子育ての悩みはどこに相談する? よくある悩みと相談場所【専門家監修】
子育ての悩みは人それぞれ
寝不足でカーッとなって子どもに当たってしまったり、先の見通しがつかない不安に漠然と悩んだり……。
赤ちゃんがおなかにいるときから、もしくは赤ちゃんが生まれてから、「子育て」に対する不安や悩みは、その大きさに関わらず尽きないのではないでしょうか。
明確な悩みがある場合も、ただ漠然と不安を感じる場合も、それをどのように対処したらいいのか、誰に頼ればいいのか。なにもわからず頼れる当てもなく、ただ募っていく不安や悩みの重さに耐えきれなくなるのを待つしかないのでしょうか。
子育ての相談をするには?
相談できる機関をチェック
不安や悩みを打ち明けられる人がいないという場合、自治体などの専門の相談窓口を利用するのがおすすめです。主に東京都を例に、子育て中のママやパパが利用できる相談機関を紹介します。
児童家庭支援センター(子ども家庭支援センター)
18歳未満の「子ども」と「家庭」に関する相談に応じている法人及び社会福祉法人です。地域によって異なりますが、相談やサービス(ショートステイや一時預かりなど在宅サービスの提供やケース援助、サークル支援やボランティア育成)などの支援を受けることができます。次に説明する児童相談所とも似ていますが、より地域に密着した幅広い子育てと家庭に関する相談を受け付けています。
また児童相談所、児童福祉施設など、関係する機関の連絡調整も行い、児童相談所を補完するものとして、児童福祉施設等に設置されています。
※詳細は住んでいる市区町村の施設を検索してみてください。
児童相談所、児童相談センター
各都道府県が設置している児童福祉の機関。子ども家庭支援センターよりも専門的に子育ての相談を受け付けています。原則18歳未満の子どもに関する相談に対し、児童福祉司・児童心理司・医師・保健師などの専門スタッフが対応しています。
※詳細は住んでいる市区町村の施設を検索してみてください。
【専門的な相談内容について】
・虐待、養育困難などの養護相談
・一般的な健康管理に関する相談(乳児、早産児、虚弱児、疾患やけがなど)
・身体障がい相談(視聴覚障がい、言語発達障がい、肢体不自由など)
・知的障がい相談(重症心身障がい、ことばの遅れなど)
・発達障がい相談(自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、学習障がいなど)
・非行相談(家出・暴力・性的逸脱などのぐ犯行為(※)、触法行為など)
・育成相談(不登校、しつけ、性格などに関することなど)
などを受け付けています。どの専門の窓口に相談すべきかわからない場合は、一時的な窓口として「子ども家庭支援センター」へ連絡してみてください。
※「ぐ犯行為」とは
【引用】保護者の正当な監督に服しない性癖のあることなど一定の事由があって、その性格または環境に照らして、将来、罪を犯す、または刑罰法令に触れるおそれのある少年の行為をいいます。(東京都福祉保健局HPより引用)
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」とは?
虐待と聞くと自分には関係ない、と思わるかもしれませんが、子どもにつらく当たってしまいそうなとき、手は出していないけれど手が出てしまいそう、ひどいことを言ってしまいそう、そのような状況が、気づかない間に虐待に繋がっていることもあります。心のモヤモヤや不安があれば、それらも相談ができ、また、近所で虐待が疑わしい家庭がある場合にも一報を入れることができます。詳しくはホームページをご覧ください。
虐待について考える、取り組むために
「オレンジリボン運動」は、オレンジリボンをシンボルとし、子どもにとって虐待のない社会を築くことを目指して活動している市民運動です。オレンジリボン運動を通して子どもの虐待の現状を伝えています。虐待について考えたい、何かできることはないかなという場合にはこちらも参考にしてみてください。詳しくはホームページをご覧ください。
認定特定非営利活動法人 児童虐待防止全国ネットワーク
電話が苦手。チャットやFAXなど相談する手段もいろいろ
いざそういった機関に相談しようとと思っても、結局どの機関がいいのかわからない。もしくは電話が苦手であったり、対面で話すのが苦手な人や、そもそも人に相談することや頼ること自体が苦手な方もいるかもしれません。そんな場合は、どのような手段でなら悩みを打ち明けられそうか、考えてみましょう。
電話が苦手なら文章にすると気持ちが整理できるかもしれませんし、長文を書くのが大変なときは、気軽に利用できるチャットタイプの育児相談サービスもあります。検索するときに「子育て 相談」に加えて「チャット」「メール」など、利用しやすい手段を含めて検索してみてくださいね。
相談員との相性が合わないこともあります。
相談していてもなんだか納得できなかったり、気持ちが楽にならないこともあるかもしれません。その場合、相談員との相性が悪いことが考えられます。相談の中でストレスが生じるようであれば、ほかの窓口へ変えてみましょう。自分のライフスタイルにあった選択ができるようにさまざまな機関や相談員に相談して、さまざまな選択肢に触れましょう。
悩みが具体的じゃなくてもいいの?
悩みが具体的にわからず、漠然としている場合は、ママやパパが抱える心の悩みである可能性が考えられます。その場合は、「子育て カウンセリング」から検索してみてはいかがでしょうか。子どものことにまつわるママやパパの抱える悩みに、専門のスタッフからアドバイスがもらえます。カウンセラーに打ち明けることで悩みが明確になり、次の具体的な対処法が見つかるきっかけになるかもしれません。
もっと周りを頼っていい! 子育ての相談先はたくさん
「親になったのだからこれくらい我慢しなきゃ」「大したことない悩みだからいいや」なんて自分の中に溜めこむのはやめましょう。
子どもの健やかな成長には、ママやパパの心身の健康はとても大切なことです。子育ての不安や悩みは溜め込むと、どんどん蓄積されていくものです。それらが煮詰まって、自分を見失う前に、周囲の人の意見や専門家、子育ての先輩たちの声を聞ける場所を探しましょう。
もちろんそのアドバイスを必ずすべて受け入れる必要はありません。相談員との相性があり、もらったアドバイスが自分に合っているとは限らないからです。ただ、話すだけでも他人とのちょっとした会話から子育ての新たな視点や、子どもとの新しい関係、自分自身の新しい気の持ち方が生まれるきっかけになるかもしれません。
もし相談しても「何だか違うかな?」と思ったらほかの窓口に相談するなど、なるべく軽い気持ちで利用してみてはいかがでしょうか。
子育ての悩みについて扱ったこちらの記事も参考にしてみてください。
さまざまな子育てのサポートを活用しよう
子育て中のモヤモヤを誰かに話したり共有するだけでも、なにか楽になるものがあるかもしれません。相談することですべてが解決するとは限りませんが、解決の糸口になるよう我慢せず相談するという手段も考えてみてはいかがでしょうか。ママやパパの抱える不安や悩みを受け止めてくれる機関やサービスが地域によって数多く存在しています。遠慮せず活用してみてくださいね。
参考
・全国児童家庭支援センター協議会、「児童家庭支援センターとは? 」
・厚生労働省、「児童家庭支援センターに関する資料 」
・厚生労働省、「第1章 児童相談所の概要 」
・厚生労働省、「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について 」
・認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク、「子ども虐待防止 オレンジリボン運動 」
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