妊娠中に梅毒と診断されたらどうすべき?赤ちゃんへの影響や治療法も解説
妊娠中に梅毒に感染すると、ママや赤ちゃんにどのような影響があるのか心配ですよね。
この記事では、梅毒の症状、検査方法、治療法、予防策を解説します。妊娠中の梅毒に対する理解を深め、適切な対処法を知っておきましょう。
妊娠中に梅毒に感染すると、ママや赤ちゃんにどのような影響があるのか心配ですよね。
この記事では、梅毒の症状、検査方法、治療法、予防策を解説します。妊娠中の梅毒に対する理解を深め、適切な対処法を知っておきましょう。
梅毒とは?
梅毒は「トレポネーマ・パリダム」という細菌が原因で引き起こされる性感染症です。主に性行為を通じて感染し、性器・口・肛門などの粘膜や皮膚の小さな傷口から体内に侵入します。
進行すると心臓や血管、脳などに重篤な症状が現れる可能性があります。
また近年、感染者数は増加傾向にあり、特に若年層や妊婦さんの間での感染が問題になっているようです。
特に、妊娠中に感染すると赤ちゃんにも影響がおよぶ可能性があるため、妊娠中の梅毒検査はとても大切です。
梅毒の症状
梅毒は、4つの進行期に分けられます。それぞれ特有の症状が現れ、適切な治療を行わないと重症化する可能性があります。
各進行期の具体的な症状を詳しく見ていきましょう。
第1期
第1期梅毒は、感染後3週間程度の間に現れます。最初の症状として、性器や口、肛門などに「初期硬結(しょきこうけつ)」と呼ばれる小さなしこりが現れるのが特徴です。
しこりの中心部が潰瘍化し、「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる状態になることもありますが、多くの場合強い痛みは伴いません。
治療を行わなくても、しこりや潰瘍は数週間で自然に消滅します。
第2期
第2期梅毒は、感染後3ヶ月程度で発症します。手のひらや足の裏などに特徴的な赤い発疹(バラ疹)が見られます。また、発熱、倦怠感、喉の痛み、リンパ節の腫れなどの全身症状が現れることも。
これらの症状も自然に治ることがありますが、細菌は体内に残ったままなので治療が必要です。
第3期
第3期梅毒は、感染後数年経過してから現れることが多く、臓器や神経系に深刻な影響が出ます。具体的な症状は、ゴム腫(皮膚や筋肉、骨にできる硬いしこり)です。
現在の日本では、第3期に進行する前に治療されるケースがほとんどです。
第4期
第4期梅毒は、感染から10年以上が経過した段階で、末期症状として神経梅毒や心血管梅毒(冠状動脈の狭窄、動脈瘤、大動脈炎など)を発症します。
神経梅毒は脳や脊髄に影響を及ぼし、認知障害や運動障害を引き起こします。心血管梅毒は心臓や血管に重大な問題を引き起こし、生命に危険をおよぼすことがあるため、早急に適切な治療が必要です。
梅毒の検査
梅毒の早期発見と治療には、適切な検査が不可欠です。ここでは梅毒の検査方法、検査を受けるタイミング、検査結果の見方を解説します。
検査方法
梅毒の検査には、血液検査が用いられるのが一般的です。以下の2つの抗体を検査し、判断します。
梅毒の検査方法
RPR法
TP法
腫瘍がある場合には、患部を採取して培養検査を行う場合もあります。
検査のタイミング
感染の疑いがある場合は、できるだけ早く検査を受けることが推奨されます。感染から4週間以上経過していれば、検査が可能です。
特に妊娠中は、早いうちに検査を行うことで、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えられます。妊婦健診では、妊娠初期に梅毒検査を行うことが義務付けられています。
検査結果の見方
RPR法とTP法の結果の見方は以下のとおりです。
梅毒の検査結果の見方
RPR(+)・TP(+)
RPR(−)・TP(+)
RPR(+)・TP(−)
RPR(−)・TP(−)
検査結果は、あくまで梅毒に感染しているかを裏付けるデータの一つです。
医師は、検査結果に加え、症状やこれまでの経過なども考慮して感染の有無を総合的に判断します。
妊娠中に梅毒になった場合の治療法
妊娠中に梅毒と診断された場合、抗生物質である「ペニシリン」を用いた投薬治療が一般的です。ペニシリンは、妊娠中でも服用できます。
ペニシリンは、症状の程度や進行の度合いに応じて、内服か点滴のいずれかで投与されます。医師の指示に従い、適切な治療を受けましょう。
また、医師が安全と判断するまでは、性行為を避けてください。
妊娠中に梅毒になったら赤ちゃんにどんな影響がある?
妊娠中に梅毒に感染すると、赤ちゃんに以下のような深刻な影響を与える可能性があります。
先天性梅毒
先天性梅毒は、胎盤を通じてママから赤ちゃんに梅毒が感染することです。主な症状としては、皮膚の発疹、肝臓や脾臓の腫れ、発育不全などが挙げられます。
妊娠中に適切な治療を受けていた場合でも、22%の確率で赤ちゃんに感染してしまうというデータもあることから、しっかりと予防しておくことが不可欠です。
流産・早産・死産
梅毒に感染すると、流産・早産・死産のリスクが高まります。
妊娠後期に治療を受けた場合、早産などのリスクが高くなるという報告もあるようです。
梅毒を予防することはもちろん、感染した場合は早期に治療を受けましょう。
出典
日本産婦人科医会,「急増する梅毒!助成感染者の増加とその問題点」,p19,2024/8/21閲覧,https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/01/fb4de6cbd3f51f84ec1bb9f5227bb931.pdf
梅毒の予防法
ここからは、梅毒の具体的な予防策を紹介します。
感染者との性行為を控える
梅毒予防のためには、感染者との性行為を控えることが重要です。
特に不特定多数との性行為は、感染リスクが高まります。性行為の回数や相手を限定することで、梅毒に感染するリスクを減らせるでしょう。
コンドームを使用する
性行為をするときは、コンドームを使用しましょう。100%防げるとは限りませんが、感染のリスクを減らせます。
破損や滑り落ちを防ぐために正確に装着し、毎回新しいものを使用してくださいね。
定期的に検査を受ける
梅毒予防のためには、定期的な検査が欠かせません。
特に、感染リスクのある人や妊娠中の女性は、定期的に検査を受けることで早期発見・早期治療が可能になります。
梅毒は赤ちゃんに影響する。効果的に予防しよう
梅毒は、主に性行為を通じて感染します。
妊娠中に感染すると、ママだけでなくおなかの赤ちゃんに深刻な影響をおよぼす可能性があります。感染者との性行為を避ける・コンドームを着用するなどして、適切に予防しましょう。
また、感染していないかをチェックするために、検査を定期的に受けることも大切です。定期的に検査することで、早期発見と早期治療が可能になります。
梅毒を防ぎ、ママも赤ちゃんも元気に過ごせるとよいですね。
- 梅毒は主に性行為によって感染する
- 梅毒には4つの進行期があり、それぞれ症状が異なる
- 妊娠中の梅毒治療には、ペニシリンという抗菌剤が用いられる
- 妊娠中に梅毒に感染すると、先天性梅毒や流産・早産などのリスクがある
- 不特定多数との性交渉を避け、性行為の際にはコンドームを使おう
【注意事項】
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