【医師監修】切迫流産と診断されたら、入院期間はどのくらい?
切迫流産で入院する場合、入院期間はどのくらいなのかなどについてお伝えします。
切迫流産で入院する場合、入院期間はどのくらいなのかなどについてお伝えします。
切迫流産とは?
ママのお腹(子宮)に赤ちゃんが宿り、早い段階(妊娠22週まで)に妊娠が終了することを流産といいます。赤ちゃんは妊娠22週より前にママのお腹から出てしまうと生きていくことが困難です。
一方、出血や下腹部痛など流産の兆候があるものの、赤ちゃんが元気に育つ可能性がある場合を「切迫流産」といいます。
切迫流産で入院になるのはどんなとき?
おなかの赤ちゃんの心拍が確認されていて、切迫流産の診断を受けたときは安静に過ごすことが基本です。
子宮頸管の長さが短くなっているとき、出血やおなかの張りが続くとき、上のきょうだいのお世話があり、ママが無理をしてしまいそうなときなどは入院が勧められることがあります。
まずは自宅安静で様子を見て、日にちをおいてからの診察で状態が変わらなければ、入院となることもあります。
切迫流産の入院期間はどのくらい?
切迫流産の原因は、胎盤の下に血液のかたまりができる絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)、子宮頸管炎などが挙げられますが、原因が不明の切迫流産も多く、入院の予定期間も経過次第で医師が判断するため人によって異なります。
産婦人科医 吉村先生のひとこと
切迫流産の原因は数多くあり、人それぞれで一概には言えません。しかし経験からいうと、およそ1〜2週間の入院が多いように思います。
たとえば絨毛膜下血腫が原因の切迫流産では、血腫が自然に吸収されるようになって症状が落ち着けば、1週間ほどで退院になるケースもあります。
絨毛膜下血腫が吸収されず出血が止まらなかったり、お腹の痛みが続いたりする場合には、入院を続けて慎重に経過を観察します。(※妊娠22週以降は切迫早産)
流産を予防する確実な薬物療法はありません。そのため、絨毛下血腫などで出血している場合などは、入院して安静にすることを勧めます。しかし安静もまた確実に有効であるというエビデンスはありません。
流産してしまう場合には、赤ちゃんの染色体の異常によるケースが多いとされています。
ただし、仕事や運動でお母さんが無理をしてしまうことは決してよいことではなく、避けるべきだとされています。つわりなどもあり大変な時期ですから、できる限り無理をしないようにしましょう。
切迫流産の診断を受けたら、どの程度安静が必要か、現在お母さんとおなかの赤ちゃんがどのような状態かは主治医によく確認しましょう。
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突然診断されることの多い切迫流産。突然の安静の指示や入院に不安になってしまうママも多いと思います。
しかし、切迫流産と診断された場合でも、赤ちゃんの染色体異常が原因でない場合は妊娠を続けることが期待できます。
症状や仕事、家庭環境によって安静の度合いが異なります。主治医とよく相談してみましょう。
参考:
- 公益社団法人 日本産科婦人科学会・公益社団法人 日本産婦人科医会(編集・監修)
「産婦人科診療ガイドライン2020」
CQ妊娠12週未満切迫流産の管理上の注意点は?
- 安達知子(監修)、「はじめてママ&パパの妊娠・出産」、主婦の友社、2018年
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