
【医師監修】いつも通りの生理があっても妊娠してたことはある?出血の原因も解説
妊娠を希望しているときにいつも通りの生理がくると、落ち込んでしまいますよね。しかし、なかには「いつも通りの生理があったのに妊娠していた」という人もいます。
生理だと思った出血が、実は妊娠にかかわる出血だった!ということがあるようですよ。
今回は、生理と勘違いしやすい出血の種類や生理との見分け方、妊娠の可能性を確認する方法について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠を希望しているときにいつも通りの生理がくると、落ち込んでしまいますよね。しかし、なかには「いつも通りの生理があったのに妊娠していた」という人もいます。
生理だと思った出血が、実は妊娠にかかわる出血だった!ということがあるようですよ。
今回は、生理と勘違いしやすい出血の種類や生理との見分け方、妊娠の可能性を確認する方法について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
いつも通りの生理があっても妊娠していることはある?

妊娠すると生理は止まりますが、いつも通りの生理があったように思っても、実は妊娠していた!というケースもあります。
生理と勘違いしやすい出血には、着床出血や排卵出血、不正出血などがあります。生理のような出血があっても、完全に妊娠の可能性を否定することはできません。
いつも通りの生理のあとに妊娠が発覚するケースはどのくらいある?

トモニテ編集部では、妊娠を経験した女性200人を対象に、妊娠初期の出血に関するアンケートを実施しました。
いつも通りの生理が起きたあとに妊娠が発覚したことがあるかを調査したところ「はい」と答えたのは15人(7.5%)でした。
生理のような出血がみられたあとに妊娠が判明するケースは多くはないものの、妊娠の可能性がゼロとは言い切れないことがわかります。
生理と勘違いしやすい妊娠初期の出血とは?

いつも通りの生理があったのに妊娠していた場合、生理とほかの出血を見間違えていた可能性があります。
ここでは、生理と勘違いしやすい出血について説明します。
着床出血
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血で、通常は生理予定日と同じくらい、または少し早い時期に発生します。妊娠の初期段階でみられることがある現象です。
着床出血は、受精卵が子宮内膜に潜り込む際に、周囲の血管を傷つけることで起こります。
着床出血はすべてのママに起こるわけではなく、実際に経験するのは4人に1人以下といわれています。
生理予定日の前後に起こることから、生理と勘違いされやすい出血の一つです。
排卵出血
排卵出血とは、排卵時に起こる少量の出血のことです。ホルモンの影響により子宮内膜の一部が剥がれることで起こります。
通常は生理と生理の中間の時期にみられることから「中間期出血」と呼ばれることもあります。
しかし、排卵日が遅れて生理予定日頃に排卵出血がみられた場合、生理と勘違いすることがあるでしょう。
子宮の病気による不正出血
子宮に関連する病気によって、生理と間違えやすい不正出血が起こることがあります。原因となりうる病気は、主に以下の通りです。
不正出血の原因となる病気
子宮筋腫
子宮の筋肉にできる良性腫瘍のこと。過多月経や不正出血のほか、筋腫の場所によっては腰痛・頻尿などの症状がみられることもあります。
子宮内膜症
子宮内膜の組織が子宮以外に増殖してしまう病気です。不正出血のほか、排便時・性交時の痛み、下腹部痛、腰痛などの症状が現れます。
子宮頸がん
子宮の入口にできるがんのこと。初期は自覚症状がありませんが、進行すると生理以外の時期に出血がみられたり、おりものの異常や下腹部痛などが起こります。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜に発生する腫瘍で、ほとんどは良性です。不正出血・過多月経・過長月経などが起こりますが、自覚症状がないこともあります。
これらの病気による出血は、生理周期に関係なく起こります。ときには生理と同じタイミングでみられるため、生理と勘違いすることもあるのです。
異所性妊娠
異所性妊娠は、受精卵が子宮以外の場所に着床してしまう状態を指します。最も多いのは、受精卵が卵管に着床してしまうケースです。
異所性妊娠は、妊娠初期に出血が起こることがあるため、生理と勘違いしてしまう可能性があります。
異所性妊娠は卵管破裂などのリスクがあり母体にとって危険な状態なため、早期発見と適切な処置が重要です。
出血のほか、下腹部に鋭く激しい痛みがみられたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
生理とほかの出血を見分ける方法は?

ここでは、生理とほかの出血を見分けるための一般的な目安を紹介します。
ただし、出血の量や特徴には個人差があるので、以下を参考にしながら、不安がある場合は病院で診察を受けましょう。
生理と着床出血を見分ける方法
着床出血は通常、生理予定日とほぼ同じ時期に起こります。
色は薄いピンクや茶色で、量は生理よりも少なく、ほとんどの場合1〜2日で治まります。痛みはほとんどないか、腹部や腰の不快感・チクチクとした痛み程度です。
一方、生理は鮮赤色で量も多く、3〜7日間続きます。人によっては腹痛や腰痛をともなうこともあるでしょう。
生理と排卵出血を見分ける方法
排卵出血は生理の約2週間前に起こり、薄いピンク色や茶色の出血があるのが特徴です。量は少なく、1〜3日程度で終わることがほとんどです。
軽い下腹部の痛みを感じることもありますが、生理痛ほど強くはありません。
生理と子宮の病気による不正出血を見分ける方法
子宮の病気による不正出血は生理周期に関係なく起こります。色は薄いピンク色から濃い赤色までさまざまで、少量の場合もあれば大量に出血する場合もあります。
また、痛みをともなうケース、出血以外に自覚症状がないケースなど、人によって症状が異なります。
生理以外の時期に数日にわたって出血があった・出血量が多い・強い痛みをともなうなどの場合は不正出血の可能性があるので、医療機関を受診しましょう。
生理と異所性妊娠による出血を見分ける方法
異所性妊娠による出血は、少量の場合もあれば大量出血が起こる場合もあります。強い下腹部痛や腰痛をともなうことも特徴です。
異所性妊娠を放っておくとママの命にかかわることもあるため、気になる症状があれば直ちに病院を受診しましょう。
生理と化学流産による出血を見分ける方法
化学流産は、生理とほぼ同じタイミングに、生理と同程度または少し多い程度の出血がみられます。まれにレバーのような塊が出てくることも。
痛みやつわりのような症状もないので、見過ごすこともあります。
出血以外にみられる妊娠初期の症状とは?

出血だけで妊娠の有無を判断するのは難しいものです。ほかの症状がないかを確認して判断しましょう。
以下に、妊娠するとよく見られる症状を紹介します。
妊娠初期に見られる症状
基礎体温が高温期のまま続く
おりものの量が増える、または色や臭いが変化する
疲れやすい、眠気が強くなる
胸の張りや痛みを感じる
においに敏感になる
吐き気や食欲の変化がある
頭痛やめまいがする
腰痛や下腹部の張りを感じる
便秘になりやすい
気分の変動が激しくなる
生理前の症状と似ているものもあるので、一つの症状だけでなく、複数の症状や基礎体温の変化なども見て判断してくださいね。
また、上記の症状がすべての人にあらわれるわけではありません。個人差があることも理解しておきましょう。
生理のような出血があるけど妊娠してるかも?と思ったら

「妊娠しているかも?」と感じたら、まずは妊娠しているかどうかを確認することが重要です。ここでは、妊娠を確認する主な方法を紹介します。
妊娠検査薬を使って調べる
「生理のような出血があったけれど、妊娠の可能性がある」というときは妊娠検査薬を使ってみましょう。
妊娠検査薬は、尿中の「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンを検出することで妊娠の有無を判定する簡易検査キットです。
使用方法は、尿を採取したあと、1〜数分間待って判定結果を確認する、というもの。一般的には生理予定日の1週間後以降の使用が推奨されています。
生理と思われる出血があっても、妊娠検査薬が陽性であれば妊娠している可能性があるでしょう。
陰性の場合でも、気になる症状が続くときは1週間程度空けて再検査するか、産婦人科を受診することをおすすめします。
産婦人科を受診する
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科を受診しましょう。異所性妊娠などの異常妊娠でも、妊娠検査薬は陽性になります。正常に妊娠しているかを調べるためにも、産婦人科を必ず受診しましょう。
特に、不正出血が続く場合、何かしらの病気が潜んでいる可能性もあります。この場合は、妊娠検査薬の結果にかかわらず産婦人科を受診しましょう。
産婦人科の初診では次のようなことを聞かれます。事前に整理しておくとスムーズですよ。
初診で聞かれやすいこと
最終生理の開始日
月経周期
妊娠経験の有無
流産・死産などの経験
今までかかった病気やアレルギー、服用中の薬
不妊治療歴など
出血の有無だけで妊娠しているかはわからない!しっかり検査しよう

いつもの生理と似たような出血があった場合、着床出血や排卵出血などの可能性があります。
しかし個人差が大きいため、出血の有無や症状だけで妊娠を判断するのは難しいものです。
出血のほかに「基礎体温がずっと高い」「においに敏感になった」など、妊娠初期によくある症状がないかにも注目してみましょう。妊娠の可能性があるときは、妊娠検査薬を使用して妊娠の有無をチェックしてみてください。
場合によっては、出血が何らかの病気のサインであることもあります。特に、出血量が多い・激しい痛みがあるなどの場合は、異所性妊娠や子宮の病気などの可能性も。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
- 生理のような出血があっても生理ではない場合がある
- 着床出血など生理と間違えやすい出血もある
- 出血量が多い・強い痛みがあるなどの場合は不正出血の可能性も
- 気になる症状があれば妊娠検査薬の使用・医療機関の受診を
出典
- 日本女性心身医学会,「排卵時期の腹痛・腰痛・性器出血」,2025/2/12閲覧
- 日本産科婦人科学会,「子宮筋腫」,2025/2/12閲覧
- 日本産科婦人科学会,「子宮内膜症」,2025/2/12閲覧
- 京都済生会病院、「子宮内膜症ってどんな病気?― 現代病である子宮内膜症について詳しく知りましょう ―」,2025/2/12閲覧
- 日本産科婦人科学会,「子宮頸がん」,2025/2/12閲覧
- 日本産婦人科医会,「(1)Polyps:子宮頸管ポリープ,子宮内膜ポリープ」,2025/2/12閲覧
- MSD,「異所性妊娠」,2025/2/12閲覧
- 日本産婦人科医会,「1.生化学的妊娠(Biochemical pregnancy)の扱い方」,2025/2/12閲覧
- 日本生殖医学会,「Q17. 不育症とはどういうものですか?」,2025/2/17閲覧
【注意事項】
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本サイトでは正確な情報を提供できるよう最善を尽くしておりますが、妊娠期の母体の状態は個々人により異なるためすべての方に適用できるものではございません。
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