【小児科医監修】子どもに処方される薬を使うときの基礎知識
薬の役割は治癒の手助け
私たちの体には本来、自分でけがや病気を治そうとする力が備わっています。しかし、病気の勢いが強いときなどは、症状が重くなってしまうことがあります。この症状を和らげたり、病気の原因そのものに作用したりして、病気を治す手助けをするのが薬の役目です。たとえば内服薬は、体内に入ると、吸収→分布→代謝→排泄の過程を経て、効果を発揮していきます。また、薬には副作用といって、期待される効果以外の起きてほしくない作用が表れることもありますが、医師はそのデメリットも考えたうえで薬を処方します。ですから、副作用をいたずらにおそれず、指示どおり使いましょう。
薬の効くプロセス
吸収
口から飲む薬の場合、飲んだシロップや粉薬などは、胃を通る間に溶かされて十二指腸や小腸で吸収。
その後、肝臓を通って血液に入ります。
分布
吸収された薬は、血液の流れにのって全身へ運ばれ、病気や炎症が起こっている部分、病気の原因となっている菌などに届き、効果を発揮します。
代謝
役目を終えた薬を体内にとどめておかず、体外に出そうと排泄するために、肝臓でこれらの薬を無毒化したり、排泄されやすいように処理したりする。
排泄
肝臓での処理後、薬は腎臓を通りおしっことして、または肝臓から分泌される胆汁に混じってうんちとして排泄される。主にこの2つのルートで体の外へ。
薬をもらうときのポイント
1.赤ちゃんの体重を伝える
飲み薬の量は、赤ちゃんの月齢や体重をもとに決められることがほとんどです。病院に行く前には赤ちゃんの体重を母子健康手帳などで確認しておき、聞かれたら、答えられるようにします。
2.ほかに使っていた薬を伝える
薬によっては飲み合わせてはいけないものや、名前が違っても作用が同じものがあります。現在使っている、あるいは最近まで使っていた薬は、持参するか、薬品名を医師に伝えます。
3.アレルギーの有無を伝える
アレルギーがあれば、必ず医師に伝えます。薬そのものがアレルギーの原因になることもあるので、過去に薬が原因で発疹(ほっしん)が出るなど何か問題があれば伝えてください。
4.過去の薬の副作用を伝える
アレルギー反応だけでなく、薬を飲んだり、ぬったりして過去に副作用があったときも必ず伝えましょう。いつごろ、何の薬でどんな症状が出たか、できるだけ具体的に医師に説明します。
5.「お薬手帳」を持参する
「お薬手帳」は使った薬の記録帳。処方箋を持って薬局に行ったら作ってもらい、次回からも薬局に出せば、そのつど記入してくれるか、薬品名が書かれたシールをくれます。副作用が出た場合も記入をしておきましょう。
赤ちゃんの薬使い方のポイント
1.医師の指示どおりに使うのが基本
医師は赤ちゃん一人ひとりの症状や体重に合わせ、薬の量や種類を決めています。ママの判断で量や回数を増やしたり、減らしたりすると、効果が期待できないばかりか病気を長引かせてしまう心配もあります。さらに副作用の危険性も高くなるので要注意です。医師の指示どおりに使いましょう。
2.赤ちゃんのようすから効き目をチェック
薬を飲ませたりぬったりした後は、症状に変化があるかどうか、赤ちゃんのようすをしっかり観察します。忘れないようにメモをとっておくのもおすすめ。医師の指示どおりに使っても症状が改善しなかったり、容態が悪いほうへ変化したりした場合は、薬を使い切る前でも、その薬やメモを持参のうえ、もう一度受診して、医師に相談しましょう。
3.処方された薬は途中でやめず、使い切る
「よくなってきた」「あまり飲ませたくない」といった理由で、処方された薬を途中でやめてはいけません。かえって病気が長引くこともあるからです。ただし例外的に、症状がなくなったらやめていい薬もあります。処方されたときに医師に確認しておきましょう。
4.薬はそれぞれのタイプに合わせ保管
赤ちゃんの薬は飲ませやすく、かつ体に負担が少なく、そして吸収されやすいように工夫が凝らされています。そのため形状もシロップ、粉薬、坐薬などさまざまです。それぞれの特徴に合った方で保管しましょう。
5.わからないことは医師や薬剤師に相談
薬の成分、飲ませ方など、わからないことや不安があれば遠慮せず医師に聞きましょう。医師に聞きそびれたら、薬を処方してくれる薬局の薬剤師に確認をします。念のためかかりつけの医院とともに、よく行く薬局の連絡先もメモしておくと安心です。
6.1歳までは処方薬を使うのが基本
赤ちゃんの場合、発熱しても、その原因はさまざまです。基本的に1歳までは、病院で処方された薬を使います。緊急で市販薬を使うときでも、薬局で症状・体質について相談のうえで購入を。1〜2日使用してもよくならない場合は、必ず診察を受けましょう。
薬物アレルギー
薬がアレルゲンになって発疹やかゆみなどを発症
薬に対して体が過敏に反応し、服用後に発疹や発赤(ほっせき)、かゆみが出ることを薬物アレルギーといいます。薬物過敏症とも呼ばれ、抗生物質、消炎鎮痛剤、下痢止めなど、人により原因になる薬は異なります。症状も、じんましん程度の軽いものから、皮膚がはがれるようなひどい皮膚炎までいろいろ。発熱や嘔吐、下痢、喘息のほか、アナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー症状を起こすこともあります。
原因となる薬の使用を中止して治療とケア
薬の使用後、発疹や下痢など気になる症状が現れたら、まずはすべての薬の使用をいったん中止します。医師の診察を受け原因を特定してもらいます。薬による症状なら、その薬の使用をやめ、アレルギー症状を抑えるための治療を行います。処方薬をやめてしまうと病気が悪化するおそれがある場合は、必要に応じて同じ効果のある別の種類の薬を処方してもらいます。お薬手帳には、アレルギーを起こした薬品名を記入しておきましょう。
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