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授乳中のママが食べてはいけないものは何?

【管理栄養士監修】授乳中のママが食べてはいけないものは何?

授乳中に食べてはいけないものを調べるとさまざまな情報が飛び交っており、混乱してしまうママも多いのではないでしょうか。食品や摂取量が母乳や赤ちゃんにどのように影響するのか、この記事では母乳育児中のママが気をつけるべき食べ物について解説します。
授乳中に食べてはいけないものを調べるとさまざまな情報が飛び交っており、混乱してしまうママも多いのではないでしょうか。食品や摂取量が母乳や赤ちゃんにどのように影響するのか、この記事では母乳育児中のママが気をつけるべき食べ物について解説します。

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授乳中に食べてはいけないもの

「産後の授乳中に食べてはいけないものはあるの?」と疑問に思っているママもいるでしょう。妊娠中も生ものやナチュラルチーズ、アルコールなど、食べたり飲んだりしてはいけないものや注意すべきものがあります。

授乳中も同様に気をつけたほうがいいものがありますが、妊娠中と授乳中では食べてはいけないものや注意したほうがいいものは異なります。

この記事では、授乳中のママが食べてはいけないものについて解説します。

授乳中の飲酒は引き続きNG

授乳中の飲酒は、妊娠中と同様に控えましょう。母乳は血液から作られているため、授乳中にアルコールを摂取すると母乳にも移行してしまいます。

赤ちゃんがアルコールを含んだ母乳を飲むことでどんな影響が出るかは、はっきりとわかっていません。しかし、摂取するアルコール量によっては赤ちゃんのホルモンバランスが崩れたり、意識障害になったりする可能性があるため注意が必要です。

また、授乳中に飲酒すると、ママのホルモンバランスが崩れて母乳の量が減ることがあります。「飲酒後に眠ってしまって、赤ちゃんが泣いているのに気づけなかった」といったこともあり得るため、授乳中の飲酒は控えたほうがよいでしょう。

授乳中にアルコールの入った食べ物は大丈夫?

酒粕や、お酒を使ったお菓子を食べても大丈夫なのか判断に迷うママもいるでしょう。

酒粕は、米を発酵させて日本酒を作る際に残った絞りかすです。酒粕100g中には8.2%のアルコールが含まれています。

出典:文部科学省「食品成分データベース」

酒粕を原料として甘酒や粕汁を作ると、加熱によってアルコールが飛ぶものもあれば、レシピや調理時間によっては若干アルコールが残る可能性もあります。そのため、授乳中は酒粕を使った料理は避けたほうがよいでしょう。

アルコールを含むお菓子には、ラムレーズン入りのアイスクリーム、ブランデーやラム酒などの洋酒を使ったゼリーや焼き菓子、ウイスキーボンボンなどアルコールを使ったチョコレートなどがありますね。

アルコール濃度は商品によってさまざまで、1%未満のものから4%近いものまで差があります。

アルコールを含むお菓子の多くは、アルコール濃度が低く、1回に口にする量も少ないですが油断は禁物です。商品によってはアルコールが多く含まれている可能性もあるため、パッケージでアルコール含有量を確認しましょう。

特に、子どもや妊娠中の人、運転をする人は食べないようにと記載があるお菓子はアルコール濃度が高い傾向があるため注意しましょう。

また、アルコール飲料とは違い、お菓子類には「酒類」の表示義務はなく、お菓子によっては「アルコールが入っています」や「お子様には与えないように注意」などの注意喚起がされている商品もあれば、そうではないものもあります。

商品に特別な注意喚起がない場合でもパッケージの原材料の表示を確認したり、店頭で購入する場合にも店員さんに確認したりしましょう。

もし食べてしまった場合は、2時間以上空けて授乳するようにしてください。

コーヒーや紅茶、チョコレートなどカフェイン入りの飲み物や食べ物

授乳中はカフェインを含む飲み物や食べ物をとってもよいとされていますが、量に注意しましょう。カフェインは一定の摂取量を超えると母乳に移行し赤ちゃんが興奮して眠れなくなると報告されているためです。

カフェインに対する体調への影響は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しく、日本では授乳中のママがカフェインを1日にどれくらいまでとっていいかという基準は設定されていません。

参考として、欧州食品安全機関(EFSA)は授乳中の女性については、

  • 1回当たりのカフェイン摂取 200mg以下
  • 習慣的なカフェイン摂取 200mg/日以下

であれば、健康に影響は生じないとしています。

コーヒー1杯(100ml)のカフェイン量が60mg程度、紅茶100mlのカフェイン量が30mg程度とされているので、1日にコーヒーや紅茶1〜2杯程度までの範囲で楽しむ分には問題ないでしょう。心配な場合やもっと沢山飲みたい場合はカフェインレスのコーヒーや紅茶、ノンカフェインのお茶などで代用するとよいでしょう。

出典:食品安全委員会 、『食品中のカフェイン 』

カフェインを含む飲み物の中でも、エナジードリンクは商品によってカフェインが300mg近く含まれるものもあるので注意が必要です。

そのほかに、コーラにもカフェインが含まれるため飲みすぎには気をつけましょう。

授乳中のカフェイン飲料についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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ココアやチョコレートに含まれるカフェインの量は?

ココア、チョコレートもカフェインを含みます。

カフェインの量の目安は下記のとおりです。

  • ココアパウダー(脂肪23%、5g):7mg
  • ミルクチョコレート(板チョコ1枚・50g):14mg
  • カカオマス70%以上のハイカカオチョコレート(板チョコ1枚・50g):42mg
出典:DELISH KITCHEN、チョコレートに含まれるカフェインの量はどのくらい?

欧州食品安全機関(EFSA)があげている授乳中のカフェイン摂取量を参考にすると、200mg以下の範囲内で楽しむ分には健康に影響は生じないとされています。

ただし、コーヒーや紅茶と一緒にチョコレートを食べていると、気づかないうちにカフェインを摂りすぎてしまう可能性もあります。食べる種類や量、飲み物との組み合わせには注意しましょう。

妊娠中にNGだったが授乳中はOKになるもの

妊娠中は食べられないものが多く、ストレスを感じていたママも多いのではないでしょうか。妊娠中は食べてはいけなかった食品でも、授乳中であれば食べられるものもあります。

魚や卵などの生もの

妊娠中は免疫が低下しているため食中毒にかかりやすかったり、細菌感染による早産のリスクがあったりするため、生ものは避けたほうがよいとされていました。

しかし、授乳中は寿司やお刺身などの魚や、生卵などの生ものを食べても問題ありません。

また、魚で心配される水銀量についても、母乳を通じて赤ちゃんが摂取する水銀の量は低いといわれているので、健康被害を過度に心配しなくてもよいでしょう。

授乳中は、妊娠中に控えたほうがよいとされていた生ものの多くを食べられるようになります。とはいえ、一般的に加熱をしない食品は細菌などが付着している可能性があるため、食中毒には引き続き気をつけましょう。

体調がすぐれないときや体の抵抗力が落ちているときなどはママの体調のためにも刺身などの生食は控えて、加熱したものを食べるようにしましょう。

どうしても不安な場合には、魚を食べる頻度を少し減らして、肉類や大豆製品などを取り入れてみてはいかがでしょうか。

出典:厚生労働省、妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて
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食べてはいけないイメージがあるはちみつは?

赤ちゃんが食べてはいけない食品として知られているはちみつですが、授乳中のママが食べるのは問題ありません。

はちみつに含まれるボツリヌス菌は大人の腸内では常在菌によってその働きが抑えられるため、食中毒を引き起こすことはありません。また、母乳はママの血液から作られますが、ボツリヌス菌の毒素が血液を介して母乳に移行することはないため、赤ちゃんに影響することはないのです。

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辛いものは?

授乳中にママがカレーなどの辛いものを食べても、それが母乳の味や栄養に影響を与えることはほぼありません。

しかし、カレーやキムチによく使われているにんにくの香り成分は、母乳に移行する可能性があります。「カレーを食べたあとに母乳をあげたら、赤ちゃんがいつもと違う反応をした」といった体験談は、この香り成分の影響だと考えられています。

赤ちゃんの様子が気になるときは、辛いものを食べたあとに時間を空けて授乳するなど工夫してみましょう。

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脂肪分の多い食品は避けるべき?

授乳中に食べてはいけないものとして、乳腺炎になりやすいという理由から、ケーキやチーズなどの脂肪分の多い食品が挙げられることがあります。

しかし、これらの食品と母乳の詰まりやすさを証明する研究は見つからず、日本助産師会・日本助産学会は「特定の食品の制限をしても乳腺炎の発症を予防できる根拠がないことが確認された」と述べています。

そのため、母乳のことを考えて脂肪分を制限したり、避けたりすることは勧められていません。

ただし、授乳期間中に母乳の出が悪くなったり、しこりができやすかったりということがあれば、専門家に相談しましょう。

出典:日本助産師会の乳腺炎ケアガイドライン(P.94)

積極的にとるべき栄養素はある?

授乳中、特にたくさん食べなければならないという食品はありませんが、授乳中の食事は、栄養バランスを意識しましょう。

ママと赤ちゃんの健やかな成長のためには、たんぱく質や脂質、鉄、カルシウム、葉酸など、妊娠前より多くの栄養素が必要になります。それぞれの栄養素が摂りやすい食品の一例を見てみましょう。

■たんぱく質

たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。特に、脂肪の少ない赤身肉や、魚はたんぱく質が豊富なので、積極的に摂りましょう。

また、乳製品にはたんぱく質のほかにカルシウムも多く含まれているため、こちらもおすすめです。

■脂質(DHA、EPA)

脂質の中でもDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、赤ちゃんの脳や体の発達に欠かせない栄養素です。

DHA、EPAを多く含む食品として、いわし、さば、ぶり、まぐろ、鮭などの脂の多い魚が挙げられます。

■鉄

鉄は、赤身肉や魚、レバー、卵などの動物性食品に多く含まれています。小松菜や納豆、切り干し大根などの植物性食品にも含まれますが、動物性食品のほうが鉄の吸収率がよいです。

■カルシウム

カルシウムは、小魚、桜エビ、牛乳やチーズなどの乳製品、厚揚げや納豆などの大豆製品、小松菜や水菜などの青菜に多く含まれています。

■葉酸

葉酸は、大豆製品、小松菜やブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜、果物類、海苔、レバーなどに多く含まれています。

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バランスの取れた食事を

産後はママ自身の食事に気が回らないこともあるため、授乳期にママの栄養が不足することもあります。栄養バランスが偏らないようにメニューを考えることが大切です。それには、主食・主菜・副菜の3つを取り入れることを意識する必要があります。

主食はごはんやパン、麺類など、主菜は肉や魚、卵などのメインメニュー、副菜は野菜やきのこ、海藻類を取り入れたメニューになります。たとえば、ごはん・さばの塩焼き・具沢山の味噌汁というのもよいですね。

できるかぎり栄養バランスを意識し、食生活に偏りがないように過ごしましょう。

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  • 授乳中のアルコールは避けカフェインは控えめに
  • 妊娠中はNGだったが授乳中は食べてもOKのものもある
  • バランスのよい食事を心がける

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