがよいケースもあるため、不安であればあらかじめチェックしておくことが大切です。
この記事では、基礎体温がガタガタになる理由や妊娠との関係について詳しく解説します。妊活中の人や、基礎体温を測って健康を管理している人は、ぜひ参考にしてくださいね。
基礎体温とは?何がわかるの?

基礎体温とは、朝起きてすぐ、体を動かす前に測る体温のことです。
基礎体温のグラフは「低温期」と「高温期」の二相に分かれるのが一般的。生理開始から排卵までは低温期で、排卵日を境に高温期へと移行します。高温期には、低温期よりも体温が0.3〜0.5度ほど上昇することが多いです。
基礎体温を記録することで、排卵日や生理周期を把握でき、妊娠の可能性やホルモンバランスの状態を知る手がかりになります。
基礎体温がガタガタでも問題ない?病院に行ったほうがいい?

基礎体温のグラフがガタガタでも、基本的にはあまり気にする必要はありません。以下で詳しく見ていきましょう。
ざっくり低温期・高温期に分かれていれば大丈夫
基礎体温は、1ヶ月分のグラフを見たときに低温期と高温期の二相にざっくり分かれていれば、多少ガタガタしていても問題ありません。
基礎体温は、室温や体調、測り方などのちょっとしたことで変わります。きれいな二相にならなくても、低温期と高温期の差が0.3度以上あり、生理周期もズレていなければ心配しなくても大丈夫です。
日々の基礎体温はあまり気にせず、全体的な経過をみるようにしましょう。
横ばい・高温期が短いなどの場合はホルモン分泌に問題がある可能性も
基礎体温のグラフがガタガタでも基本的に問題ありませんが、以下の場合は何らかの異常が隠れている可能性があります。
注意が必要な基礎体温の変化
基礎体温が1ヶ月を通して横ばい
高温期が10日未満と短い
高温期のグラフがM字型になっている
上記に当てはまる場合、無排卵月経や黄体機能不全などホルモン分泌の問題が疑われます。
2回以上連続して流産してしまう「反復流産」や不妊症の原因となる可能性もあるので、医師に相談しましょう。
スムーズに診察を進められるよう、基礎体温の記録を持参すると安心ですよ。
基礎体温がガタガタになる原因は?

基礎体温のグラフがガタガタになる原因は人によってさまざまです。以下で、それぞれの原因について詳しく解説します。
ホルモンバランスの乱れ
基礎体温は「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの女性ホルモンがバランスよく周期的に分泌されることにより、高温期と低温期の二相に分かれます。
ホルモンバランスが乱れると、ホルモン分泌の周期が崩れたり、ホルモンが十分に分泌されなくなったりして、基礎体温が安定しなくなってしまうのです。
ホルモンバランスを整えるため、こまめに気分転換をすること、健康的な生活を送ることなどを心がけましょう。
気温・室温や測り方による違い
基礎体温は、気温や室温、測り方などの些細なことでブレが生じます。
また、測定時間がバラバラだったり、基礎体温計を正しく使用していなかったりすることも、グラフがガタガタになる原因となります。
基礎体温はできるだけ同じ条件で測定し、正しい手順で記録することが大切です。
無排卵月経
無排卵月経とは、生理のような出血はあるものの、排卵が起きていない状態を指します。排卵がないと、低温期と高温期がはっきりせず、基礎体温のグラフが全体的にガタガタすることがあります。
無排卵月経はストレスや加齢、ホルモンバランスの乱れが原因で起こることが多く、放置すると不妊や子宮がんなどのリスクが高まる場合があります。
自覚症状がないことが多いので、早期発見のためにも定期的に検診を受けましょう。
黄体機能不全
黄体機能不全とは、卵巣の機能が低下し、プロゲステロンが十分に分泌されていない状態のことです。
プロゲステロンには基礎体温を高くする働きがあるため、黄体機能不全になると高温期が短くなったり、高温期と低温期の差が小さくなったりします。
黄体機能不全は不妊や反復流産などの原因となるので、妊娠を希望する場合は適切な治療を受けることが特に大切です。
基礎体温がガタガタでも自然妊娠できる?

基礎体温がガタガタしていても、低温期と高温期をざっくり確認できて、生理周期も特に問題がなければ自然妊娠は十分に可能です。
基礎体温の一時的なブレは気温や体調、測り方などによって起こるため、排卵がしっかり行われていれば妊娠に大きな影響を与えることは基本的にないでしょう。
ただし、基礎体温が1ヶ月を通して一定である場合や、高温期が長く続かない場合などは、何らかの異常が隠れている可能性も。なかには不妊につながるケースもあるので、妊娠を考えている場合は特に医療機関を受診することが大切です。
基礎体温がガタガタな場合に気をつけることは?

基礎体温のグラフがガタガタでも、低温期と高温期をざっくり確認できれば心配しなくても大丈夫です。しかし、基礎体温が安定しないことは、ホルモンバランスの乱れを示すサインかもしれません。
ホルモンバランスが乱れると、心身の健康を損なうことにもつながります。健康的な体をつくるためにも、以下のことを心がけて過ごしましょう。
食生活を見直す
ホルモンバランスを整えるため、健康的な食生活を心がけましょう。栄養の偏りや食べ過ぎ、無理なダイエットはホルモンバランスの乱れの原因となります。
なるべく多くの食材から必要な栄養素を満遍なく摂り、適量を食べるようにしましょう。特に、たんぱく質・脂質・炭水化物は三大栄養素と呼ばれ、バランスよく食べることが大切です。適切な栄養バランスと食事量で、健康的な体を目指しましょう。
体重は、BMI(体重÷身長÷身長)が18以上25未満となる状態を保てると理想ですよ。
三大栄養素の目標バランス
たんぱく質:13〜20%
肉、魚、乳製品、卵などに多く含まれます。筋肉や血液、骨など体の組織を作るうえで欠かせない栄養素ですが、体内では作られないため、食品から摂取する必要があります。
脂質:20〜30%
アマニ油やなたね油などの植物油、さばやいわしなどの青魚に含まれる「n-3系脂肪酸」は、血流の促進や脳の活性化につながります。日々の食事に意識的に取り入れましょう。
炭水化物:50〜65%
米、パン、パスタ、うどん、そば、じゃがいもなどに豊富に含まれます。脳や体を動かす際のエネルギーとなります。
ストレスをためると、ホルモン分泌に悪影響を及ぼすことがあります。
自分に合ったリラックス方法を見つけ、こまめにストレスを解消しましょう。ヨガやストレッチなどの軽い運動は、気分転換になるだけでなく血行促進や代謝の向上にもつながります。
また、読書やお風呂、映画鑑賞など、自分の趣味で心のリフレッシュを図るのもおすすめですよ。
質の高い睡眠をとる
ホルモンバランスを整えるには、睡眠の質を上げることも欠かせません。
寝る前はスマホやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えましょう。また、毎日同じ時間に寝起きして、規則正しい睡眠習慣を作ることも大切です。
快適な睡眠環境を整え、しっかりと休息を取るようにしましょう。
基礎体温の正しい測り方は?

基礎体温の測り方を間違えると、正確に記録できずグラフがガタガタになってしまうことがあります。
ここでは、正しい測定方法と測定時の注意点を詳しく解説します。
正しい測定方法
基礎体温は朝起きた直後、体を動かす前に測定しましょう。毎日できるだけ同じ時間に測るのが理想的です。
専用の婦人体温計(小数点以下2桁まで測れるもの)を使用してください。
正しい測定手順
目覚めたら動かずに枕元に置いた体温計を手に取る
口の中に体温計を入れ、舌の裏に当てる
測定が終了するまで静かに待つ
測定値を記録する(スマホアプリや基礎体温表などに)
毎日同じ時間に、同じ条件で測定するのが理想ですが、なかには仕事などの関係で起床時間が毎日ズレる人もいるはず。
その場合は、睡眠時間や測定時間などを記録しておきましょう。その日の体調や性行為の有無などもあわせて記入しておくのもよいですね。
これらの情報を記録しておくことで、どんなことが基礎体温に影響するのかを把握しやすくなりますよ。
測定するときの注意点
基礎体温を測る際は、以下の点に注意しましょう。
基礎体温を測るときの注意点
測定前に体を動かさない
体を動かすと体温が上がるため、正確な体温を測ることができません。飲食もしないようにしましょう。
毎日できる限り同じ時間帯に測定する
測定時間が異なると基礎体温が変わることがあり、正確に測れない可能性があります。
測定中に話さない・口を開けない
口呼吸はせず、鼻で呼吸をするようにしましょう。
基礎体温についてよくある質問

ここからは、基礎体温についてよくある質問と回答を紹介します。
妊娠すると基礎体温はどう変化する?
ホルモンの影響により高温期が長く続くようになります
妊娠すると、高温期が長く続くようになります。これは、妊娠にともないプロゲステロンが分泌され続ける影響で、体温が高く保たれるためです。生理が28日周期の場合、高温期が16日以上続いたら妊娠の可能性があるといえます。高温期が長く続き、生理もこない場合は、妊娠検査薬を使って妊娠の有無を確かめてみましょう。
基礎体温が低いまま妊娠することはある?
基礎体温が低いまま妊娠する可能性もあります
基礎体温が低いまま妊娠する可能性もあります。妊娠によって基礎体温がどのくらい上昇するかには個人差があり、37度台前半まで上がる人もいれば、低温期とほとんど変わらない人もいます。基礎体温が低めでも、生理が遅れている、体調がいつもと違うなどの変化を感じたら、妊娠検査薬で一度検査をしてみてください。
基礎体温がガタガタでもあまり気にしなくてOK

基礎体温がガタガタでも、月全体でみて低温期と高温期にざっくり分かれていれば問題ありません。
病気などが原因でなければ、生活習慣の改善や正しい測定を心がけることで基礎体温を安定させることができます。栄養バランスのよい食事を摂る、適度に運動するなどして、健康的な生活を送りましょう。
ただし、基礎体温が横ばいの場合や、高温期が短い場合などでは、無排卵月経や黄体機能不全などの可能性も考えられます。不妊や反復流産の原因となることもあるので、医療機関を受診しましょう。
基礎体温の動きを適度にチェックし、妊活や日々の生活に役立ててくださいね。
- 基礎体温は妊娠の可能性やホルモンバランスの変化を知る手がかり
- 低温期・高温期に分かれていれば、基礎体温がガタガタしていても問題ない
- 基礎体温が横ばい・高温期がない場合はホルモン分泌に問題がある可能性も
- 生活習慣の見直しやストレス軽減で基礎体温のガタガタを整えよう
- 基礎体温は正しいタイミングに正しい方法で測定しよう
出典
- 厚生労働省,「基礎体温」,2025/3/25閲覧
- オムロン,「Q 基礎体温がガタガタで、見本のようなきれいな二相になりません。何か問題があるのでしょうか。」,2025/3/25閲覧
- 大正製薬,「女性の『ホルモンバランス』は乱れやすい!整える方法とは?」,2025/3/25閲覧
- 大塚製薬,「基礎体温の変化を知ろう」,2025/3/25閲覧
- 日本医師会,「適正体重 自分の適正体重を知ろう!」,2025/3/25閲覧
- オムロン,「Q 女性ホルモンのバランスを整えるのによい食べ物は何ですか。」,2025/3/25閲覧
- 農林水産省,「ちょうどよいバランスの食生活」,p2,2025/3/25閲覧
- 厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2025年版) 1-5 エネルギー産性栄養素バランス」,p149,2025/3/25閲覧
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
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