【管理栄養士監修】離乳食の生クリーム|いつからはじめる?進め方やレシピ・アレルギーについて解説
生クリームはいつから食べられる?
生クリームは早くても離乳後期以降
生クリームは牛乳(生乳)から脂肪分以外の成分を除いて脂肪分の割合を高くしたものなので、脂質が多い食材です。
ごく少量であれば離乳後期(生後9~11ヶ月頃)から使うことができますが、離乳食の時期から積極的に与えなくてもよい食材です。
ショートケーキなどのデコレーションに使われている泡だてた生クリームやホイップクリームは、脂質だけでなく砂糖も多く入っているので、離乳食の時期の赤ちゃんにはおすすめできません。与える場合は2歳以降を目安にするのがよいでしょう。
どのくらいの量与えても大丈夫?
離乳食でシチューやポタージュスープなどの料理に液体のままの生クリームを混ぜる場合は、ごく少量に留めましょう。
スープなどのトッピングとして使う場合も、ごく少量をたらす程度がよいでしょう。
泡だてた生クリームやホイップクリームを使ったショートケーキなどは2歳以降が目安です。
2歳以降に与える場合も、頻度が多くならないように注意し、誕生日やクリスマスなど、特別なときのお楽しみにするのがよいでしょう。
生クリームの選び方や注意点は?
一般的に「生クリーム」と呼ばれているものは、実はいくつかの種類に分かれています。
・生乳のみから作られている動物性脂肪(乳脂肪)の「生クリーム」
「生クリーム」と言うことができるのは、生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分が18.0%以上にしたもののみなので、パッケージの記載を確認すると種類がわかります。
パッケージに書いてある「乳脂肪分〜%」という表記は脂肪分の割合で、脂肪分が多いほうがより濃厚な口当たりになります。
・動物性脂肪(乳脂肪)に安定剤や乳化剤などを混ぜた「クリーム類」
動物性の乳脂肪に安定剤などを混ぜることで、泡だてたときに失敗しづらくなっているのが特徴です。
「生クリーム」と言うことができないので、パッケージには「生クリーム使用・乳脂肪クリーム」などと書かれている商品もあります。
・植物性脂肪に安定剤や乳化剤などを混ぜた「クリーム類」
上の2つと違い、植物性の脂肪が主な原料です。「生クリーム」ということができないので、パッケージには「ホイップ」などと書かれていることが多いです。
泡だてたクリームは一般的に「ホイップクリーム」と呼ばれます。
植物性脂肪のクリームは、動物性脂肪(乳脂肪)が原料の生クリームやほかのクリーム類に比べて口当たりが軽くあっさりとしています。
・動物性脂肪(乳脂肪)と植物性脂肪を混ぜた「クリーム類」
生クリームのような風味のよさを持ちつつ、植物性脂肪も混ざっているため生クリームより軽い口当たりです。
こちらもパッケージには「ホイップ」などと書かれていることが多いです。泡だてたクリームは一般的に「ホイップクリーム」と呼ばれます。
少量使う程度であればどれを選んでも問題ありませんが、子どもが食べる場合で量を多く使用する場合は、できるだけ脂肪分の少ない商品(乳脂肪分または植物性脂肪分15~30%とパッケージに記載されているもの)を選ぶことをおすすめします。
作る料理やお菓子によっては、仕上がりの濃厚さや口当たりなどに合うように、生クリーム・クリーム類の種類や脂肪分の割合が指定されているレシピもあります。
脂肪分の多い生クリームやクリーム類を使う場合は、一度に多く食べすぎると胃もたれの原因になる場合もあるので、量を調整しながら食べるようにしましょう。
生クリームを使った離乳食レシピ
甘くてほっこり♪ かぼちゃのスープ(1歳〜1歳6ヶ月頃から)
仕上げのトッピングに生クリームを少量使っています。かぼちゃと玉ねぎが入ったポタージュスープです。夏は冷蔵庫で冷やして冷製スープとして食べても美味しいですよ。
離乳食の時期のケーキには生クリームの代わりに水切りヨーグルトがおすすめ
1歳の誕生日や離乳食の時期のクリスマスなどでケーキを与える場合は、生クリームの代わりに水切りヨーグルトを使うのがおすすめです。
生クリームみたいに濃厚! 水切りヨーグルトの作り方
食物アレルギーについて
生クリームやそのほかのクリーム類は、食物アレルギーを発症する危険性があります。特に、動物性脂肪(乳脂肪)が使われている生クリーム・クリーム類は乳製品アレルギーを引き起こす可能性があります。
そのため、初めて与える際は少量から始めましょう。
また、万が一食物アレルギーを起こした場合すぐに病院へ行けるよう、平日の午前中など医療機関を受診できる時間に与えるようにしましょう。
注意事項
食材は、特定のアレルギー体質を持つ場合に、アレルギー反応を引き起こすおそれがあります。
初めての食材を食べる子どもには十分注意が必要です。様子を見ながら少量から食べさせてください。
[特定原材料] えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生
[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
離乳食を調理する前に、「料理を楽しむにあたって」の「乳幼児への食事提供について」を事前にご確認の上ご利用をお願いいたします。
誤飲や誤嚥による事故を予防するポイント
- 離乳食は月齢の目安のサイズを参考に、食べやすい大きさにして与えましょう。
- 一口の量は子どもの口に合った無理なく食べられる量にし、自分で手づかみ食べや、スプーンで食べる場合は、量が多くないか、咀嚼して飲み込んでいるか、様子をみましょう。
- ミニトマト、豆類は、そのままの大きさだとのどに詰まる危険があります。カットして安全な大きさにしましょう。のどに張り付く餅、噛むことが難しいこんにゃくや野菜、固い食材も飲み込むことが難しくなります。
- 誤って気管支に入りやすいピーナッツなどの固い豆・ナッツ類は、5歳以下の子どもには与えないでください。
- りんご・梨・柿は喉に詰まりやすい食材です。完了期までは生では与えず、すりおろしたものを加熱して与えましょう。
- 年長の子どもが、乳幼児にとって危険な食品を与えないよう注意しましょう。
参考
五十嵐隆(監修)、「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き」、公益財団法人 母子衛生研究会、2020年
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(厚生労働省)
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写真提供:ゲッティイメージズ
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