【医師監修】排卵日の胃痛。原因や妊娠との関係は?
排卵日とはいつのこと?
排卵がおこる日を「排卵日」といいます。
正常な月経周期であれば、月経が始まった日からおよそ2週間後が排卵日になります。つまり、月経が終わって1週間後には排卵がおきているわけです。さらに排卵日から約2週間後には、次の月経が始まります。女性の体は忙しいですね。
排卵日について詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
排卵日にはさまざまな症状が表れがち
排卵日前後は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)、2つの女性ホルモンの変動が激しい時期です。このホルモンの変動や、その変動による自律神経の乱れによって、さまざまな症状が表れやすくなります。
よく表れる症状の一つが、排卵痛や不正出血です。
そして、吐き気や便秘、胃痛などの消化器症状がみられる場合もあります。明らかな胃痛の場合もあれば、吐き気や胃のムカムカ、食欲低下などの症状が見られることもあり、個人差があります。
排卵日に起こりがちな症状はほかにもあります。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
排卵日の胃痛、対処法はある?
排卵日の胃痛はホルモンバランスの変動が関係していますので、ホルモンの変動が落ち着けば症状の改善が期待できます。では、改善するまでの間、どう過ごせばよいでしょうか?
できるだけゆっくり過ごす
自律神経の乱れによって胃痛が起こりやすいため、できる限りストレスの少ない状況でゆっくり過ごすことが大切です。
可能であれば仕事は早めに切り上げたり、予定を詰め込みすぎず自分の時間を確保できるとよいですね。
胃腸に優しいものを食べる
胃痛があるときは、食物繊維や脂肪が少ない食品が適しています。やわらかく調理すると、より胃への負担が少なくなります。
消化によいメニューの代表例をご紹介します。参考にしてみてくださいね。
- 卵がゆ、煮込みうどん
- 煮魚、焼き魚
- つくねの煮物
- 茶碗蒸し、卵豆腐
- 湯豆腐、納豆
- 味噌汁、ポタージュ
- 野菜の煮物 など
刺激の強い食べ物は避ける
味付けの濃い食品やアルコール、香辛料などの刺激物は、胃への負担が大きくなります。これらのメニューはできるだけ避けましょう。
また、極端に熱いものや冷たいものは避け、人肌程度の温かい食事を取ることがすすめられます。
水分をしっかり取る
食欲がない場合も水分はしっかり取りましょう。水分を取ることで脱水症状を予防できます。冷た過ぎる飲み物ではなく、常温程度の飲み物を飲むようにしましょう。
薬は飲んでもいい?
胃痛がひどい場合や何日も続く場合は、ほかの病気が原因の場合があります。病院を受診し、医師の診察を受けましょう。胃薬を処方されたら内服し、安静にすることが大切です。
自己判断で市販薬を内服する前に、医師や薬剤師に相談すると安心ですね。
排卵日の胃痛、妊娠の可能性は?
排卵日はまだ、妊娠が成立していない状態です。
排卵して卵管に飛び出した卵子が精子と出会い受精し、その受精卵が卵管を通って子宮の内膜に着床し始めるまで約1週間かかります。
さらに着床が完了するのに5日ほどかかり、そこでようやく妊娠成立となります。
つまり、排卵日あたりの症状で、妊娠しているかどうかはわかりません。
そのため胃痛が妊娠の判断材料になるかは不明です。
基礎体温をつけていれば、高温期が2週間以上続くと妊娠の可能性があることがわかります。症状で妊娠を見分けることは難しいため、基礎体温を測る習慣をつけることをおすすめします。
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排卵日前後には、ホルモンの変動によって胃痛や吐き気などの消化器症状が出る場合があります。しかし、排卵日前後におこる胃痛のすべてが、ホルモンの影響によるものとは言い切れません。胃腸の病気が隠れている可能性もあります。
もし、胃痛が長引いたり、食事が取れないほどに痛い場合には、我慢せずに病院を受診しましょう。
参考:
・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年
・「胃腸の調子が悪い時の食事 」(東京都病院経営本部)
写真提供:ゲッティイメージズ
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