トモニテ
食中毒にかかった子ども

【管理栄養士パパに聞く】Q. 食中毒を防ぐ方法を教えて!

A. 食中毒は種類によって対策が異なります。 それぞれの予防法を覚えておきましょう!

 食中毒は、食べものや飲みものなどを口にしたことで起こる健康障害のこと。O157のような細菌が付着したものを食べて起こるものだけでなく、化学物質や毒を持つ動植物を食べて嘔吐や下痢などを起こした場合も食中毒といいます。

 じつは私たちが日常的に口にしている飲食物にも有害な微生物はひそんでいますが、強力な 胃酸や免疫などの働きによって食中毒を防いでいるのです。でも、小さな子どもの場合、消化管や免疫機能が十分に発達していないため、大人なら平気なものでも食中毒になることがあります。しかも、子どもは大人と違って少しの嘔吐や下痢でも電解質(ミネラル)や水分が奪われてしまうので、小さければ小さいほど重篤な脱水症状に陥りやすくて危険です。

 ですから、特に食中毒が起こりやすい梅雨から夏にかけての時期はもちろん、冬でもノロウイルスによる食中毒が流行しますので、一年中気をつけるようにしましょう。

 厚生労働省は、「食中毒予防の3原則」として食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」をスローガンに、家庭でできる食中毒予防策をわかりやすくポスター にまとめて公表しています。(厚生労働省ホームページ「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」

 そのほか、子どもの食事では次のことに気をつけましょう。

  • お弁当にご飯を入れるときは菜箸やしゃもじなどを使い、おにぎりを握るときはラップを使うなどして素手でふれないよう調理しましょう。
  • お弁当には、できるだけ保冷剤を添えてください(夏以外も)。
  • 挽き肉やサイコロステーキは、肉の中まで細菌が入り込んでいることもあるので、完全に火を通しましょう。
  • 加熱調理した料理も、時間が経ってから食べるときは再沸騰するまで加熱してください。 粘度の高いカレーやシチューなどは、よくかき混ぜながら加熱します。
  • 食中毒菌の有無は、必ずしも味やにおいで判断できません。子どもにあやしい食べものを与えないようにしましょう。

 こうしたルールを守れば、ほとんどの食中毒を予防できますが、それでも防ぐことが難しいものもあります。その代表格がノロウイルス。細菌性の食中毒と違って冬に多く発生し、食中毒予防の3原則のうちの2原則「付けない」「増やさない」が通用しません。 ノロウイルス食中毒には、「少ない数のウイルスでも発症する」「料理の中で増えない」「人から人に感染する」 という特徴があるのです。 小さな子どものいる家庭では、原因食品とされる二枚貝を生で食べない (食べる場合は85℃・1分以上加熱)、下痢などの症状がある人は調理しない、体調が悪い人がいるときはタオルや食器などを共有しないなどの工夫で予防を心がけましょう。感染したら、吐瀉物や排泄物が飛び散らないようにし、飛び散った場合は塩素系漂白剤などで消毒して、衣類は下洗い後に85℃・1分以上の熱水洗濯をしてください。 ノロウイルスには、アルコール消毒がききません。

 そのほか、ジャガイモの芽には『ソラニン』という毒成分がありますが、暖かく日光が当たる場所に保管すると、この毒成分が皮の部分にもつくられます。ジャガイモの皮が緑色になっていたら、ソラニンができている可能性がありますので食べさせないでください。また、小さなジャガイモにはソラニンが多いので、子どもが学校で育てたジャガイモを食べて、食中毒になる事例が毎年のように発生しています。小さなジャガイモも食べさせないほうが無難です。

 もしも子どもが下痢や嘔吐を繰り返すときは、脱水症状を起こさないよう、こまめに経口補水液 (OS1など)や水などを与えましょう。心配な場合は、早めに医療機関を受診するようにしてくださいね。

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写真提供:ゲッティイメージズ

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