【管理栄養士監修】離乳食のゼリー|いつから食べられる?注意点やレシピ・保存方法を紹介
離乳食のゼリーはいつから?
赤ちゃんにゼリーを与えられる時期は、ゼリーに使われている原材料によって変わります。主に「ゼラチン」または「寒天」を使ったゼリーが一般的です。
また、手作りのゼリーと市販のゼリーでも、与えられる時期が変わる場合もあるので、それぞれ説明します。
手作りのゼリーの場合
ゼラチンで作るゼリー
離乳後期(生後9〜11ヶ月頃)の牛肉や豚肉などの動物のたんぱく質をとるようになったあと、少量から使いましょう。
「ゼラチン」とは、動物の皮や骨、すじなどに含まれているコラーゲンを熱処理したものなので、鶏肉や牛肉、豚肉に慣れてから与えるようにしましょう。
ゼラチンで作るゼリーは、寒天で作るゼリーに比べてなめらかな口当たりで、赤ちゃんでも飲み込みやすいのが特徴です。
のどに詰まらせたり誤嚥(ごえん)しないように、与える際は小さく切り、必ず大人が見守り、飲み込むまで目を離さないようにしましょう。水分量を多めにしてやわらかく仕上げると、飲み込みやすくなりますよ。
管理栄養士からのワンポイントアドバイス
ゼラチンは動物性のたんぱく質から作られているので、食物アレルギーを発症する恐れがあります。
そのため離乳中期(生後7~8ヶ月頃)までの赤ちゃんには与えないようにしましょう。
離乳後期(生後9~11ヶ月頃)以降は与えることができますが、あえて急いで与える必要はありません。鶏肉や牛肉、豚肉を食べ慣れるまでは与えず、与えるときは少量から始めます。
離乳後期(生後9〜11ヶ月頃)の子どもは、まだ習慣的なおやつは与えなくてよい時期のため、ゼラチンを使用したゼリーは離乳完了期(1歳〜1歳6ヶ月頃)からを推奨します。
下記の記事も参考にしてみてくださいね。
ゼリーの材料は、砂糖を多く使用した甘いジュースや炭酸飲料だと赤ちゃんにとっては甘すぎてしまうため、離乳食の時期は使用しないようにしましょう。
砂糖の含まれていない100%果汁のジュースや、水だけのゼリーをベースにし、刻んだ果物を入れて、果物の甘味のみでおいしく食べられるゼリーなどを与えるのがおすすめです。
ただし、ゼラチンを使用する場合、一部の生の果物(パイナップル、キウイフルーツ、メロン、柑橘類など)はゼラチンを分解してしまうため、固まらなくなります。あらかじめ加熱した果物を使用すると、固まりにくくなるのを防ぐことができます。
寒天で作るゼリー
離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)から与えることができます。
寒天は、てんぐさという海藻が主な原材料です。食物繊維が豊富な反面、消化がしづらく、さらに口当たりがほろっとしています。舌や歯ぐきでつぶしにくく飲み込みにくいので、離乳後期(生後9~11ヶ月頃)までの赤ちゃんには与えないようにします。
のどに詰まらせたり誤嚥(ごえん)しないように、与える際は小さく切り、必ず大人が見守り、飲み込むまで目を離さないようにしましょう。水分量を多めにしてやわらかく仕上げると、飲み込みやすくなりますよ。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
ゼリーの材料は、ゼラチンのゼリーと同様に、砂糖を多く使用した甘いジュースや炭酸飲料などは赤ちゃんにとっては甘すぎてしまうため、離乳食の時期は使用しないようにしましょう。
砂糖の含まれていない100%果汁のジュースや、水に刻んだ果物を入れて、果物の甘味のみでおいしく食べられるゼリーなどを与えるのがおすすめです。
市販のゼリーの場合
お店には、カップに入っている子ども用ゼリーや、離乳食売り場の近くに置いてある赤ちゃん用のジュレなども市販されています。
商品には注意書きや対象年齢が記載されているので、パッケージに記載された表示どおりの月齢であれば与えることができます。ただし、いくつか注意が必要です。
カップに入っている子ども用ゼリーや赤ちゃん用のジュレなどは、手作りのゼリーに比べて砂糖が多く含まれていて、手作りの100%果汁のジュースだけを使ったゼリーに比べると甘味が強いことがほとんどです。
胃や消化機能の未発達な赤ちゃんの負担になったり、一度甘い味を覚えるとほかの離乳食を食べなくなってしまったりする可能性があるので、与える頻度に注意しましょう。
必ず裏面の原材料を確認し、すべて食べ慣れている食材であることを確認してから与えるようにしましょう。
また、市販の小さなカップ入りのゼリーは、子どもがカップごと飲み込んでしまいのどに詰まらせ窒息してしまう危険もあります。与える際はスプーンで少しずつ与え、必ず大人が見守り、飲み込むまで目を離さないようにしましょう。
こんにゃくゼリーはNG
市販のゼリーの中でも、「こんにゃくゼリー」には特に注意が必要です。一般的なゼリーと比べて、固く弾力の強いものが多く、口の中でもほとんど溶けません。
また、ひとくちで口の中に入ってしまいやすく、のどに詰まらせてしまう可能性が非常に高くなります。
離乳食の時期の赤ちゃんに限らず、小さな子どもや高齢者には与えないようにしましょう。
離乳食のゼリーの作り方とポイント
離乳食のゼリーの作り方やポイントは、使う材料によって変わります。「ゼラチン」「寒天」のそれぞれの場合で説明します。
ゼラチンで作る場合
ゼラチンには、「板ゼラチン」と「粉ゼラチン」の2種類があります。
板ゼラチンは、1枚あたりの分量が決まっているため、計量の必要がないというメリットがある反面、水でふやかして水気を切るなどの手間がかかります。
粉ゼラチンは、少量から計量して作ることができるため、出来上がるゼリーの固さの微調整がしやすく、板ゼラチンよりも手軽に使いやすいです。
そのため離乳食作りには粉ゼラチンを使うのがおすすめです。スーパーの製菓材料のコーナーなどで手に入ります。
赤ちゃん用りんごジュースで作るゼラチンゼリーのレシピ(離乳完了期 1歳〜1歳6ヶ月頃から)
材料
粉ゼラチン 1.7~2g(小さじ1/2~2/3)
お湯(80℃以上)20ml(小さじ4)
赤ちゃん用りんごジュース 100ml
作り方
- 分量のお湯を深さのある小皿に入れ、粉ゼラチンをふり入れてふやかします。(電子レンジを使用する場合は、耐熱容器に粉ゼラチンと水(お湯と同じ分量)を入れ、ふんわりとラップをかけ500Wで約10〜20秒加熱し、溶かしてください)
- 常温に置いておいた赤ちゃん用りんごジュースを1に加えてよく混ぜ合わせ、容器に移します。
- 冷蔵庫に入れて冷やし、固まれば完成です。
ポイント
・離乳食の時期の赤ちゃんが飲み込みやすい粉ゼラチンの量を記載しています。粉ゼラチンの量が少ないとゆるい仕上がりになりますが、少なすぎると上手く固まらないことがあるので、記載の範囲内で赤ちゃんに合わせて粉ゼラチンの量を調節してください。
・ゼラチンを使うときは、ゼラチンを加える液体を沸騰させないことが重要です。沸騰させてしまうと固まりにくくなります。
・上記のレシピで作ったゼリーの1回あたりに与える目安の量は、離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)で1/3~1/2量です。
寒天で作る場合
寒天には、主に「棒寒天」「糸寒天」「粉寒天」の3種類があります。離乳食には、水で戻す必要がなく、煮溶かすだけで使えて作る量も調節しやすい「粉寒天」を使うのがおすすめです。また、寒天には常温で固まるという性質があります。
赤ちゃん用りんごジュースで作る寒天ゼリーのレシピ(離乳完了期 1歳〜1歳6ヶ月頃から)
材料
粉寒天 0.5g(小さじ1/4)
水 50ml
赤ちゃん用りんごジュース 100ml
作り方
- 分量の水を小鍋に入れて加熱し、人肌程度に温めてから粉寒天を入れて、鍋底に沈まないようによく混ぜます。沸騰(ふつふつと泡が出る)してから約1分間、混ぜつづけながら加熱します。
- 常温の赤ちゃん用りんごジュースを入れて、さらに約1分半加熱して寒天液をなじませます。
- 器に流し入れて、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やします。固まったら完成です。
ポイント
・粉寒天は、鍋底に沈みやすいので、すべて溶けきるように混ぜつづけながら加熱してください。
・冷たい液体を合わせると、温度差で固まってしまう可能性があるので、赤ちゃん用ジュースは常温にしてから混ぜ合わせてください。
・粉寒天の箱などに記載されている分量は、赤ちゃんには固めなので、少し粉寒天の量を少なめにして作るとやわらかく飲み込みやすく仕上がります。
粉ゼラチンを使ったゼリーの応用レシピ
卵・牛乳 不使用の 豆乳プリン(1歳〜1歳6ヶ月頃から/卵・牛乳アレルギー対応)
豆乳を使ったプリン液を、粉ゼラチンを使って固めたプリンです。乳製品や卵のアレルギーをもつ子どもでも食べられて、とても簡単に作れるレシピです。
濃厚! 簡単かぼちゃプリン(1歳〜1歳6ヶ月頃から)
乳製品や卵を使わず豆乳で作るレシピなので、アレルギーをもつ子どもでも食べられます。火と鍋を使わずに電子レンジのみでできるので、とても簡単ですよ。
管理栄養士のひとこと
「ゼリー」と聞くと、甘みのあるおやつをイメージするのが一般的ですよね。ところが、ゼラチンや寒天を使って「麦茶」のゼリーを作り、夏の時期やお風呂上がり、汗をたくさんかいたときなどの水分補給として与えているママやパパもいるようです。
子どもがなかなか水分を摂れていなくて心配なときは、麦茶ゼリーを作って与えてみると、つるんとしたのどごしを気に入ってくれるかもしれません。ゼリーでも水分補給になりますよ。
麦茶ゼリーを与える場合は、ゼラチンで作る場合は離乳中期(生後7〜8ヶ月頃)から、寒天で作る場合は離乳完了期(1歳〜1歳6ヶ月頃)からを目安にし、この記事の前半の「離乳食のゼリーはいつから?」の記載も確認してください。
のどに詰まらせたり誤嚥(ごえん)しないように、小さく切り、必ず大人が見守り、飲み込むまで目を離さないようにしてくださいね。
アレルギーについての注意点
レシピには、特定のアレルギー体質を持つ場合にアレルギー反応を引き起こすおそれのある食品を含む場合がございます。
また、初めて召し上がるお子さまには注意が必要ですので、様子を見ながら少量から食べさせてください。
[特定原材料] えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生
[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、マカダミアナッツ
「料理を楽しむにあたって」の「乳幼児への食事提供について」もご参考ください。
参考
「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」(厚生労働省)
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写真提供:ゲッティイメージズ
※当ページクレジット情報のない写真該当