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羊水の役割は?トラブルを避けるためにはどうすればいい?知っておきたいことをわかりやすく解説!

【医師監修】羊水の役割は?赤ちゃんに必要な理由・トラブルの対処法も解説!

「羊水」という言葉を聞いたことはあっても、それがどのようなもので、どのような役割を果たしているかまで理解している人はそれほど多くありません。

羊水は赤ちゃんにとって命の水といっても過言ではなく、量や質に異常が見られると赤ちゃんに影響することもあります。

この記事では、羊水の役割や量・成分などのほか、羊水にまつわるトラブルとその対処法・羊水のトラブルを避けるために気を付けることも解説します。

羊水についての理解を深めたい人はぜひ参考にしてくださいね。

「羊水」という言葉を聞いたことはあっても、それがどのようなもので、どのような役割を果たしているかまで理解している人はそれほど多くありません。

羊水は赤ちゃんにとって命の水といっても過言ではなく、量や質に異常が見られると赤ちゃんに影響することもあります。

この記事では、羊水の役割や量・成分などのほか、羊水にまつわるトラブルとその対処法・羊水のトラブルを避けるために気を付けることも解説します。

羊水についての理解を深めたい人はぜひ参考にしてくださいね。

羊水とは?

羊水の役割は?トラブルを避けるためにはどうすればいい?知っておきたいことをわかりやすく解説!

羊水は妊娠中のママの子宮内を満たす液体で、赤ちゃんはその中に浮かぶようにして存在しています。

まずは羊水の役割などをみていきましょう。

羊水の役割

羊水には、赤ちゃんと子宮の壁の間を満たすクッション材の役割があります

子宮内が羊水で満たされていることで、ママが万が一転んだり、おなかに何か当たったりしても、赤ちゃんに直接衝撃が伝わらないようになっているのです。

また、羊水には、赤ちゃんが手足を動かすトレーニング場の役割もあります。子宮内が羊水で満たされていると、赤ちゃんが手足を動かすだけの十分なスペースが生まれます。そのなかで手足を曲げ伸ばししたり、体を回転させたりしながら、骨や筋肉を発達させていくのです。

妊娠時期が進むと、赤ちゃんは羊水を飲んだり吐いたりして呼吸の練習も始めるんですよ。

羊水の色やにおい

妊娠初期から中期までの羊水は無色または淡い黄色です。にごりはないか、あってもごく薄いとされています。

においはないことが多いですが、まれに生臭いにおいがすることもあります。

出産が近くなると、赤ちゃんが羊水のなかにうんちを出すため、羊水がにごることがあります

羊水の成分

妊娠初期の羊水は、赤ちゃんを包む羊膜や赤ちゃんの皮膚からしみだしてきたものです。

しかし、妊娠時期が進むにつれ赤ちゃんの尿が大半を占めるようになります。

基本的に、赤ちゃんの老廃物は臍帯(へその緒)を通じてママの体に送られ、羊水は常に新しく作られているので、きれいな状態が保たれています。

羊水の量

羊水の量は、妊娠週数によって変わります。

最も多くなるのが妊娠30~35週頃で、その量は約800mlにもなるんですよ。妊娠40週頃になると量が減り、500ml程度になります。

羊水の量は、超音波検査で調べることができます。赤ちゃんと子宮の壁が最も離れている場所の距離を調べることで、羊水量がどの程度かを予測します。

羊水は多すぎても少なすぎてもよくない

羊水の量は、多すぎても少なすぎてもよくないといわれています。

妊娠中期以降は羊水の大半が赤ちゃんの尿になるため、量が適切でないと、赤ちゃんの腎臓などにトラブルが起きていることが考えられるのです。

羊水量は超音波検査である程度予測できるので、妊婦健診をきちんと受けて異常がないかチェックしてもらいましょう。

妊娠中に気を付けたい羊水のトラブル

羊水の役割は?トラブルを避けるためにはどうすればいい?知っておきたいことをわかりやすく解説!

ここからは、妊娠中に気を付けたい羊水のトラブルを解説します。

羊水過多症

羊水過多症は、なんらかの原因で羊水量が800mlを上回ってしまうトラブルです。羊水が多すぎる場合、赤ちゃんが飲みこむ・吸収する羊水の量より、排出する量が多いことが考えられます。

消化器や脳神経などに異常があることも考えられるため、検査で原因を調べなければなりません。

多くの場合、羊水過多と診断されても自然に治りますが、必要に応じて羊水除去をおこなう必要があります。

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羊水過少症

羊水過少症は、羊水が100mlよりも少なくなってしまうトラブルです。

羊水が少なくなってしまうと、赤ちゃんの発育に影響が出たり、帝王切開での出産になる場合があります。

羊水過少症の原因として、胎盤機能不全や過期妊娠(42週以上の妊娠)、破水などが考えられています。

羊水過少と診断された場合は原因を特定し、こまめに超音波検査で羊水の量をチェックすることが大切です。

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羊水混濁

出産が近くなると、赤ちゃんはおなかの中でうんちをしはじめます。

羊水にうんちが混ざると羊水がにごり、羊水混濁と呼ばれるトラブルがおこりやすくなります

羊水混濁は妊娠週数が進むと起こりやすくなり、分娩中に赤ちゃんがうんちを含む羊水を飲みこんでしまうと「胎便吸引症候群」を発症して呼吸困難に陥ってしまうことがあるため注意が必要です。

羊水混濁そのものは自然に起こるものなので、赤ちゃんが元気であれば特別な処置は必要ありません。

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羊水の異常には羊水が多すぎる、逆に少なすぎる、といった場合がありますが、
「羊水が濁っていること」もあげられます。
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羊水塞栓症

羊水塞栓症は、羊水がママの体の中に流れ込むことで、ママに肺高血圧症や呼吸器障害を引き起こすトラブルです。

一般的に分娩中や分娩後に起こります。

羊水塞栓症になると、呼吸困難や低血圧、頻脈、低酸素症などの症状が起こります。

原因として考えられるのは、帝王切開や多胎妊娠、高齢出産、常位胎盤早期剝離、前置胎盤、羊水過多、子宮破裂などですが、詳しいことはまだ解明されていません。

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羊水のトラブルを防ぐには?

羊水の役割は?トラブルを避けるためにはどうすればいい?知っておきたいことをわかりやすく解説!

羊水のトラブルを防ぐには、生活習慣に気を配り、健康に過ごすことが大切です。食事は1日3食、栄養バランスの整ったものを食べましょう。

また、ストレスを溜め込まず適度に発散して、ゆったりと毎日を過ごすことも心がけてくださいね。

羊水に関するよくある質問

ここからは、羊水にまつわるよくある質問をまとめています。

クエスチョン吹き出し

羊水検査はどのようなときに行うの?

  • クエスチョン回答吹き出し

    基本的におなかの赤ちゃんに染色体異常などの可能性が高い場合に受けます。

    羊水検査は、羊水をとりその中の細胞を回収して、染色体の異常を調べる検査です。羊水検査には少なからずリスクもあり、希望したママすべてに行えるわけではありません。検査を受ける前から遺伝カウンセリングを受け、十分なサポート体制のもとカップルで相談し、結果に対する準備をしておく必要があります。

クエスチョン吹き出し

妊婦健診で羊水が多いと言われたらどうしたらよい?

  • クエスチョン回答吹き出し

    羊水過多を起こす原因により治療方法は異なります。

    ママの妊娠糖尿病が原因の場合は、血糖をコントロールする治療をします。羊水過多では前期破水(※)や早産となりやすいので、必要に応じて入院し安静にして妊娠を続けられるようにします。一方、自然に軽快することもあるため、経過観察のみの場合もあります。※前期破水:陣痛が来る前に破水してしまうこと。

日本産婦人科医会,「35.羊水過多」,2024/11/11閲覧
クエスチョン吹き出し

羊水が少ない場合はどうすればよい?

  • クエスチョン回答吹き出し

    おなかの赤ちゃんの様子を注意深く観察していく必要があります。

    羊水過少のおもな原因は、おなかの赤ちゃんのおしっこが減ることや、前期破水などで羊水が漏れ出てしまうことが挙げられます。原因不明のケースもあります。妊娠中期以降では約半数がおなかの赤ちゃんの異常によるもの、約3割が前期破水です。妊娠後期では前期破水や胎盤機能不全によるものが多いとされています。羊水過少でおなかの赤ちゃんの異常が診断された場合、ときにママとパパは厳しい選択をしなければならないことがあります。一緒によく考え、決断していく必要があります。

クエスチョン吹き出し

羊水が劣化するって本当?

  • クエスチョン回答吹き出し

    羊水が濁ることはありますが、劣化することはありません

    正常な妊娠経過をたどっていれば、羊水が腐ったり劣化したりすることはありません。子宮内感染や胎児の状態によって羊水が濁ることはありますが、妊婦さんの年齢によって羊水の質が下がるようなことはないので安心してください。

羊水は赤ちゃんにとっての命の水!

羊水は、赤ちゃんを衝撃から守るクッション材であり、体の動かし方や呼吸の仕方をトレーニングするスペースでもあります。

赤ちゃんにとって「命の水」といっても過言ではないでしょう。

羊水が多すぎたり少なすぎたりすると赤ちゃんに影響が出ることがあるため、忘れずに妊婦健診を受けて定期的にチェックしてもらってください。

羊水のトラブルを避けるためにも、妊娠中は健康に留意して過ごせるとよいですね。

  • 羊水は赤ちゃんを守るクッション材
  • 赤ちゃんは羊水の中で体を動かすトレーニングをしている
  • 羊水は無色透明・無臭のことが多い
  • 羊水の量は妊娠30~35週頃に最も多くなる
  • 妊婦健診を欠かさず受け、定期的に羊水量をチェックすることが大切

【注意事項】
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本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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