【管理栄養士監修】1歳の離乳食まとめ|レパートリーが増えるレシピ
1歳の離乳食
1歳の離乳食の期間は、1歳〜1歳6ヶ月頃(離乳完了期ともいう)までとなっています。離乳食の期間は1歳6ヶ月頃で終了し、それ以降は幼児食と区分されています。
離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)の離乳食は、1日3回食が定着し、歯ぐきで噛める固さのものを食べられるようになります。
また、必要に応じて1日1〜2回、エネルギーや栄養素を補う補食としてのおやつを与えます。
この時期の離乳食は、栄養や食材の偏りがないようにしていくほか、食事リズムを整える、手づかみ食べによって自分で食べる準備をするなどの大切な意味を持っています。今後、幼児食に進むことをみすえて様々な食事に挑戦していきましょう。
また、必要なエネルギーや栄養素のほとんどを母乳や育児用ミルク以外の離乳食からとれるようにしていきます。
今までとっていた母乳や育児用ミルクをやめるタイミングはそれぞれの状況によって変わってきます。卒乳についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
1歳0ヶ月から1歳6ヶ月までの違いは?
離乳完了期(1歳〜1歳6ヶ月)は期間が半年間あるので、1歳1ヶ月、1歳2ヶ月、1歳3ヶ月、1歳4ヶ月、1歳5ヶ月、1歳6ヶ月、と違いをつけたほうがいいかと迷う人も多いのではないでしょうか。
期間に幅があるので、子どもの成長や発達の状況は進んでいきます。成長や発達の進み具合に合わせて下記のように食事の内容や調理方法に変化をつけるようにするとよいでしょう。
ただし、離乳食を開始した時期や進み具合には個人差があるので、あまり細かく月齢の目安にとらわれず、子どもの食べる様子を観察しながら進み具合を合わせることが大切です。
食材の固さ
1歳になる頃まではバナナくらいの歯ぐきでつぶせる固さが目安ですが、1歳6ヶ月になると奥歯(第一乳臼歯)が生え始めるので、月齢が進むにつれて、肉団子くらいの歯ぐきで噛める固さを目安に少しずつ固くしていきましょう。
この時期になるといろいろな食材を食べられるようにはなりますが、乳歯が生えそろうのは3歳頃なので、ごぼうのような繊維のあるものや、ちくわのような少し弾力のあるものなどは、食べやすくなるように工夫をする必要があります。
かまぼこやこんにゃく、いか、たこのように弾力の強いものや、餅などは、この時期にはまだ与えません。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
食材の大きさ
1歳になる頃までは5〜8mm角程度が目安ですが、1歳を過ぎたら1cm程度〜一口大が目安です。少しずつ大きさを大きくしていきましょう。
また、手づかみ食べをしながら前歯で食べ物をかじり取る練習をすることで、歯を使う感覚や自分の口に合う一口の量を覚えていきます。
小さく切っていたものをスティック状や輪切りなどにして、前歯でかじり取りやすい大きさにしてみることも合わせて取り入れていくとよいでしょう。
ご飯
最初のうちは軟飯が目安ですが、慣れてきたら普通炊きのご飯にしていきます。離乳食卒業に向けて、少しずつステップアップをしていきましょう。
調理方法
煮る、蒸す以外にも炒める、揚げるといった調理方法も取り入れて変化をもたせ、噛み方や噛む強さを練習する機会を取り入れていきましょう。
レパートリーが増えるレシピ
この時期の離乳食はレパートリーを考えたり作るのも大変ですよね。大人の食事から取り分けたり、ときには手作りの一部にベビーフードなどを活用したり、まとめて作って冷凍ストックするなどの工夫もしてみるとよいかもしれません。
こちらの記事では離乳完了期(1歳〜1歳6ヶ月)におすすめのレシピ動画をまとめて紹介しています。
簡単に作れるメニューをたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
量はどれくらい?
離乳完了期に与える離乳食の量はどのくらいなのでしょうか。食べる量には個人差がありますが、以下の記事を参考にしてみてください。
献立の立て方は?
献立を立てるときは、たんぱく質が多いメインとなる食材を1食ごとに変えたり、同じ食材や同じ調理方法が続かないようにしたりすると、レパートリーを考えやすくなります。
また、1回の食事で栄養バランスを整えることが理想ではありますが、子どもが食べ残すときなどもあり難しいこともありますよね。
毎回栄養バランスを整えるのが難しいときは、2〜3日単位で整うように考えると気持ちが楽になるかもしれません。
こちらの記事では、離乳完了期の献立の立て方や献立例を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
食べない悩みが増える時期
離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月)は、遊び食べや少食、むら食い、偏食(特定のものを食べること)などの悩みが増える時期です。
ママ・パパはストレスがたまってしまうときもあるかもしれませんが、不安やイライラは子どもにも伝わるので、子どもの発達段階などを理解し、焦らずに見守ることができるといいですね。
ここでは偏食について詳しく見ていきます。
偏食が多くなるのはいつから?
厚生労働省の平成17年度乳幼児栄養調査では、1歳6ヶ月頃から偏食が多くなっていることがわかり、3歳後半になると母親が抱える子どもの食事悩みの1位となっています。
偏食で食べない上位を占めるのはおもに野菜で、食べにくい、噛めない、固い、苦い、色が嫌い、においが苦手、食感が苦手などの理由が挙げられます。
偏食の対策は?
離乳食の時期の偏食は、その食べ物が「嫌い」というよりは「まだ食べ慣れていない」ことが理由として考えられるといわれています。
偏食の対策として、次のようなことを試してみるとよいかもしれません。
・食べ慣れていないものに恐怖心を持ったり警戒する傾向があるので、食材を食べる機会を繰り返して慣れていく
・時期によって嫌いなものは変化することがあるので、嫌いでもときどき食卓に出す機会を作ったり、大人がおいしそうに食べることで食べる意欲を引き出す
・「おいしいから少し食べてみない?」といった声かけをして、無理強いしないように気をつけながら食べることを勧めてみる。
少しずつでもよいので、苦手を克服できると自信や達成感が得られたり、苦手な食べ物にもチャレンジしてみようという気持ちを育てることにもつながるかもしれません。
・固さを少しやわらかくしたり、大きさを少し小さく切るなどして食べやすくしてみる。
見た目やにおいなどが苦手な場合はハンバーグやホットケーキやポタージュなど、ほかの食材と混ぜてカモフラージュすることもときには有効です。
管理栄養士のひとこと
特定の食べ物が食べられなかったとしても、たとえばにんじんが苦手なら同じ野菜のトマトを食べられればOKと考えると気持ちが楽になるかもしれません。
食べない物と同じ食品グループの食品(エネルギー源となる食品、たんぱく質源となる食品、ビタミン・ミネラル源となる食品)が食べられていれば、栄養の面で心配しなくても大丈夫ですよ。
食事の時間が楽しいと思えるように、できるだけ笑顔で楽しい雰囲気づくりができるとよいですね。
下記の記事も参考にしてみてくださいね。
味付けについて
1歳を過ぎると使うことのできる調味料が増えるので、味付けにもバリエーションがつけられます。
ただし、味付けの基本は薄味です。大人と同じような味付けは、内臓に負担をかけてしまいます。
また濃い味を覚えてしまうと、なかなか薄い味には戻しにくいので注意しましょう。
塩、醤油、味噌の目安の量
子どもがだしや素材そのものの味で十分に食べる場合には、調味料での味付けは特にする必要はありません。とはいっても、3回食となると離乳食のバリエーションがマンネリ化することもありますよね。
離乳食では、味付けを目的とするのではなく、塩や醤油、味噌などで風味を少し足す程度と考えましょう。
味付けの量は離乳食のレシピによっては少々や少量と書いてあるものも多いため神経質になる必要はありませんが、1歳~1歳6ヶ月の1日の食塩の量は3g(小さじ1/2杯)未満にとどめると考え、大人の味付けの1/2~1/3程度を目安にしましょう。
1食分でいうと食塩の量は1g未満が目安で、醤油や味噌で換算すると小さじ1杯程度の量になります。
そのほかに使える代表的な調味料
塩、醤油、味噌のほかにも、離乳完了期はトマトケチャップ、マヨネーズ、ソースなどを少量使うこともできます。
ただし、卵アレルギーの子どもには月齢に関係なくマヨネーズは与えられません。
卵アレルギーでない場合は、全卵が食べられれば与えることができますが、初めての場合は一口から様子を見ながら使うようにしましょう。
また調味料だけではなく、ごま、かつお節、青のり、きなこ、桜えびなど、風味がプラスされるものを上手に取り入れても、食欲アップにつながるのでおすすめですよ。
アレルギーについての注意点
レシピには、特定のアレルギー体質を持つ場合にアレルギー反応を引き起こすおそれのある食品を含む場合がございます。
また、初めて召し上がるお子さまには注意が必要ですので、様子を見ながら少量から食べさせてください。
[特定原材料] えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生
[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、マカダミアナッツ
「料理を楽しむにあたって」の「乳幼児への食事提供について」もご参考ください。
参考
五十嵐隆(監修)、『授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き』、公益財団法人 母子衛生研究会、2020年
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写真提供:ゲッティイメージズ
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