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【医師監修】妊娠中は腰痛が起こる?妊娠初期から後期の腰痛の原因と対策を紹介

【医師監修】妊娠中は腰痛が起こる?妊娠初期から後期の腰痛の原因と対策を紹介

妊娠中でまだおなかも大きくなっていないのに腰の痛みが。妊娠後期に起こりがちな腰痛ですが、初期にも起こることがあります。この記事では妊娠中の腰痛の特徴や対処法について解説します。初期と後期の腰痛の違いについて分かりやすくまとめているので参考にしてみてください。
妊娠中でまだおなかも大きくなっていないのに腰の痛みが。妊娠後期に起こりがちな腰痛ですが、初期にも起こることがあります。この記事では妊娠中の腰痛の特徴や対処法について解説します。初期と後期の腰痛の違いについて分かりやすくまとめているので参考にしてみてください。

妊娠中の腰痛はなぜ起こる?

妊娠中の腰痛はいつから起こるのでしょうか?妊娠でおなかが大きくなるにつれて、腰への負担が増すことはイメージしやすいかもしれません。

体型の変化以外にも、骨盤に緩みが生じたり、便秘がちになることで腰痛が起こることがあります。まずは妊娠時期別にみられやすい腰痛の原因についてみていきます。

妊娠初期の腰痛の原因は「女性ホルモン」

妊娠初期(妊娠0週から15週まで)にみられる腰痛の原因と考えられるのが、リラキシンホルモンという女性ホルモンによるものです。

リラキシンは出産に備えて、妊娠中から少しずつ骨盤の靭帯をゆるめる作用があります。骨盤の靭帯がゆるくなると、可動域が大きくなるため腰の痛みを感じることがあります。

また、妊娠によりプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増えると腸の運動の低下や腸の水分量の変化などで、便秘がちになることがあります。

腸内で滞った排泄物によりおなかの圧迫が起こると血行不良になり、腰痛が起こることも。

妊娠初期の腰痛の程度は個人差があり、ほとんど痛みを感じない人もいれば、ひどい痛みも感じる人もいます。妊娠が原因の腰痛ではない場合もあるため、自己判断せずかかりつけ医に相談しましょう。腰痛がひどい場合は、原因に沿った対処法を考えましょう。

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妊娠中期からの腰痛の原因はさまざま

妊娠中期(妊娠16~27週)は少しずつおなかが大きくなり始める時期。この時期に腰痛が起こる原因で多いのは、体型の変化によるものです。

妊娠中期以降は、胎児の成長により重くなった腹部を支えるために、背中を反らす姿勢をする妊婦さんも多くいます。

曲げたままの状態になると、体の重心の位置がかわり、背筋の緊張が続くため、腰の痛みを生じることがあります。また、子宮が大きくなるにつれて、おなかの中で圧迫が起こり骨盤内の血液循環が悪くなることも腰痛の原因です。

赤ちゃんのことを一番に考えて

妊娠中に限らず腰痛対策として挙げられるのが体重管理。体重が軽くなれば、腰への負担も軽くなりますが、妊婦さんが安易にダイエットするのは適していません。

日本の20代30代の若い女性は、やせ型の人が多く、妊娠や出産への影響が懸念されています。例えば、やせ型の女性が妊娠して、体重増加が十分でないと、おなかの赤ちゃんが低出生体重児で生まれてくるリスクが高くなる恐れがあります。

妊娠中の体重増加は自然なことなので、元気な赤ちゃんを生むためにも、適切な範囲で体重増加をしましょう。

詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

腰痛の対策は?

心身の変化を感じる妊娠中は、腰の痛みを辛く感じてしまうものです。妊娠中は気軽に痛み止めなどの薬を飲めないので、日常生活の中で対策したい人もいるでしょう。ここでは妊娠中の腰痛対策についてみていきます。少し工夫することで、妊娠中の腰痛緩和につながるので、参考にしてみてください。

体を温める

骨盤内の圧迫により血行不良が原因で起きている腰痛は、体を温めることで痛みがやわらぎます。

体を温めることで血行をよくすることができるためです。体がリラックスしやすくなることで、筋緊張による腰の痛みも和らげられます。

体を温める方法には薄着を避けたり、お風呂に浸かったりする方法があります。そのほかに、妊娠中でも無理の無い適度な運動をすることで、血行を促したり気分をフレッシュしたりする効果が期待できるのでおすすめです。運動を行う際は妊娠の経過に個人差があるため、必ずかかりつけ医に相談し、許可をもらったうえで行うようにしてください。

カイロは貼ってもいい?

局所を手軽に温めるのに便利なカイロですが、妊娠中に使用してもよいのか気になるところ。

妊娠中の腰痛に対してカイロを使用して問題はありません。普段使うときと同じように、衣類の上から貼り、低温やけどに注意することが大切です。

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妊婦向けの簡単なストレッチや体操を行う

妊娠中つわりや体型の変化、妊娠の経過によっては運動が難しいこともあります。妊娠中の腰痛対策に運動を取り入れるのなら、ストレッチやマッサージ、マタニティヨガなど比較的負荷の軽い運動がおすすめです。

例え簡単な体操でも、運動を行う際は妊娠の経過に個人差があるため、必ずかかりつけ医に相談し、許可をもらったうえで行うようにしてください。

妊娠による腰痛でおすすめなのが、自宅ですぐにできる妊婦体操です。妊婦体操は、骨盤筋を鍛えたり、腰や背中の痛みを和らげるポーズを組み合わせているのが特徴です。運動不足になりがちな妊娠中でも、自宅で手軽に始められ、無理なく筋肉を鍛えられます。

妊婦体操や妊娠中の運動ついてさらに詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。

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負担のかからない姿勢や寝方を工夫する

腰痛はさまざまな要因によって起こりますが、座りっぱなしなど長時間同じ姿勢を取ると、腰の痛みが増すことがあります。

腰痛がツラいときは、とにかく自分が楽と感じる姿勢で休むことが大切です。特に、妊娠中はおなかが大きくなり体の重心が前方に移動し、バランスを取ろうとして反り腰になりやすいので、腰痛時に仰向けになると腰が浮いてしまい苦しく感じることがあります。

妊娠中に腰痛がみられるときは、寝方も工夫しましょう。一般的に腰痛時は、横向きになると楽になると感じやすいものです。妊娠中の腰痛対策として適度な硬さのマットレスを選ぶのもおすすめです。

普段の生活でも、腰に負担がかからないように、ハイヒールや厚底靴ではなく基底面が広いかかとが低めの靴を履くようにしましょう。

腰痛や骨盤支持ベルトを使う

妊娠中に腰痛で悩んでいるのなら、骨盤支持ベルトを使用するのも有効です。腰周りをベルトで固定することで、おなかの痛みがやわらぎ、良い姿勢が保ちやすくなるためです。ただし、妊娠中におなかを締め付け過ぎるのは、血流に影響を与えるため良くありません。

妊娠中の腰痛で骨盤のサポート用にベルトを使うのなら、マタニティ用のものを使用するのが適しています。おなかの締め付けが気になる人は、使用前にかかりつけ医に相談してみましょう。

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骨盤支持ベルトに抵抗がある人は、腹帯(はらおび)を使用してみるのもよいかもしれません。腹帯はあくまでおなかを温めるものですが、おなかを支える効果もあります。

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抱き枕やクッションなどを使う

妊娠中の腰痛を軽減するための対処法として最も簡単なのは、横になることです。

妊娠中に反り腰により腰痛が起こっている場合、仰向けになり腰の下の隙間にクッションを入れる人もいるかもしれませんが、この方法は一時的には腰の痛みが軽減するように感じますが、反った腰そのものが改善するわけではありません。

妊娠中の腰痛を軽減するには、横向きになり背中を少し丸くしましょう。足のあいだに抱き枕やクッション、布団などを挟むと、股関節の過剰なねじりを防ぐことができます。

湿布は貼ってもいい?

妊娠中の腰痛を改善するため、湿布薬を使用したいと考えている人もいるかもしれません。湿布薬は局所に作用するものですが、妊娠中は自己判断で使用しないようにしましょう。

湿布に含まれている消炎鎮痛成分の中には、赤ちゃんの心臓に影響を与えるものがあります。妊娠中にも使用できる成分もあるので、かかりつけ医に処方された湿布を使用するなど、医師に確認しましょう。鎮痛薬も同様に必ず自己判断で使用しないようにしましょう。

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腰痛が辛い場合は病院を受診しましょう

妊娠中の腰痛がひどいときや辛い場合は、妊娠以外にも別の原因があるかもしれません。

予防や対策を行っていても、妊娠による腰痛が改善しない場合は、自己判断せず治療を受けることが大切です。腰痛というと「整体」と考える妊婦さんもいるかもしれませんが、まずはかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

腰痛以外の症状がある場合は注意

妊娠中の腰痛は身近なマイナートラブルですが、流産により症状が現れていることがあります。不正出血や腹痛など妊娠中の腰痛以外にも症状がみられる場合は、切迫流産の可能性も考えられます。

妊娠中の腰痛は誰でも起こりやすい症状であるため、緊急性を見過ごしてしまうこともあるかもしれません。腰の痛みがみられるときは、そのほかの症状がないかどうかも確認しましょう。

  • 妊娠中は体型の変化だけでなく、女性ホルモンの影響で腰痛が起こりやすい
  • 妊娠中の腰痛は、妊婦体操など日常生活を工夫することで症状を緩和できる
  • 腰痛以外にもほかの症状がある場合は、早めに医療機関へ受診しよう

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写真提供:ゲッティイメージズ

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