子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ③ 「片づけてほしい!」
子どもとのコミュニケーションのコツを「子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ」からご紹介。
子どもと家で過ごす時間の長い今だからこそ、知っておきたい考え方が満載です。
子どもとのコミュニケーションのコツを「子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ」からご紹介。
子どもと家で過ごす時間の長い今だからこそ、知っておきたい考え方が満載です。
片付けて欲しいとき
×
親:「片付けなさい!」
「こんなに散らかして!」
子:(ああ……めんどくさいなあ)
○
親:「いっしょに片付けよう!」
「お人形は、上から2番目の箱だね」
会話のポイント
- 「レッツ」を使う。指示すればするほど、片づけなくなる。
- おもちゃや本の場所をいっしょに確認しながら片づける。
「片づけなさい!」
これはお母さんがよく言うフレーズ、ナンバー1です。
私のところにも多くのお母さんが
「片づけられる子にするには、どうしたらいいですか?」
と質問にやってきます。みなさん、相当手を焼いているみたいですね。
そもそも、子どもは「片づけ」のしかたがわかりません。そこから理解しましょう。
たとえばあなたが
「明日、自分で着物を着て来てください」
と言われたらどうしますか?
大体の人が困りますし、一度教えてもらう必要がありますね。
そしてまた
「次も着物を着て来てください。この間教えたからわかりますよね?」
と言われたらどうでしょう?
たしかに一度教えてもらったけれど、ひとりで着付けなんて絶対に無理!
と思いませんか?
子どもにとっての片づけも、同じこと。
教えられていないから「片づけなさい」と言われてもわからないし、
一度教えてもらっても、次からできるようになるわけではないのです。
それでは何と言えばよいか。
それは
「いっしょに片づけよう!」
です。
そして、ひとつずつ場所を確認して片づけていきましょう。
「ロボットはあの箱だね。本は本棚だね」
といっしょに確認しながら、親が片づけていきます。
すると子どもは、どこに何をしまえばいいのかがわかり、少しずつですが、自分で片づけるようになります。
子どもが散らかしたおもちゃは子どもが片づけるべき、と考えるお母さんが多いのですが、それはずいぶん先の話です。
なぜなら、片づけたいのは親だけで、できれば子どもは遊びかけのおもちゃをそのままにしておきたいからです。
このままでは「将来片づけができない大人になるのでは……」と心配するお母さんもいます。
たしかに、子どもがいないときに片づけていては意味がありませんが、子どもの前でいっしょに片づければ大丈夫です。
「こんなに散らかして!」
と怒りながらではなく
「人形はこの上から2個めの箱だね」
と話しながら、おもちゃが帰る居場所をつくっていきましょう。
子どもはよく見ています。
「自分は片づけが得意!」と思わせる
もし子どもが一生懸命に片づけたときには、思い切りほめてあげてください。たった5冊の本を片づけただけでもいいのです。
すると子どもは
「ぼくは、片づけが得意だ!」
と思い込めるようになります。次からは
「本の片づけ名人さ〜ん、お願いします!」
なんていうふうに頼むと、ノリノリで本を片づけてくれます。
そうしたら
「ママはお人形を片づけるから、どっちが早いか競争ね!」
などと言って、ひとつずつ片づけられるように導いていけるとよいですね。
くれぐれも、「ほとんどお母さんが片づけたよ」といった嫌みは言わないように。
せっかくがんばった努力を台なしにしてしまいます。
片づいた部屋のゴールを見せる
そして最後に、片づいた部屋をいっしょに確認すること。これが大切です。
なぜなら、子どもは「片づいた部屋」が一体どんな状態なのかを理解していないからです。
「きれいなお部屋は気もちいいね」
「またここでいっぱい遊べるね」
と片づいた部屋で遊ぶことの清々しさを、
しっかり言葉で伝えましょう。
ときどき、「いっしょに片づけて1年になりますが、まだ自分で片づけられるようになりません……」という相談を受けます。
そんなときは
「英語、何年習いましたか?ペラペラですか?」
と質問しています。
片づけも同じ。10年間はいっしょに片づけましょう。
10年か……と、白目になってしまったお母さん。じつは、こんな朗報もあります。
モデルルームのように片づいた部屋よりも、きのう遊んだおもちゃがそのまま散らばっているほうが、
子どもの前頭葉が活発になり、遊びに工夫が生まれるという報告があります。
子どもが小さいころは、神経質になって「片づけなさい!」と怒る必要はなさそうですよ。
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