マタニティブルーのとき夫ができることは?注意すべき行動や接し方を知ろう
妻がマタニティブルーかも! 確認方法は?
産前や産後の妻がいる夫の中には、「なんだか最近嫌われている気がする」と感じることがあるかもしれません。はっきりとした原因が思い当たらず、訳もわからず困っていたら、それは妻の「マタニティブルー」かもしれません。夫の立場から見て、どのように確認できるのか、夫の立場から妻に対してできることはあるのかについて紹介します。
妻の様子を観察する
産前産後の妻の様子がいつもと違う、気分の浮き沈みが激しいと感じたら、それはマタニティブルーかもしれません。マタニティブルーの症状や長さには個人差があります。少なくとも、いつものように健康な状態ではないので、パパや周囲の家族たちはいつもより気を配るようにしましょう。マタニティブルーの代表的な症状には以下のようなものがあります。
- なんでもないことで悲しい気持ちになり落ち込む
- わけもなく涙が出る
- 些細なことでイライラして周りに八つ当たりしてしまう
- 気持ちのムラが激しい
- 周りの人のちょっとした一言に傷つく
- 何事に対してもやる気が起きない
- 疲労を感じやすい
- 食欲がない。もしくは過食する
- 寝付きが悪く、眠りも浅くなる
- 出産や育児に自信が持てず不安でたまらない
- 赤ちゃんの泣き声を聞くのがつらい
マタニティブルーの症状では「なんだか無性に腹が立つ」「突然夫のことが嫌いだと感じる」という話をよく聞きます。一番身近にいるパパが、イライラの対象になることが多いようです。ママとしてもなぜ急にそのようなことになったのか、不安や疑問を感じ悩んでいるケースもあります。あてはまる症状が多いほど、マタニティーブルーの可能性があります。
マタニティブルーとは?
マタニティブルーとは、産後に生じる気分の落ち込みや、イライラに代表される精神的な症状の総称です。「マタニティブルー」という言葉は聞いたことがあるけれども、なんのことかわからない人のために、詳細の情報を紹介しています。
マタニティブルーは、軽い抑うつ症状を主訴とする生理的なものなので、基本的には治療は必要としません。しかし、症状が重症化すると産褥期精神病とされる「産後うつ病」に移行することもあります。
心の不安定な状態の総称
マタニティブルーとは、医学的な正式名称では「マタニティブルーズ(maternity blues)」と呼ばれます。出産後のホルモンバランスの乱れから生ずると考えられており、産後ママの30~50%に見られるといわれ、産後1〜2週間程度で治るのが自然です。妊娠後期になると、訪れる出産や産後の育児に対して漠然とした不安を感じ、妊娠中から症状がでることもあります。
体調そのものの変化よりは、心の不調が主症状として出現します。「つらい、悲しい、イライラする」などの症状をベースに「体がだるい、疲れやすい」などの体の症状につながることが多いようです。
また、症状の重さや内容には個人差があり、産前産後の体調や個人的な性格の差などにかかわらず、誰にでもなる可能性はあります。
症状はいつまで続くの?
マタニティブルーは、中には産前から始まる人もいますが、一般的には産後1〜2週間程度で解消するといわれています。しかし、個人差もあります。3〜4日で落ちつく人もいれば、産後1ヶ月以上続く人もいるようです。また、症状が産後うつと似ているので、判別が難しいケースもあります。
マタニティブルーと産後うつとの違いは?
産後1ヶ月以上経っても症状が改善しない、むしろ症状が悪化したという場合には注意が必要です。もしかするとそれは、「産後うつ」かもしれません。産後うつは、出産後1〜3か月以内に発症することが多いです。中には、産後1年たって発覚するケースもあり、特に抑うつ症状が強くなります。産後うつとマタニティーブルーの大きな違いは症状が長引くことです。
心の不調が続いたら早めのSOSを
不眠や憂鬱、イライラなど心の不調が続いてしんどかったり、それが日常生活に支障をきたしたりする場合は医療機関によるケアが必要です。マタニティブルーは、妊娠・出産を経験していれば誰にでも起こりうることです。誰かに助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。かかりつけの医師や自治体の保健師さん、助産師さんに早めに相談するようにしましょう。
マタニティブルーの原因は?
マタニティブルーの原因には、ホルモンバランスや、精神的・肉体的な要因などが考えられています。
マタニティブルーの原因には、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じます。逆にいうと、どれか一つの要因で生じるわけではないので、必要とされる対策もひとつだけでは解決しないことがほとんどです。ここではマタニティブルーの原因について紹介します。
ホルモンバランスの急激な変化
妊娠中と産後は、体内で急激なホルモンバランスの変化が起こります。妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンが増加していますが、産後は元の状態に戻るのに分泌量が低下するのです。ホルモンバランスの変化に体の機能がうまく追いつかず、自律神経系が乱れることが原因の一つとされています。
ホルモンバランスの乱れは、産前から産後にかけて、必ず起こります。マタニティーブルーは誰にでも起こりうるものというのは、このあたりの理由からいわれているようです。
精神的なストレス
出産後には、必ず訪れる「子育て」。母親の役割は大きいので、少なからずプレッシャーを感じることもあるでしょう。頻回の授乳や、細やかに配慮しなくてはいけない育児に対して集中力が低下し、精神的な負担を感じやすくなります。ひっ迫される育児への責任感に気持ちがついていかず、ストレスフルな状態がマタニティブルーの原因の一つになるようです。
体調の変化、睡眠不足
臨月にさしかかった妊娠中のママは、体の変化や後期つわりで寝付きが浅くなり、しっかりと休息できない人も増えてきます。産後は子どものお世話や定期的な授乳で睡眠不足の状態が続き、疲労も蓄積するのです。疲れていても育児のプレッシャーから熟睡できないことも多くなります。このような肉体的な変化や疲労・睡眠不足がマタニティブルーの原因につながります。
マタニティブルーは夫もなることがある?
マタニティブルーのような症状がパパに起こることもあります。「パタ二ティブルー」と呼ばれ、夫にマタニティブルーになるような症状が起きます。
ママと同じように、「パパになるプレッシャー」や「家事や育児の負担」などが要因と考えられています。
中には夫婦でマタニティブルー、パタニティブルーになり、育児や家事がうまく回らなくなることも。夫婦間で話し合い、協力して家事や育児を分担することも大切です。場合によっては、ファミリーサポートや祖父母に協力してもらうようにしましょう。
マタニティブルーの妻に夫ができることは?
マタニティブルーの妻に接するときに、夫は何が逆鱗に触れるかを気にしながら関わるのも気がかりです。妻へできることや接し方の対応など、夫としてできることを紹介します。
家事を分担する
授乳などであればどうしても妻の負担になります。ですが、家事であれば夫の立場でも速やかに分担できます。家事といってもさまざまなことがあるので、妻と一緒に話し合い、仕事とのバランスを見ながら分担する内容を決めましょう。
特に「名もなき家事」と呼ばれるのは、夫は意外にも気がつきにくいです。手を抜くと、結局妻の家事負担は減らず、二度手間になることもあります。普段、妻がどのように家事をこなしているか、あわせて確認しましょう。
家事の分担は、家事ボードなどを活用するのもおすすめです。固定化するのではなく、臨機応変にこなしていくのが大切ですね。
名もなき家事とは?
名もなき家事とは、その名の通り「名前が付いていない家事」のこと。たとえばですが、以下のようなものがあります。
- ゴミ捨て
ゴミ箱にたまっているゴミ袋を取り出し、捨てればいいのではありません。妻側からすると、捨ててあるゴミの中身をチェックし、分別する。そのと、空いたゴミ箱にゴミ袋をかけるまでが「ゴミ捨て」です。夫はゴミを捨てるのがゴミ捨てと思っていることも多いのです。ゴミ捨てに付随する家事を完璧にこなして、はじめて「ゴミ捨て」は完結します
- 食器洗い
食器洗いは、使った食器だけを洗えば終わりと思っていませんか?食器を洗った後に、キッチンに飛び散った水分を拭き、シンクを洗うまでが食器洗いの一連の流れです。家庭によってはそこから食器を拭き、食器棚に戻すまでが「食器洗い」です。
このように「名付けられている家事」だけでは、家事は完結しません。1つの家事に対して、どのようなタスクがあるのかを確認し、「名もなき家事」も完結することが、本当の意味での家事の分担につながります。
お互いの気持ちや体調を共有する
妻の体調や、心のコンディションを把握し、共有することも、マタニティブルーの対処には大切です。女性はときに「察してほしい」と、言葉にしないこともあります。その間、妻は「旦那がわかってくれない。寂しい」と感じているかもしれません。しかし、夫婦であっても思いや考え方は言葉にしないとわかりませんよね。
夫から積極的に声をかけ、「わかってくれない、察してくれない」というすれ違いを減らすように働きかけましょう。
心のコンディションばかりではなく、体のコンディションにも気を配りたいですね。
妻が落ち着く時間をつくる
マタニティブルーの要因には、身体的な疲労はもちろんですが、精神的な疲労やストレスの蓄積も大きな要因です。妻が育児の手を離れ、ゆっくりとリフレッシュする時間をもつのは、非常に有効です。
一人で出かける時間を作れるよう、パパが家事や育児を一手に担う日を設けてみるとよいでしょう。
また、夜にしっかりと睡眠を取れるのも、妻にとっては嬉しいものです。子どものお世話でまとまった睡眠が取れていないと、体力がきちんと回復しないので、日々疲労が蓄積します。一晩ぐっすりと眠れるような環境を整えてあげるのもよいでしょう。
妻の話を聞く
産後の育児中は子どものお世話にかかりきりで、夫以外に大人と話す時間がないケースもしばしば。日常の中でしっかりと妻の話に耳を傾けること、ちょっとしたわがままを聞いてあげることも、次の日から、妻の活力につながるのです。
マタニティブルーであれば、精神的に不安定なので、イライラして急に怒り出し、泣き出すこともあるでしょう。夫にとっては意味がわからず混乱し、反論したり突き放したりしたくなるかもしれませんが、そこはぐっと我慢。怒った原因や嫌な思いをしたポイントを聞きだし、同じようなことが起こらないように知っておくことも大切です。
マタニティブルーの妻にやってはいけない夫の行動
よかれと思ってマタニティブルーの妻をサポートしているつもりでも、それは妻にとっては「ありがた迷惑」になってしまうかもしれません。ここでは、夫としてマタニティブルーの妻に対し、やってはいけない対応を紹介します。
妻に黙って手伝う
家事や育児を手伝うときには、妻に黙って淡々とこなすことをプレッシャーに感じてしまうこともあります。黙々としているのが、精神的にセンシティブになっている妻にとって、「何もできない自分にイライラしている」と受け取られることもあるのです。
「〇〇やるけど、やり方あってる?」
「今掃除機かけるけど、大丈夫?」
など、コミュニケーションをとりながら進めましょう。
体型の変化を指摘する
心も体も繊細になっている産後の妻に、体型の指摘をするのはやめましょう。
子どもが産まれたからといって、約10ヶ月もの間変化していった体型がすぐに元通りになるわけではありません。ましてや、産後は子どもの世話などで目まぐるしく、自分の体型を元に戻すところまで意識するのは大変です。話すことがなくなっても、体型の変化を指摘するのは避けるのが無難です。
「仕事で疲れている」を言い訳にする
夫が仕事で疲れているように、妻も家事や育児に疲れています。どちらがより疲れているのか・頑張っているのかを比べるのではなく、お互い頑張っていることを認め合えるとよいでしょう。
仕事は休日もありますが、家事や育児には休みはなく、24時間365日稼働しています。さらに育児は、子どもの命がかかっている場面も多くあるので責任重大です。
夫から「仕事で疲れている」を言い訳にするのは避けたほうがよいでしょう。お互いに状況を見ながら負担を分担しましょう。
マタニティブルーには夫の理解が必要
妊娠中や産後のマタニティブルーで苦しんでいる妻は「旦那に理解してもらえない」と苦しむことも多いようです。それに気がつかず、協力もしないで妻に丸投げしていると、最悪の場合、離婚にもなりかねません。
夫側から歩み寄り、悩みや気持ちを共有し理解するのは、夫婦で子どもを育てていく中でとても重要です。
妊娠中や産後は、妻の様子に細やかに気を配り、協力し、温かい家庭を築いていきたいですね。
- マタニティブルーは産後に生じる精神的な症状の総称
- 個人差があるが一般的には産後1〜2週間程度で解消する
- 心の不調が続いている場合は早めに医師や助産師に相談
- 妻がマタニティブルーになったら夫の理解ある行動が必要
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