【医師監修】出産後の出血はいつまで?生理の出血が多いのは大丈夫?
出産後の出血はいつまで続くの?
個人差はありますが、4~6週間続きます
出産後、体が妊娠前の状態に戻る期間を「産褥(さんじょく)期」といいます。
産褥期に、子宮は妊娠前の大きさに戻ろうとします。これを「子宮復古(しきゅうふっこ)」といいます。この子宮復古の過程で、「悪露(おろ)」と呼ばれる血液やリンパ液などが混ざった分泌物が子宮や腟から排泄されます。
悪露は、産後4~6週間頃まで続くといわれています。子宮の戻り具合が良ければ早く終わることもあり、悪露が続く期間には個人差があります。
産褥期、悪露について詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
出産後の出血の量はどれくらい?
産後3日頃まで多く出血します
産褥2〜3日頃までは、血液成分の多い悪露が分泌されます。血液成分を多く含む悪露の、全量の70%は産褥4日までに排泄されます。
産褥3日目から1週間後の悪露は血液成分が減り、粘膜や、白血球が増え褐色で粘り気が見られます。
産褥2~4週間には、血液成分はほとんどなくなり、黄色からクリーム色の分泌物になります。薄いオレンジ色から茶色などと表現する人もいます。産褥4~6週間は白色から透明に変化し、のちに消失していきます。
悪露の量や期間にまつわるQ&Aはこちらも参考にしてみてください。
このような場合には注意!
- 出血が止まらない
- 出血の量が増えた
- 産後1ヶ月以上たっても血の混じる悪露が出る
- 血の塊が出て、めまいや貧血を伴っている
産後1ヶ月以上たっても血性の悪露が出たり、出血の量が増えたり、レバーのような血の塊が出た場合は医療機関を受診する必要があります。特にめまいなどの貧血症状や腹痛や発熱を伴う場合は注意が必要になります。
持続する出血や血の塊が生じる原因は、子宮内に胎盤や卵膜などが残っている場合です。子宮内の遺残物は感染を引き起こす要因にもなり、排出するための薬や除去する処置を行えるように、できるだけ早く対処することが望ましいです。
非常にまれなケースですが大量の出血する場合もあります。出産後の出血について気になる症状がある場合には、医療機関を受診しましょう。
こちらの記事も参考にしてください。
出産後、生理の出血が多いのは大丈夫?
胎盤の遺残、子宮筋腫などの異常がある可能性があります
出産後悪露がさほど多くなくても、子宮の入口部分(頸部)に血液の塊が貯まり、悪露が排泄されず、日数が経過してから生理の出血のように出てくる場合があります。
たとえば、予定の帝王切開などでは子宮口が開いていないこともあり、悪露の排出が術後すぐにではなく、歩けるようになってから出てくるなどという場合もあります。産後の悪露の排出や出血が減っていく過程は、人によってそれぞれ違う経過をたどることがあるのです。
ほとんどの場合は経過観察できますが、産褥期は体力的にも精神的にも大変な時期ですので、不安を抱えたままにせずより多く感じる場合には、一度産婦人科を受診するのがよいでしょう。
産後の生理についてはこちらも参考にしてみてください。
出産後、性交時に出血があるのはなぜ?
腟の損傷による可能性があります
出産後の性交では、ホルモンの影響により腟などが湿潤しづらくなるため、腟が傷付きやすくなります。特に、産後の早い時期の性生活は、分娩時に生じた縫合部分が裂けたり、腟が完璧な復古を成していないため、傷付きやすくなったりする可能性が高くなります。
そのため、医師に指導を受けたとおりに性生活を再開すること、初回の性交時には潤滑ゼリーを使うなどの対処が必要になります。
膣の傷や膣分泌物の問題だけでなく、ママは育児のストレスを抱えていたり、疲れていたりと、性生活に興味がもてないことがあります。また、膣を使って性交をおこなうことに痛みや感染がおきないか、傷が悪化しないかなどの不安もあるでしょう。
自分の不安やストレスの状態について、パートナーにもわかってもらうようによくコミュニケーションをとりましょう。その中でしだいにまた二人の合意のある楽しい性生活をもてるとよいですね。
基本的には産後の1ヶ月健診で性器の復古状態を確認したうえで、性生活を再開するようになります。性交後、出血が増えてきたり、痛みが強くなったり、性器に違和感を覚えるなどの症状がある場合には産婦人科を受診しましょう。
出産後の妊娠について、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
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