【管理栄養士パパに聞く】Q. 子どものおやつは、どういうものがいいの?
A. 幼児期には栄養補助となるおやつを、 学童期以降は軽食や嗜好品でもOK!
おやつに、ネガティブなイメージを持っている人も多いと思います。「おやつをあげると食事を残すから」「甘いものを食べると虫歯になるよ」なんて、よく耳にしますよね。
確かに、食事に近い時間におやつを与えたり、量が多すぎたりすれば、食事を残してしまうかもしれません。これはおやつ自体ではなく量と時間の問題で、その時間と量を管理するのは大人の役割です。
また、粘着性の高いおやつを食べたり、だらだら食べをしたりすると虫歯になりやすいもの。アメのようなお菓子を何個もあげない、食べる時間を決める、食後に口をゆすぐクセをつけるなどして、虫歯ができないよう気をつけてあげるのも大切なことでしょう。
じつは、一度にたくさん食べられない幼児にとって、おやつは1日3回の食事で摂りきれない栄養を補完するために必要なものです。
1〜2歳くらいであれば、10時と15時などといったふうに、1日2回に分けてあげるといいと思います。母乳を継続している場合は、1回でも大丈夫。1日3食をきちんと食べられている3歳児以降では、時間を決めて1日1回を基本にしましょう。
幼児期のおやつのエネルギー量は、1日の必要量の20% (180〜310kcal)くらいが目安です。内容としては、腹持ちのいい炭水化物+不足しやすいカルシウムやミネラルを補えるようなものだとベスト。たとえば、食パンに果物とヨーグルトを挟んだサンドイッチ、ジャムと牛乳を加えたシリアル、レーズン入りのスイートポテトなどがおすすめです。餃子の皮にトマトソースとチーズをのせてピザ風にしたもの、桜えびや小魚を入れたお好み焼きなどもいいでしょう。
幼児期のおやつは、1日3回の食事で摂りきれない栄養を補うためのものですから、カルシウムやミネラルが含まれていない甘いお菓子、スナック菓子はあまりよくありません。単品だけで満腹になってしまうからです。でも、ときどきお楽しみとして与えるのはOK。
しっかり食事をとることができる小学生になると、おやつは栄養補給というより嗜好品という意味合いが強くなってきます。本人が好むものを食べさせていいのですが、夕食に影響しないよう気をつけましょう。 中高生以上になると、子どもの運動量や体格にも差が出てきて、必要とする栄養量も個人差が大きくなります。運動部に所属する子どもの場合、甘い清涼飲料水や菓子パンばかりだと、 ビタミンB1が欠乏する危険性がありますから、サンドイッチや具の入ったおにぎりのような軽食がベストです。
そして、嗜好品はとりすぎないよう、合計エネルギー量が200kcal未満になるようにしてください。たとえば、炭酸飲料水では500mlのペットボトル1本、ポテトチップスでは1袋で 250〜400kcalになってしまいます。炭酸飲料水はコップに入れ、ポテトチップスなどもお皿に出すなどして量を調節するといいでしょう。
こういう話をすると、スナック菓子や清涼飲料水は「身体に悪い」「よくないもの」と捉えられてしまいがちですが、これらに含まれる成分が健康に悪影響を及ぼすわけではありません。スナック菓子や清涼飲料水ばかりを多量にとると、栄養バランスが崩れたり、お腹がいっぱいになって夕食を食べられなくなったりすることが問題なのです。ありきたりな言葉ですが、なんでも程度問題として考えてくださいね。
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