
妊活中の食事|妊娠率を上げる食べ物ってあるの?摂りたい栄養素も紹介
これから妊活をはじめる人にとって、食事面でどんなことに気をつければよいのかは気になるポイントの一つですよね。「妊娠しやすい食べ物はあるの?」「外食のときは何を食べたらいい?」といった疑問を感じている人もいるでしょう。この記事では、妊活中に心がけてほしい食事の基本や積極的に摂りたい栄養素、避けてほしい食品などを解説します。食事のほかに日常生活で意識したいポイントも紹介しますよ。
妊娠に向けて食事や生活習慣を見直したい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
これから妊活をはじめる人にとって、食事面でどんなことに気をつければよいのかは気になるポイントの一つですよね。「妊娠しやすい食べ物はあるの?」「外食のときは何を食べたらいい?」といった疑問を感じている人もいるでしょう。この記事では、妊活中に心がけてほしい食事の基本や積極的に摂りたい栄養素、避けてほしい食品などを解説します。食事のほかに日常生活で意識したいポイントも紹介しますよ。
妊娠に向けて食事や生活習慣を見直したい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
妊活中の食事はなぜ大事?

妊活中は妊娠・出産に向けた健康的な体づくりのため、毎日の食事に気を配ることがとても大切です。
近年、日本では低体重(やせ)の女性の割合が高くなっています。妊娠前に栄養が不足していると、将来妊娠した場合に赤ちゃんの発育に悪影響を与え、早産や低体重出生児のリスクが高まるといわれています。
そのため、妊娠を希望する段階から極端な食事制限を避け、健康的な食生活を意識することが大切です。厚生労働省も「妊産婦のための食事バランスガイド」を定め、主食・副菜・主菜のそろったバランスのよい食事の摂取を推奨しています。
食事バランスガイドに沿った食事を日頃から心がけ、健康的な体づくりを目指しましょう。
妊娠しやすくなる食べ物ってあるの?

「これを食べれば必ず妊娠できる」という食べ物は存在しません。
妊活中の食事が大切なのは、あくまで今後妊娠した場合のママと赤ちゃんの健康を守るためです。妊娠率を上げるためではないので、勘違いしないようにしましょう。
また、将来の妊娠・出産への備えには、栄養バランスのとれた食習慣がとても大切です。妊娠しやすいといわれている食べ物ばかりを食べたり、特定の食べ物を過度に避けたりするなど、極端な食事は健康に悪影響を及ぼす可能性があるので避けましょう。
妊活中の食事で心がけることは?

健康的な体をつくるためには、栄養をバランスよく摂るだけでなく、食事にかかわるさまざまな習慣を整えることが重要です。
ここでは、妊活中に心がけたい食生活の基本についてご紹介します。
毎日同じ時間に食事を摂る
毎日決まった時間に食事を摂ることで自律神経が安定し、体の調子も整いやすくなります。また、生理周期や排卵リズムが整い、妊活のタイミングもはかりやすくなるでしょう。
栄養バランスに気を配る
妊活中は、特定の栄養素だけを摂るのではなく、必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
厚生労働省では、バランスのよい食事を摂るためのポイントとして以下の4つを挙げています。
バランスのよい食事のポイント
「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
主食とは、ごはんやパン、麺類など炭水化物を主材料とする料理のことです。体のエネルギーのもととなるので、しっかりと摂取しましょう。
不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
副菜とは、野菜・きのこ・海藻類などを主な材料とした料理のことです。野菜をたっぷりと使い、体の健康を保つために欠かせないビタミン・ミネラルを意識的に取り入れましょう。
「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
主菜は、魚・肉・大豆製品・卵などを主材料とした料理です。体の筋肉や血液のもととなるたんぱく質・脂質などの供給源なので、さまざまな食品を使って積極的に摂取しましょう。
乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
カルシウムは日本人女性が不足しがちな栄養素の一つです。牛乳や小松菜、枝豆、いわし、きびなごなどに多く含まれるので、意識的に取り入れてみてください。
これまでの研究で、主食・副菜・主菜がそろった食事を1日2回以上摂る人は、2回未満の人に比べ栄養を適切に摂取できていることが報告されています。
妊娠前から食生活を見直し、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
さまざまな食品を食べるようにする
同じ食材に偏ることなく、さまざまな食品を取り入れることが大切です。肉だけ、野菜だけ、などのように特定の食品ばかりを食べていると、栄養が偏りやすくなります。
必要な栄養素を満遍なく摂取するためにも、野菜や果物、魚、肉、穀物、発酵食品などを上手に組み合わせましょう。
太りすぎ・痩せすぎに注意する
太りすぎ・痩せすぎは、排卵や月経に悪影響を与えたり、将来の妊娠・出産のリスクを高めたりする可能性があります。
日本肥満学会では「体重(kg)/身長(m)/身長(m)」で計算されるBMIが25以上の場合を肥満、18.5未満の場合を低体重(やせ)と定義しています。
肥満に該当する場合、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症や、難産のリスクが高まるといわれています。また、痩せすぎは排卵の問題や、早産・低出生体重児のリスクを高める原因となるため注意が必要です。
妊活中はBMI18.5以上25未満の状態をキープできるよう、バランスのよい食事を心がけましょう。
妊活中に特に積極的に摂りたい栄養素は?

妊活中は栄養バランスのよい食事が大切ですが、なかでも葉酸は特に積極的に摂取しましょう。
葉酸は、細胞の生産・再生を促す栄養素です。妊娠前や妊娠初期に積極的に摂取することで、赤ちゃんの先天異常の一種である「神経管閉鎖障害」のリスクを軽減できることが知られています。
厚生労働省は、妊活中の女性に対し普段の食事から1日240μg、サプリメントなどから1日400μgを摂取することを推奨しています。
緑黄色野菜など葉酸を多く含む食材を日常的に取り入れつつ、サプリメントも活用して意識的に摂取しましょう。
葉酸を多く含む食材
ほうれん草
モロヘイヤ
ブロッコリー
春菊
グリーンアスパラガス
ドライマンゴー
妊活中に注意が必要な食品は?

妊活中は、積極的に摂取したい栄養素がある一方で、避けたほうがよい食品・成分も存在します。
ここでは、妊活中に注意してほしい食品・成分とその理由をご紹介します。
アルコール
アルコールには、ホルモンバランスの乱れや排卵の問題を引き起こすリスクがあるといわれています。
また、妊娠に気づかずに飲酒を続けると、早産や流産のほか、赤ちゃんに奇形や発育遅延などが生じる「胎児性アルコール症候群(FAS)」が起こる可能性もあります。
少量でも影響するおそれがあるので、妊娠を希望した段階からアルコールを控えましょう。
カフェイン
カフェインには中枢神経を刺激する作用があり、摂りすぎると興奮や不安、震え、不眠症、吐き気などにつながるといわれています。
特に、妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんが低出生体重児になったり、将来の健康リスクが高まったりする可能性があることが報告されています。
日本では明確な摂取上限量を定めていませんが、海外の公的機関は妊娠中の女性に対し1日200〜300mg(コーヒー2杯程度)までにとどめることを推奨しています。
リスクを最小限に抑えるため、妊娠前からカフェインをなるべく控えるようにしましょう。
加工食品・ファストフード
加工食品やファストフードには、塩分や脂質が多く含まれる場合があります。これらを摂りすぎると妊娠高血圧症候群や肥満、生活習慣病のリスクが高まるため、食べ過ぎには注意が必要です。
なお、保存料や着色料などの添加物を気にする人もいるかもしれませんが、少量であれば体に悪影響を与えることはありません。通常の食事で健康を害することはないので、極度におそれなくて大丈夫です。
ただし、摂りすぎると健康に悪影響が出る可能性があるため、添加物を含む食品を過剰に摂取することは避けましょう。
大豆食品
大豆食品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンである「エストロゲン」に似た働きをもつことで知られ、適量であればホルモンバランスを整える効果が期待できます。
しかし、妊婦さんが過剰に摂取すると、赤ちゃんの健康に悪影響を与える可能性があるといわれています。通常の食事で悪影響が出ることはありませんが、大豆イソフラボンを含む特定保健用食品などを過剰に摂取すると、影響が生じることがあるため注意が必要です。
どのくらいの摂取量であれば赤ちゃんに影響しないのか、現時点では明らかになっていません。そのため、妊活中は大豆イソフラボンを含む特定保健用食品は摂らずに、豆腐や納豆、味噌などの食品から適度な栄養を摂取しましょう。
妊活中、食事以外で心がけることは?

妊活を順調に進めるためには、食事だけでなく、日常生活の過ごし方もとても大切です。ここでは、食事以外で意識したい妊活中の生活習慣について解説します。
運動習慣をつける
適度に運動することで血流が促進され、基礎代謝の向上やホルモンバランスの安定、ストレスの解消に役立ちます。
ウォーキングやストレッチ、軽いヨガなど、無理のない範囲で継続できる運動を毎日の生活に取り入れてみましょう。
十分な睡眠をとる
質のよい睡眠をとることでホルモン分泌のリズムが整い、疲労回復やストレス解消につながります。
睡眠の質を高めるためには、寝室の明かりを落として暗くする、就寝前のスマホの使用を控える、寝る前にリラックスできるルーティンをつくるなど、眠りやすい環境を整えるのがポイントです。
また、スムーズな入眠のためにも、毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけることも意識しましょう。
こまめに気分転換をする
ストレスはホルモンバランスを乱す要因にもなるため、日常的に気分転換することが大切です。
散歩をする、趣味の時間をつくる、アロマや音楽でリラックスするなど、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけて心の余裕を保つよう心がけましょう。
妊活中の食事についてよくある質問

ここでは、妊活中の食事についてよく寄せられる疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
妊活中は男性も食事に気をつけたほうがいい?
男性も女性も栄養バランスのよい食事を摂ることが大切です
男性も、自身の健康のために栄養バランスのよい食事を摂ることが大切です。なかでもオメガ3脂肪酸やビタミンE・C・D、亜鉛、葉酸などは、精子の機能によい影響を与える可能性があることが過去の研究で示されています。過剰摂取にならない範囲で意識的に摂りつつ、ほかの栄養素もバランスよく摂取しましょう。
妊活中に外食をするときは何を食べたらいい?
和食の定食は栄養バランスがよくおすすめです
外食時は、主食・副菜・主菜がそろった定食を選ぶと栄養バランスがとりやすいでしょう。白米ではなく玄米や雑穀米を選んだほうが、食物繊維やビタミンも摂取できておすすめですよ。サラダや乳製品をプラスするのもよいでしょう。
将来の妊娠・出産に向けてバランスのよい食事を心がけよう

妊活中は、自身の健康や将来の妊娠・出産への備えとして、食事に気を配ることがとても大切です。
主食・副菜・主菜のそろった栄養バランスのよい食事を心がけ、健康的な体を目指しましょう。特に葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるといわれているので、積極的に摂取してくださいね。
一方、アルコールやカフェインは、妊娠した場合に赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、なるべく控えましょう。加工食品やファストフードの食べ過ぎにも注意してください。
健康的な生活習慣を心がけることで、将来安心して妊娠・出産を迎えられる可能性が高くなります。夫婦で力を合わせて、一緒に乗り越えていきましょう。
- 将来の妊娠・出産への備えとして、栄養バランスのよい食事を心がけよう
- 1日2食以上は主食・副菜・主菜のそろった食事を意識して
- 葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防のため特に大切な栄養素
- アルコールやカフェイン、ファストフードの過剰摂取に気をつけて
- 健康的な食生活だけでなく、適度な運動・十分な睡眠・ストレス解消も大切
出典
- 厚生労働省,「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から、健康なからだづくりを〜 解説要領」,2025/5/26閲覧
- 東京都,「妊活中の食生活について」,2025/5/26閲覧
- 厚生労働省,「妊産婦のための食事バランスガイド」,2025/5/26閲覧
- 日本肥満学会,「肥満度分類」,2025/5/26閲覧
- 厚生労働省,「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」,2025/5/26閲覧
- 厚生労働省,「日本人の食事摂取基準(2025年版)」,2025/5/26閲覧
- 日本産婦人科医会,「飲酒、喫煙と先天異常」,2025/5/26閲覧
- 厚生労働省,「Q.1 清涼飲料水など食品に含まれるカフェインを過剰に摂取することは健康に問題があるのでしょうか。」,2025/5/26閲覧
- 食品安全委員会,「お母さんになるあなたと周りの人たちへー妊娠の前から気をつけたい食べ物のことー」,2025/5/26閲覧
- 厚生労働省,「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」,2025/5/26閲覧