妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかったけど問題ない？赤ちゃんへの影響を解説

妊娠初期の摂取が推奨されている葉酸サプリですが「食事だけで十分」「副作用が怖い」などの理由で摂取しない人もいます。

トモニテ編集部は、妊娠・出産を経験した女性200人を対象に、葉酸サプリに関するアンケートを実施。

妊娠前・妊娠中に葉酸サプリを飲んだかを調査したところ、20.5%の人が飲んでいなかったことがわかりました。約5人に1人が葉酸サプリを摂取しなかったことがわかります。

葉酸サプリを服用しなかった理由として最も多かったのは「食事だけで十分だと思っていた」で23人、次いで多かったのは「サプリメントに含まれる添加物などが怖かった」「必要性を感じなかった」でそれぞれ10人でした（※複数回答可）。

葉酸サプリを飲まなくても十分な葉酸を摂れると考えていた人や、添加物に対する不安を抱えていた人などが多くみられます。

日常の食事で葉酸を十分に摂取できていれば問題ありません。しかし、食事だけでは不足しやすいため、必要に応じてサプリメントを活用するとよいでしょう。

葉酸が不足した場合、以下のような影響が現れる可能性があります。

妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の神経管が正常に形成されず「神経管閉鎖障害」を引き起こすリスクが高まるといわれています。

神経管閉鎖障害は先天異常の一種で、代表的な疾患に無脳症や二分脊椎などがあります。特に妊娠4〜7週は神経管が形成される重要な時期なので、この時期に葉酸を十分に摂取することが大切です。

妊娠中に葉酸が不足すると、母体にも影響が出ることがあります。

主な症状は「巨赤芽球性貧血（きょせきがきゅうせいひんけつ）」です。葉酸は赤血球の合成に関わっており、不足すると赤血球がうまく形成されず貧血を引き起こすおそれがあります。

また、葉酸の不足は疲労やめまい、妊娠高血圧症候群のリスク増加につながることもあるため、赤ちゃんだけでなくママの健康維持のためにも葉酸サプリで十分な量を補う必要があるのです。

妊娠初期に葉酸を摂っていなかった場合、今からでも葉酸を取り入れたほうがよいでしょう。

葉酸は妊娠前後～授乳期を通して必要とされる栄養素であり、赤ちゃんの健やかな発育や母体の健康を支える役割があります。

妊娠初期に飲まなかったからとあきらめず、今からでも積極的に摂取しましょう。

「妊娠初期に摂らなかった分まとめて摂取しないと！」といってたくさん摂ってしまうと体に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため、必要以上に摂取することはせず、1日あたりの摂取量の目安を守ることが大切です。

ここでは、妊娠の時期ごとの推奨摂取量について解説します。

妊娠初期（〜妊娠13週6日）にかけては、食事に加えサプリメントなどで付加的に1日あたり400μgを目安に補うことが推奨されています。

妊娠初期は赤ちゃんの神経系が形成される重要な時期なので、特に葉酸の需要が高まります。

食事だけでは必要量に届かないことが多いため、葉酸サプリを上手に活用することが大切です。

妊娠中期以降（妊娠14週0日〜）は、食事に加えて1日240μg程度を目安に摂取しましょう。

妊娠初期に比べ葉酸の必要量は少し落ち着きますが、母体の血液量の増加に対応し、胎児の成長を支えるために引き続き摂取することが大切です。

過剰摂取にならないように注意し、ほかの栄養素とのバランスも考慮しながら摂取しましょう。

妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかったとしても、今から葉酸の摂取を始めることで母子の健康を守る効果が期待できます。

「今から飲んでも遅いかも…」「妊娠に気づくまで飲んでいなかったけど大丈夫かな」と不安になる人もいるかもしれませんが、これからできることを前向きに取り入れることが大切です。

ただし、飲まなかった分を短期間でまとめて摂取することは避け、1日あたりの目安量をしっかりと守るようにしてくださいね。

葉酸サプリを上手に取り入れ、安心して妊娠期間を過ごしていきましょう。