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鼻をかむ子ども

【小児科医ママに聞く】Q. 子どもの鼻水がずっと出ています

A. 鼻水はこまめに取ることが何より大切です。 色のついた鼻水が1週間以上続くなら受診を

 風邪だけでなく、埃や空気の乾燥や冷たさによっても鼻水は出ますね。その原因は鼻粘膜が刺激されるせいですが、では風邪をひくと鼻水が出るのはなぜでしょうか。

 私たちは常に呼吸をしていますから、空気が出入りする気道には様々な異物が入ってきます。 だから、鼻毛によって大きな異物の侵入を防ぎ、粘液や線毛によって小さな異物を外に出すという仕組みになっているのです。それでも防ぎきれなかったウイルスなどの異物が体内に入って感染すると、気道で炎症が起こって粘膜が腫れ、鼻が詰まったり、鼻水が出たりするというわけ。鼻水には、ウイルスや細菌などの異物を外に追い出すという役目があります。

 鼻水は、透明でサラサラした「水様性鼻汁」のこともあれば、黄色や緑色でドロドロとした 「膿性鼻汁」のこともあるでしょう。黄色や緑色の鼻水は、ウイルスや細菌と戦うために血液中から出てきた白血球とその壊れたもの、ウイルスや細菌の死骸を含んだ液体です。最初は透明だった鼻水の量が次第に少なくなり、色がついてきて治るのは普通ですから心配ありません。

 鼻水をすすると炎症が長びくのですすらないよう伝え、鼻をかめる子は頻繁にかませて、鼻をかめない子は大人が取ってあげて、鼻腔から取り去ることが大切です。鼻水を取る器具には、スポイト式やストロー式、電動式などがありますが、どれが最もいいということもないので使いやすいものにしましょう。ティッシュペーパーを縦4分の1に折って片手に掛け、子どもの鼻の下に当てて、ティッシュだけ下へ引っ張ることで取る方法もあります。鼻のかみ方を教えるには、鼻の穴を片方ずつ押さえてティッシュを当てて「ふん、して」 などと言ってみてくださいね。

 ただし、色のついた鼻水が1週間以上続く場合は、 抗菌薬を飲んだほうがいいこともあるので、小児科や耳鼻科を受診してください。医療機関では、鼻水の吸引が行われたり、抗ヒスタミン薬という鼻水や痰の分泌を抑える薬、抗菌薬などが処方されることがあります。

鼻水が出る主な病気

 だいたいの場合は風邪症候群のせいでしょう。単なる風邪の場合は薬を使うよりも、こまめに鼻水を取りましょう。アレルギーを疑う場合は、小児科または耳鼻科を受診してください。

風邪症候群

鼻水と鼻づまり、咳が主症状で、下痢をと もなうこともある軽度の気道感染症のこと。筋肉痛などの全身症状がなく、熱は 38.5°C未満であることがほとんどで自然に治ります。原因はウイルスなどの病原性微生物。中耳炎や肺炎といった合併症を起こすことも。

■治療法

自然に治るので、薬はあまり必要ありません。使うとしたら症状を緩和する解熱鎮痛薬、去痰薬など。家で安静にして、水分を多く与え、体を休ませます。風邪による鼻水は薬では止まらないので、ティッシュや器具を使って取りましょう。

花粉症

季節性のアレルギー性鼻炎。植物の花粉が鼻や眼の粘膜に付くことで、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみが起こります。原因となる植物は主にスギですが、ほかにもヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、シラカバなど50種類くらいがあります。気になる場合は、小児科や耳鼻科で相談を。

■治療法

抗ヒスタミンの内服薬(シロップ、粉、錠 剤)か点眼・点鼻薬、またはステロイド薬を局所投与します。花粉情報を見て、飛散の多い日はマスクやメガネをする、窓を開けない、外出から戻ったら服を払って手洗 い、うがいをしましょう。

副鼻腔炎(蓄膿症)

額や頬にある副鼻腔という空洞に細菌が入って炎症が起きる病気です。主な症状は、黄色や緑色で粘度の高い鼻水が出る、 鼻づまり、頭痛。アレルギー性鼻炎との合併が多く、ほとんどは1〜2週間で治りま すが、3か月以上続くと慢性副鼻腔炎と診断されます。

■治療法

細菌による病気なので抗菌薬を飲みます。 ほかに鼻水を出しやすくする薬、粘膜を治す薬を併用することも。炎症が悪化しないよう鼻水はこまめに取りましょう。医療機関によっては、機械で鼻水を取ってくれるところもあります。

花粉症

通常、病原性のないハウスダストやダニ、 ペットの毛、フケなどが粘膜に付着することで、免疫反応が過剰になって起こる鼻炎です。鼻水のほか、鼻づまり、くしゃみなどが起こることも。ほとんどの場合、熱が出ることはなく、2歳以上に多いでしょう。気になる場合は小児科へ。

■治療法

抗アレルギー薬、抗ヒスタミンの内服薬、 点鼻薬などで治療します。血液検査などで原因物質がわかれば除去し、拭き掃除や洗濯をこまめにし、敷物やぬいぐるみなどの原因物質が付着する布製品を置かないようにするといいでしょう。

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