【管理栄養士監修】離乳食の開始、生後4ヶ月だと早い理由は?
離乳食の開始、生後4ヶ月だと早い理由は?
離乳食を開始する時期は、生後4ヶ月のうちは一般的には早い傾向にあるといわれています。
理由としては以下のことなどが挙げられます。
・スプーンなどを口に入れると舌で押し出す「哺乳反射」という生理的な反応が強く残っている可能性がある
・「首のすわりがしっかりして寝返りができる」、「5秒以上座ることができる」などの離乳食を始める発達の目安に達していない可能性がある
・離乳食の開始時期が早すぎると肥満などのリスクとなることが報告されている
「哺乳反射」って何?
離乳食の開始が生後4ヶ月だと早い理由の1つにある「哺乳反射」とは、生後4~5ヶ月頃から少しずつうすれてくる生理的な反応で、赤ちゃんの口の中におっぱいや哺乳瓶の乳首以外の固形物が入ってくると舌で押し出す反応です。
そのため、「哺乳反射」が強く残っている赤ちゃんに離乳食をあげようとしても、口から食べ物を出してしまい上手に食べることができません。
これを、ママやパパが「赤ちゃんが離乳食を食べてくれない」と思い、悩みの種となってしまうこともあるようです。
哺乳反射が消える時期には個人差があるため、赤ちゃんの様子を観察しながら離乳食を開始する時期を決めると、スムーズに離乳食を進めることにつながります。
離乳開始の目安はいつ頃?
離乳の開始時期には個人差がありますが、一般的には生後5~6ヶ月で開始する人が多いといわれています。
「平成27年度乳幼児栄養調査」によると、その割合は「生後6ヶ月」から始めた人が44.9%と最も多く、「生後5ヶ月」から始めた人が40.7%、「生後5ヶ月未満」が2.1%となっています。
赤ちゃんの発達には個人差があるため、あくまで目安として捉え、赤ちゃんの様子を見ながら開始時期を決めていきましょう。
離乳開始をする際の赤ちゃんの発達の目安は?
離乳食を開始する時期の発達の目安は、赤ちゃんが以下のようなことをできるようになってきた頃だといわれています。
・首のすわりがしっかりして寝返りができる
・5秒以上座ることができる
・スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる
・食べ物に興味を示す
生後5〜6ヶ月頃になり、これらを確認することができたら、少しずつ離乳食をスタートしていきましょう。
離乳食開始前に果汁を与えたほうがいい?
かつては離乳の準備として、薄めた果汁を与えることを推奨していた時期がありましたが、いまはその必要がないといわれています。
母乳や育児用ミルク以外の味は、離乳食を始めたあとに慣らしていけば大丈夫です。この時期の赤ちゃんに最適な栄養源は母乳や育児用ミルクのため、栄養面を心配する必要もありません。
生後4ヶ月からできる準備はある?
離乳食を始める前に、「授乳の時間」や「睡眠の時間」をできるだけ整え、赤ちゃんの生活にリズムをつけてあげるとよいでしょう。
離乳食が始まったときに、授乳や離乳食の時間が不規則だと、赤ちゃんの食欲がなくなったり、消化器官への負担となってしまうことがあります。
また、離乳は赤ちゃんの健康状態がよいときに開始する必要があるため、離乳開始前から赤ちゃんの体調を整えておいてあげましょう。
低体重、下痢をしやすい、皮膚にトラブルがある場合などは、離乳食を始める前に「離乳食の開始時期」や「離乳方法」などについて医師に相談しておくと安心です。
管理栄養士のひとこと
初めての離乳食は、ママやパパもわからないことが多く、戸惑ってしまう場面もありますよね。
離乳食の開始時期は、生後5ヶ月または生後6ヶ月を目安に、今回紹介した発達の目安なども参考に進めてみてくださいね。
離乳食が始まって赤ちゃんが思うように食べてくれないと心配になることもあるかもしれませんが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。あせらずに、赤ちゃんとママ、パパのペースを大切にしていきましょう。
こちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
参考
五十嵐隆(監修)、『授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き』、公益財団法人 母子衛生研究会、2020年
堤ちはる・土井正子編著、『子育て・子育ちを支援する子どもの食と栄養』、萌文書林、2018年
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写真提供:ゲッティイメージズ
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