育休復帰についての不安を解消!復帰日の決め方、挨拶のポイントは?
育休の終盤から職場復帰するまでの流れ
育休は、職場から長期間離脱することになるので、職場復帰に向けては様々なステップがあります。自分で日を決めて、その日から出勤する、ということはなかなかなりません。
育休の終盤から職場復帰するまでの流れを追ってみます。
保育園を決める
職場復帰するには、子どもを保育園などに預ける必要があります。したがって、保育園への入園を決めてから復帰日を決めるのが通常です。
多くの保育園は、翌年度の入園の申し込みを10、11月頃に受けつけます。(※幼稚園によって受けつけ期間が異なるので確認しましょう)そのため翌年度(翌年の4月)から保育園に子どもを預けて職場復帰する場合、遅くとも9月には保育園を探し始める必要があります。もちろんそれより早く動けるのであればなおよいでしょう。
保育園は複数回って決めたいものです。保育園によって保育時間が変わってきますし、園内の雰囲気も好みがあるからです。保活のスケジュールなどについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
保育園の入園の可否を職場に報告する
子どもの保育園入園が決まったら、決まったことを会社に報告するのがよいでしょう。
もちろん報告の義務があるわけではありませんが、子どもの保育園入園が決まらずに退職するケースがある中で、しっかりと保育園入園が決まったと連絡することで受け入れ先の部署も調整がすすめやすくなります。
保育園に空きがなく、入園が決まらないことがあります。
そのときも速やかに会社に連絡してください。たとえば「3つの保育園に申し込んだが、すべて落選してしまった」といった報告になります。
このとき上司と総務部担当者には、「どうしたいのか」と「どうなるのか」を伝えましょう。
「保育園が決まらないので育休を延長したいが可能か」「保育園は決まらないが、しばらくは親に預けることができるので予定どおり復帰できそうだ」といったように、具体的な内容を含めるようにします。
どうしたらよいのかわからないときは、「もし来年の4月まで保育園が決まらなかったら、どうしたらいいでしょうか」とそのとおり伝えてみましょう。SOSを早めに発信しておくことで大きなトラブルになることを防げます。
会社の担当者と復帰日を決める
復帰日、つまり育休後初の出勤日は、上司と総務部担当者と話し合って決めます。
育休あけが近づいてきたら、まずは直属の上司に連絡します。第一報は電話でもいいですし、メールやネット会議システムなどでも構いません。上司と気心が知れていればLINEでも問題ありません。
「そろそろ育休があけるのですが、復帰日について相談させてください」と声をかけてみましょう。
実際の相談は、電話、ネット会議システム、または出社して面談を行います。
※新型コロナウイルス感染症の流行に関連して、従業員の出社率を抑えている可能性もあるので、出社については会社に相談し、慎重に検討してください。
復帰日については、希望日を持っておいたほうがよいでしょう。復帰希望日は、保育園の手配状況や、社内ルールなどから決めます。
復帰希望日を聞いた上司は、「それでよい」または「それでは遅い」を決めることができます。
上司と復帰予定日を決めることができたら、本人が総務部の担当者にその日を報告します。こちらは電話のほうがよいでしょう。総務部の担当者は、復帰日が社内ルールに合致しているかどうか確認してくれます。
大抵は、総務部の担当者は「上司が問題ないと言っているのであれば、その日に職場復帰してください」と言ってくれるはずです。
総務部は職場復帰する人の社会保険などの手続きを行うので、確定した復帰日が必要になります。
働き方を変えたいときは早めに相談を
復帰後に時短勤務や固定時間勤務を希望している場合、早めに上司に相談しましょう。相談は、復帰日に関する相談より早いほうが望ましいです。
たとえば、入園する保育園に、慣らし保育があるかどうか確認しましょう。
慣らし保育では、子どもが保育園に慣れるまでの間、子どもは短時間で帰宅します。そうなると、職場復帰しても、しばらくは子どもに合わせて早退しなければなりません。慣らし保育が必要になったら、早めに会社に連絡して自分の希望を伝えましょう。
職場によってはシフト勤務や交代制など、時短勤務の導入に通常よりも検討が必要な職場もあります。それでも時短勤務が必要なときは、復帰後に、育休前とは異なる職場に異動になるかもしれないので、早め早めの連絡と相談が必要なのです。
育休復帰日の決め方のポイント
育休復帰日を決めるポイントは2つあります。
- 会社の慣習にならう
- 育休期間の目途を10~12ヶ月にする
どの会社にも大抵は、「育休期間は大体これくらい」という期間があります。もしその慣習的な育休期間で問題なければ、その期間の終了日に職場復帰するとよいでしょう。
もし、会社の慣習的な育休期間が短すぎると感じたら、10~12ヶ月が目途になります。
厚生労働省が事業所調査を行ったところ、平成30年度には、女性の31.3%が10~12ヶ月未満育休を取得していて、これが最多でした(*)。
ちなみに男性の最多は5日未満(36.3%)で、2番目は5日~2週間未満(35.1%)でした。
また、制度の活用方法によっては子どもが3歳まで育休を取ることもあります。
子育てや自分のキャリアなどを考慮しながら、育休期間と復帰日を決めましょう。
社会保険料の免除期間を考慮する
どれくらい育休を取ったらよいのかわからない人は、健康保険と厚生年金保険の社会保険料が免除になる期間を目安にしてはいかがでしょうか。
免除期間は4つ設定されています(*)。
- 1歳に満たない子を養育するための育児休業
- 保育所待機など特別な事情がある場合の1歳6ヶ月に達する日までの育児休業
- 保育所待機など特別な事情がある場合の2歳に達する日までの育児休業
- 1歳から3歳に達するまでの子を養育するための育児休業の制度に準ずる措置による休業
これらの期間を目安にして、上司などと相談して育休期間を決めれば、職場復帰の日が自動的に決まります。
社会保険料の免除期間は、育休の開始月から終了予定日の翌日の月の前月までとなります。(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)
慣らし保育に合わせる
子どもを通わせる保育園に慣らし保育があれば、慣らし保育が終わったあとに職場復帰するとよいかもしれません。
そうすれば早退や欠勤をしなくて済みます。ただその分職場復帰が遅れるので、上司に相談したほうがよいでしょう。
復帰前に職場に挨拶するときのポイント
「育休から復帰するときに会社に挨拶する必要があるのか」と思った人もいると思います。
日本企業の雰囲気や日本人ビジネスパーソンの感覚を考慮すると、復帰前に職場に挨拶しておいたほうが、本人にとってメリットが多いでしょう。
「こんなに長く休ませてもらってありがたい」と感じている人はもちろんのこと、「何のための挨拶なのか」と思っている人も、一声かけておくことをおすすめします。
伝える人とタイミング
復帰前の挨拶の対象となりうるのは次の人たちです。
- 直属の上司(課長や係長、リーダー)
- 事業部の管理職(部長、本部長、局長)
- 中小企業やベンチャー企業なら社長や役員
- 総務部や人事部など、育休の手続きをしてくれた担当者
- 同僚や部下
全員に挨拶するのは大変なので、このなかから選んでもよいのです。会社によっては、上司から部下や同僚に育休からの職場復帰について通知することもあるので、会社の方針に合わせて対応しましょう。
挨拶のタイミングは、復帰日の1ヶ月前あたりが目安になります。
「来月から復帰します」と言うと、相手も心構えがしやすいでしょう。
挨拶の仕方と内容
挨拶の仕方には次の方法があり、いずれかを選ぶことになります。
- 出社して実際に会う
- ネット会議システム
- 電話
- メール
- LINE
出社が必要な会社では、出社して関係者を一気に回ったほうが効率よく挨拶できます。
リモートワークが導入されている職場ではネット会議システムがよいでしょう。
同僚や部下であればメールやLINEでもよいのですが、同じ文面を送信するだけでよいので効率的ですが、その分、挨拶に込める誠意は薄まってしまいます。
育休復帰の挨拶については、下記のページでも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
復帰前の挨拶の文面
復帰前の挨拶をメールやLINEで済ますときの文面の例を紹介します。
これをそのまま使ってもよいですし、自分流にアレンジしてみてもよいでしょう。
宛先は同僚または部下を想定しています。
復帰前の挨拶の例文
件名:○月○日に職場復帰します
○○様、こんにちは。
お元気ですか。
うちの子どもはミルクを毎日しっかり飲んでくれていて、すくすく育っています。
私は○月○日に職場復帰いたします。
先日、○○課長と相談してこの日に決めました。
育休中は職場の皆様のあたたかなご理解、本当にありがとうございました。
またチームの一員となって力を尽くして参りたいと思います。
もし、職場のルールなどが変更になり、出社する前に知っておいたほうがよいことがありましたら、教えてください。
また一緒に働ける日を楽しみにしております。
○○(自分の名前)
挨拶文のポイントは以下のとおりです。
- 件名で、復帰日を伝える
挨拶でありながら、ビジネス文書でもあるので用件をストレートに伝えたほうがよいでしょう。
- 子どもの様子を軽くでよいので伝える
- 本文でも復帰日を明記する
- 仕事への意欲を伝える
挨拶のときに喜ばれる手土産
もし出社して挨拶するのであれば、手土産を持っていったほうがよいかもしれません。
お菓子の詰め合わせセットなど、職場のみんなに食べてもらえるものがよいでしょう。
出社して挨拶するときにその場にいなかった人へは、お菓子にメモ書きで「○月○日から復帰します。よろしくお願いします。」など一言添えてもいいですね。
育休後に復帰しない人もいる
「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び 出産・育児と女性の就業状況について(平成30年11月)内閣府男女共同参画局によると、第1子の出産を機に離職する女性は47%にもなります(*)。
本稿は育休後の職場復帰を考える記事ですが、復帰すると決めている人も、出産離職への関心は高いと思うので関連データを紹介します。
同調査では、第1子の妊娠・出産を機に仕事を辞めた25~44歳の既婚女性に、その理由を尋ねました。結果は以下のとおりです。複数回答です。
●子育てしながら仕事を続けるのは大変だったから:52%
●子育てに専念したかったから:46%
●自分の体や胎児を大事にしたいと考えたから:42%
●職場の出産・子育ての支援制度が不十分だったから:28%
●子どもの体調が悪いときなどに休むことが多かったから:12%
●保育所など、子どもの預け先を確保できなかったから:11%
●夫や家族などの家事、子育てサポートが得られなかったから:11%
●夫や家族が仕事を続けることに賛成しなかったから:10%
●職場に復帰しても仕事の内容が出産前と異なりそうで不満だったから:8%
子育てと仕事の両立の困難さをあげた人は半数以上になりました。
これらの理由から、育休後も復帰しないというママもいます。
育休を過ごすなかでママやパパにとって最善の方法を選べるとよいですね。
育休復帰後に子育てと仕事を両立するために
育休復帰とはすなわち、子育てと仕事を両立させることにほかなりません。
両立のために何が必要なのかを紹介します。
子育てと家事を分担する
夫婦で子育てと家事を分担すると、育休後の職場復帰がスムーズになります。
子育てと家事の分担を進めるうえで有効なのが、分担表です。
どちらが何をするのかを決めておけば効率的に実施できます。
分担表をつくるときに夫婦でじっくり話し合うなかで子育てと家事にはやるべきことが大量にあることを認識できます。どちらかに任せきりになるのではなく、分担してできるようよく話し合ってみましょう。
共働き夫婦の家事問題については、下記の記事で詳しく解説しています。
子どもの保育園の送迎を分担する
子育て分担のなかでも、子どもの保育園の送迎は毎日のことなので負担が大きく分担が必要です。
子どもが自宅で熱を出したら保育園に行くことはできませんし、保育園で熱を出したらすぐに帰宅しなければならないイレギュラーもあり、緊急時の対応を夫婦で決めておく必要があります。
送迎分担のポイントは、「月、火、水はママ、木、金はパパ」や「送りは残業が多いパパ、迎えは朝が忙しいママが担当する」といったように具体的に決めることです。また、ママとパパ同士でも連絡がつきやすいよう、お互いに相談しておくのもいいですね。
生活を支援するサービスを活用する
子育てと仕事の両立が難しい場合、生活を支援するサービスを使うと子育てや家事の負担が減り、両立しやすくなります。
●家事代行サービス
家事代行サービスは、家のなかの掃除や料理のつくり置きなど、さまざまなメニューがあります。家事を代行してもらうだけでも、毎日の負担が軽減され、リラックスできる時間を設けられたりするかもしれません。
●ベビーシッター
子どもの面倒をみてくれるベビーシッターを雇うと、子育てを少し休むことができます。子どもがいるとどうしてもこなせない用事や仕事などに集中することができます。長く続く子育てのうち、たまに頼ってみるのもいいかもしれませんね。
●食品サービス
スーパーマーケットや食材の宅配サービスを利用すると、買い物時間を節約できます。
さらに、外食の宅配を使うと、調理時間も節約できるので、忙しいときに便利です。
●地域子育て支援拠点事業を使う
厚生労働省は、子育て中の親子を支援する、地域子育て支援拠点事業を行っています(*)。
主な事業は次のとおりです。
- 子育て親子の交流の場の提供と交流の促進
- 子育て等に関する相談、援助の実施
- 地域の子育て関連情報の提供
- 子育て及び子育て支援に関する講習等の実施
これらの事業を実際に行うのは、市町村(特別区を含む)(社会福祉法人、NPO法人、民間事業者等への委託等も可)などです。
市町村の子育て関係の窓口に問い合わせることで、自分の地域の子育て支援の内容を知ることができます。
働き方を変える
子育てと仕事の両立が不可能になるのは、両者の負担の大きさが自分のキャパシティを超えてしまうからです。
したがって負担が小さくするよう対策する必要があります。
負担を減らすのは、子育てでも仕事でも、その両方でも構いません。
子育てや家事の負担を減らすには、先ほど紹介した家事代行サービスやベビーシッターなどの利用が有効です。
仕事の負担を減らすには、働き方を変える必要があります。
最も高い効果が期待できるのは、時短勤務や業務内容の変更でしょう。働き方を変えるには、上司の理解と、同僚の理解と、会社の理解が必要になるので、まずは上司や総務部などに相談してみましょう。
時短勤務については以下の記事で詳しく解説しています。
ちょっとした気遣いとサポートを有効活用しよう
育休からスムーズに職場復帰するためのコツを紹介しました。
ちょっとした気遣いで、周囲の態度や言動は変わるものです。復帰する前の職場への挨拶は面倒に感じるかもしれませんが、やるとやらないのでは復帰後に大きな違いが出るはずなので、やっておくことをおすすめします。
育休後の復帰に向けた子育てと仕事の両立の難しさは、子育てが終わるまで続きます。そのため、負担を減らしたり、ストレスを解消したりする方法は確保しておいたほうがよいでしょう。
サポートを上手に利用することで両立できるようになるはずです。
- 育休からの復帰は保育園への入園を決めてから
- 子どもの保育園入園が決まったら決まったことを会社に報告する
- 入園が決まらなかった場合も早めに会社に報告する
- 慣らし保育が終わったあとに職場復帰がおすすめ
- 育休からの復帰後をサポートするサービスを活用しよう
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