トモニテ
受精から着床までの妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

【医師監修】受精から着床までの妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

お母さんのお腹の中では、受精から着床までどんな現象が起こるのか、妊娠の仕組みを知っていますか?

「赤ちゃんを授かりたい」と、妊活していても、なかなか妊娠できず悩んでいる人も多いはず。

今回は受精から着床までの妊娠の仕組みや、妊娠すると現れる症状を解説します。

妊娠の確率や、妊娠しやすい条件も紹介するので、妊活に役立ててくださいね。

お母さんのお腹の中では、受精から着床までどんな現象が起こるのか、妊娠の仕組みを知っていますか?

「赤ちゃんを授かりたい」と、妊活していても、なかなか妊娠できず悩んでいる人も多いはず。

今回は受精から着床までの妊娠の仕組みや、妊娠すると現れる症状を解説します。

妊娠の確率や、妊娠しやすい条件も紹介するので、妊活に役立ててくださいね。

妊娠のしくみ

受精から着床までの妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

妊娠とは、受精卵や受精卵から成長した胎児がお母さんのお腹にいる状態をいいます。

妊娠までの流れを簡単に説明すると、女性の「卵子」と男性の「精子」が出会い「受精」します。

受精すると「受精卵」となり、子宮の中を移動し、子宮内膜に到着した受精卵が「着床」すると「妊娠」が成立します。

全てのタイミングがそろうことで、初めて妊娠に至ります。

受精とは|妊娠の成立について

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

妊娠は卵子と精子が出会う「受精」と、受精卵が子宮内膜に根を張る「着床」が重要です。

受精と着床それぞれの時期や体に起こる変化を理解すれば、妊娠したかどうかの目安になります。受精と着床、それぞれの特徴を解説します。

受精とは

受精とは、女性の卵子と男性の精子が出会い受精卵になる過程のことです。

卵子は、月経周期に合わせて卵巣から排出され卵管を進みます。性交・射精により女性の中に入った1億個以上といわれる精子は、卵管の卵子へと向かいます。

卵管で出会った卵子と精子によって受精が行なわれます。卵子と一緒になれる精子は、たった1つです。1つの精子が卵子に入ると、他の精子は中へ入れなくなります。

受精卵は、着床のため卵管から子宮内膜を目指します。

受精の時期

受精しやすい時期は、排卵後の6〜8時間といわれており、妊娠したいと考えるのであれば排卵日を知ることが重要です。

月経周期が28日の場合、排卵日は最後の生理開始日から2週間後とされています。生理が不規則な人や遅れやすい人は、排卵日の確定が難しいでしょう。

基礎体温を測ったり、排卵日予測検査薬を使用したりして排卵日を予測するといいですね。受精しやすい時期である排卵日を知り、妊娠しやすい条件を揃えましょう。

また、卵子の寿命は排卵後24時間、精子の寿命は72時間ほどです。妊娠を望む場合、排卵日前後数日の間に性行為をすることで妊娠の可能性を高められるでしょう。

受精時期に起こる体の変化

卵子と精子が受精するころには、ホルモンバランスの変化により、体にさまざまな変化が起こります。どれもちょっとした体の変化なので、気づかない人もいるでしょう。

ホルモンの変化により起こる、体の変化を知っておきましょう。

眠気

排卵日後、眠気を感じる人がいます。

これは排卵後、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンが増加するためです。

プロゲステロンには、受精卵が着床しやすいように、子宮内膜を維持する働きがあります。一方で、体温を高める働きもあるため頭がぼーっとしたり、眠くなったりすることがあります。

生理前後、妊娠初期の症状として眠気を感じるのはプロゲステロンの分泌量の変化が影響しています。

腰痛

排卵〜着床の時期に腰痛を感じる人もいます。腰痛も女性ホルモンバランスの変化が関係しています。

子宮内膜は、生理直後は1mm程度ですが、エストロゲンという女性ホルモンの影響で10mm前後まで厚みを増します。

その後、排卵後〜生理前は受精卵が着床しやすいようにプロゲステロンが子宮内膜をふかふかにします。

この子宮内膜の変化の時期に、腰痛や腰の違和感として感じる人もいます。生理前の症状と認識し、気づかない人も多いでしょう。

頭痛

頭痛も受精時期に起こる体の変化です。

女性ホルモンのプロゲステロンは、眠気を強くする効果もありますが、血管を広げる作用もあります。

脳の血管が広がると、周囲にある神経が刺激され頭痛を引き起こすことがあります。

頭痛も個人差があり、少し痛む程度から、痛み止めを飲まないと我慢できない痛みまでさまざま。

体調の悪いときは無理せず休むようにしましょう。

おりものの状態

受精の時期にわかりやすく変化するのが「おりもの」です。

お母さんのお腹の中で受精卵ができるころは、女性ホルモンが増加します。女性ホルモンの影響で、おりものもいつもの状態から変化します。

いつもはおりものがほとんど出ない方でも急に増えたり、逆に量が減ったりする人も。さらに、おりものがさらさらして色が白っぽく変化したり、においが変わったりと変化を実感する人が多いようです。

妊活中は、おりものの変化がないか気をつけておきましょう。

着床とは|妊娠の成立について

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

着床とは、受精卵が子宮内膜にくっつき妊娠が成立することをいいます。

卵子と精子が出会い受精卵ができると、卵管を通り子宮内膜にたどり着きます。

ふかふかのベッドのように厚みを増した子宮内膜は、受精卵をキャッチ。受精卵は子宮内膜に根を張り、大きくなります。

受精卵ができただけでは妊娠しません。着床することで妊娠が成立し、受精卵が育ち赤ちゃんになっていくのです。

着床の時期

着床の目安は月経周期が28日の人なら、最後に生理が始まった日から3週間後とされています。

受精卵は1週間から10日をかけて子宮内膜にたどり着き、着床をはじめます。お母さんに着床しづらい原因がない限り、着床完了するのは約12日後です。

生理が不規則な人や、月経周期が長い人は予測が難しいでしょう。その後順調に受精卵が育つと、着床を開始してから10日前後で妊娠しているかがわかるでしょう。

着床時期に起こる変化

お腹の中で受精卵が着床するころには、お母さんの体はさまざまな変化がおこります。

着床したか確認する方法はありませんが、症状によって着床しているか予測することはできます。着床時期におこる体の変化を知り、着床しているかどうかの目安にしましょう。

出血

受精卵が子宮内膜にくっつくときに、少量の出血が確認できることを「着床出血」といいます。

着床出血は生理予定日あたりにみられることが多いですが、1〜2日の短い期間です。生理のように長く続きません。

着床出血の色は生理のような鮮血ではなく、ピンク色やうすい茶色をしています。

調査により異なりますが、着床出血を経験した妊婦さんは約10%〜30%程度とすべての妊婦におこる症状ではありません。

生理予定日あたりに少量の出血が1〜2日確認できたら、着床している可能性が高いでしょう。

下腹部痛

この時期に下腹部痛を感じる人もいるようです。

「着床痛」は着床にともなう痛みだといわれていますが、受精卵は1ミリ程度。受精卵はとても小さく、実際に着床にともなう痛みはないと考えられているため、着床痛に医学的根拠はありません

受精卵が着床するころに痛みを感じる人が多いのは、子宮が収縮するためと考えられています。

高い体温が続く

受精卵が着床すると、体温が高い状態が続きます。排卵や妊娠を知るうえで、基礎体温は重要な基準になります。

女性ホルモンが分泌され排卵すると、基礎体温は上昇。生理が始まるころは、高かった基礎体温がガクッと下がります。

しかし、着床し妊娠しているときは、女性ホルモンの分泌が続くため基礎体温が高い状態が続きます

2週間以上体温が高い状態が続くなら、妊娠の可能性が高いといえます。妊娠検査薬で検査をしてみましょう。

生理がこない

着床時期におこる変化として一番わかりやすいのが「生理がこない」ことでしょう。

受精卵が着床しやすいように、子宮内膜はふわふわのベッドのように厚くなります。受精卵が着床しなかった場合、子宮内膜は剥がれ落ち、出血として体外へ排出されます。これが生理の仕組みです。

受精卵が着床していると子宮内膜は赤ちゃんを包み込む膜になるため、生理はおきません

規則正しく生理がきている人は、1週間ほど生理が遅れれば着床し妊娠している可能性が高いでしょう。

妊娠の確率

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

妊娠は、卵子と精子などのすべてのタイミングがそろい、はじめて妊娠します。

排卵日あたりに性交渉を行なうと、自然妊娠の確率は20〜25%だといわれています。妊活を続けた場合、約半年程で80%、1年で90%が妊娠するというデータもあります。

ただし、自然妊娠の確率は年齢が大きく関係しており、女性は35歳をすぎると急激に低下します。

一般社団法人日本生殖医学会によると、不妊症で悩んでいる人の割合は、25〜29歳は8.9%なのに対し、30〜34歳では14.6%、35〜39歳21.9%、40〜44歳では28.9%と増加。

年齢に伴い、自然妊娠する確率が減っていきます。

参考:一般社団法人日本生殖医学会 http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa22.html

妊娠しやすい時期

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

排卵するタイミングで性交渉を行なうと、妊娠しやすいです。

妊娠しやすい時期は、排卵日4日前〜排卵日当日までの5日間とされています。

そのなかでも、排卵日の2日前と排卵日前日の2日間は妊娠の可能性が最も高いとされています。

妊活中で産婦人科を受診している人なら、超音波検査などで排卵日を予想するのでずれることは少ないですが、そうでない場合、毎月生理がきっちりきている人でも排卵日を予測するのは難しいでしょう。

卵子の寿命は24時間、精子の寿命は72時間と言われています。

予想する排卵日の前2日以内に性行為があると妊娠の可能性が高まるでしょう。

自分で排卵のタイミングを知りたいなら「排卵検査薬」というキットもあります。薬局で購入できるので、うまく取り入れましょう。

妊娠した・妊娠の可能性がある時の過ごし方

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

ここからは、「妊娠したかな?」と思ったら、赤ちゃんのために気をつけたいことをご紹介します。

基本は普段通りに過ごす

妊娠が発覚するまでは、普段通りすごしましょう。

妊活をする場合は、妊娠する前から規則正しい生活を心がけるとなおよいでしょう。しっかり睡眠をとり、栄養バランスのとれた食事、適度な運動を心がけてください。

アルコールや喫煙は妊娠する前から控えるとよいでしょう。とくに妊娠中の喫煙は、流産や早産のリスクが高まります。

妊娠が判明する前のアルコールの摂取や喫煙は、影響しないと考えられていますが、妊活中から禁酒・禁煙を始められるとよいですね。

関連記事
この記事では、妊娠初期のママが注意したい行動や妊婦の生活習慣について解説します。妊娠がわかるまでの飲酒や喫煙、頭痛薬などの服用など、流産や胎児に影響するのかや、流産の兆候や症状、妊娠初期に注意したい行動・生活習慣についてご紹介します。

妊娠検査薬で妊娠の有無を確認する

妊娠の可能性があったら、妊娠検査薬を使い妊娠の有無を確認しましょう。

妊娠検査薬を使う際は、早すぎても正しい検査結果が得られません。一般的な妊娠検査薬であれば、生理予定日の1週間後に使用しましょう。

産婦人科を受診する

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、生理予定日から2週間後を目安に病院を受診しましょう。

生理が28日周期なら妊娠6週目になります。あまり早く受診すると、赤ちゃんが入っている袋(胎嚢)しか確認できません。

妊娠確定は心拍の確認ができてからになるため、心拍が確認できないと再診が必要となります。

心拍の確認までは流産の可能性もあるため、次の診察まで不安を感じる人が多いでしょう。

心拍は一般的に、妊娠5〜6週目あたりに確認できるようになるので、腹痛や出血がなければ生理予定日から2週間後あたりに病院を受診しましょう。

妊娠届出書を提出し母子健康手帳(母子手帳)をもらう

病院で赤ちゃんの心拍が確認できたら、病院から妊娠届出書が発行されます。

妊娠届出書をもらったら、住んでいる市区町村の役所に提出し母子健康手帳(母子手帳)を受け取りましょう

身分証明書やマイナンバーカードの提示が必要な場合があるので、事前に確認しておくと安心ですね。

母子健康手帳と一緒に「妊婦健康診査受診券」、いわゆる妊婦健診の補助券・クーポンがもらえます。

妊婦健診・血液検査の費用を市町村が一部負担してくれるので、妊婦健診には母子健康手帳と一緒に必ず持参しましょう。

妊娠検査薬の正しい使い方

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

妊娠したかなと思ったら、生理予定日を1週間ほどすぎてから妊娠検査薬を使用しましょう。

使用目安の時期より早く検査する(フライング検査といいます)と正確な結果が得られないことがあります。

妊娠検査薬は、受精卵が着床すると分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を検知して妊娠の有無を判定します。

hCGが尿の中に検出されはじめるのは妊娠4週頃から。生理予定日の約1週間後からhCGの分泌量が大きく増え、この時期に検査することで妊娠検査薬で正確に検知できます。

市販の妊娠検査薬は正しいタイミングと方法で使えば、99%の精度があるとされています。妊娠検査薬を使う時期が早すぎると、本当は妊娠しているのに陰性と判断されることがあります。

「早く妊娠しているか確かめたい!」と思うかもしれませんが、妊娠検査薬は生理開始予定日から1週間前後を目安に使用しましょう。

妊娠がわかったら気をつけること

受精から着床まで~妊娠しやすい条件は?妊娠の仕組みや体の変化を解説

妊娠がわかったら、ママの心と体が変化します。

妊娠がわかったら気をつけたいことを紹介します。パートナーとも理解を深めていきましょう。

生活習慣

妊娠がわかったら、生活習慣の見直しが必要な場面が出てきます。

例えば、お酒やタバコの習慣があったママは、禁酒・禁煙が必要になります。

また、妊娠すると服用できる薬が限られるため、頭痛薬やアレルギーの薬など日常的に薬を服用している人は注意が必要になります。

特に、ママだけでなく家族に飲酒・喫煙の習慣がある場合、ママだけの禁酒・禁煙はストレスになることもあるため、パートナーや家族と協力して取り組んでくださいね。

運動や体に負担がある行動は控える

妊娠したらできるだけ体に負担がかかる行動は控えましょう

妊娠12週目までの初期に起こる流産は、多くの場合受精卵の染色体異常などが原因です。

しかし、流産してしまうと、自分の行動や習慣が原因と考え、自分を責めてしまいがちです。また、妊娠初期は倦怠感や頭痛・腰痛など、体調不良になることもあります。

普段通りの生活を行いつつ、体に負担がかかることは避けて過ごせるとよいでしょう。

妊娠は着床ではじめて成立!体を労わってすごそう

受精から着床までの流れや、妊娠した後の体と心の変化について紹介しました。

卵子と精子が出会い、受精卵が着床しないと妊娠は成立しません。タイミングやその時の体の状態にも影響されるため、体の中での奇跡的なイベントといえますね。

妊娠の仕組みを理解すれば、妊活にも役立つことでしょう。妊娠する確率や、妊娠しやすい条件を参考にしながら、今後の妊活に役立ててくださいね。

  • 妊娠は受精卵が着床して初めて成立する
  • 受精から着床前後はホルモンバランスにより体調に変化がでる
  • 妊娠の可能性があったら妊娠検査薬で確認しよう
  • 妊活中は生活習慣を見直してみよう