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【小児科医監修】モロー反射が激しいのはなぜ?原因や対応策について解説

【小児科医監修】モロー反射が激しいのはなぜ?原因や対応策について解説

赤ちゃんが驚いたように両手を広げる「モロー反射」が激しいと、何か異常があるのか心配になってしまいますよね。この記事では、モロー反射が見られるのはどんなときなのか、モロー反射が激しいときや弱いときにはどうしたらいいのかについて解説します。
赤ちゃんが驚いたように両手を広げる「モロー反射」が激しいと、何か異常があるのか心配になってしまいますよね。この記事では、モロー反射が見られるのはどんなときなのか、モロー反射が激しいときや弱いときにはどうしたらいいのかについて解説します。

モロー反射とは

モロー反射は、新生児期から乳児期の赤ちゃんに見られる原子反射の1つです。赤ちゃんがびっくりしたような動きをするので、驚くママやパパもいるでしょう。病気ではなく、赤ちゃんの成長や発達とともに自然に消えていく反射です。

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どんな動きをするの?

仰向けに寝かせた赤ちゃんの頭を少し持ち上げてから急に下げると、赤ちゃんは驚いたように両手を広げます。そして、両腕を曲げて何かを抱えるような動きをします。この一連の動作がモロー反射です。

赤ちゃんがモロー反射を起こすのは、何らかの刺激を感じたときです。例えば、赤ちゃんを急に抱きあげたときや赤ちゃんの近くで物音を立てたときなどに、モロー反射を起こすことがあるでしょう。

モロー反射がなぜ起きるのかというと、生まれたばかりの赤ちゃんが自分の身を守るためだと考えられています。人間には、刺激に対して無意識に体が動く「反射」という機能が備わっています。なかでもモロー反射などの「原始反射」には、赤ちゃんの脳や神経を発達させる重要な役割があるのです。

そのため、赤ちゃんの発達が進んでくると原始反射は自然に消えていきます。

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モロー反射以外の原始反射について

新生児期や乳児期の赤ちゃんには、モロー反射以外にも、いくつかの原始反射が見られます。

・探索反射

赤ちゃんの口の周りを指でつつくと、その方向に向かって口を開く反射です。ママのおっぱいや、哺乳瓶の乳首などを探そうとするときにも見られるでしょう。新生児期から見られる反射で、生後4〜6ヶ月頃には消失します。

・吸啜(きゅうてつ)反射

乳首やおしゃぶりなどを赤ちゃんの口に含ませると、舌で吸おうとする動きのことを言います。吸啜反射は、新生児期から生後6ヶ月頃までの赤ちゃんに見られます。

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原始反射のひとつ、吸啜反射をご紹介します。

・把握反射

赤ちゃんの手のひらに指をおくと、手を握りしめる反射です。足の裏にもある反射で、足の親指の付け根あたりを押すと赤ちゃんの足の指がぎゅっと曲がります。新生児期から見られる反射であり、手の把握反射は生後3〜6ヶ月頃までに、足の把握反射は生後10ヶ月頃には消失しています。

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・足踏み反射

赤ちゃんの脇の下を抱えて足の裏を床につけると、まるで歩こうとするような動きが見られます。新生児期から見られる反射で、生後2ヶ月頃には消失します。

モロー反射はいつからいつまで?

赤ちゃんの成長や発達は、個人差がとても大きいものです。モロー反射が消失する時期に一定の目安はあるものの、消失するタイミングは赤ちゃんによって異なります。

4ヶ月頃までにおさまる傾向

モロー反射はママのお腹の中にいる妊娠27週頃から、すでに始まっていると考えられています。生後4ヶ月になる頃にはおさまり、ほとんどの赤ちゃんでモロー反射が見られなくなるでしょう。

生後4ヶ月を過ぎても、モロー反射が残っている場合には脳の病気や障害などの可能性もあります。そのため、生後3〜4ヶ月のときに行う乳児健診では、モロー反射が消えているかどうかを確認しています。

生後4ヶ月を過ぎてもモロー反射があるからといって、必ずしも病気や障害があると断定できるものではありませんが、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

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モロー反射の頻度や度合いで異常はあるの?

モロー反射の頻度や度合いは、赤ちゃんによって個人差があります。「部屋の温度や湿度に気をつける」「赤ちゃんが寝ているときはテレビを消す」といった環境の調整で落ち着くこともあるため、焦らずに対応してください。

モロー反射が激しいことなどが気になったら、まずは赤ちゃんがどんな刺激に反応しているのかを観察してみるようにしましょう。

一般的なモロー反射の頻度と度合い

モロー反射のきっかけとなる刺激には、光や音、風、温度変化などがあります。どんな刺激に反応するかは、赤ちゃんによって様々です。

刺激に反応しやすい赤ちゃんでは、モロー反射の回数は多くなるでしょう。反対に、刺激にあまり反応しない赤ちゃんであれば、モロー反射の回数は少なくなるかもしれません。

そして、モロー反射で目を覚ましてしまったり、泣いてしまったりする赤ちゃんもいれば、そうでない赤ちゃんもいます。このように、モロー反射が起こるタイミングや回数は赤ちゃんによって異なりますので、モロー反射が多いからといって心配することはないでしょう。

赤ちゃんの環境を整えよう

モロー反射は様々な刺激に赤ちゃんが驚くことで起こります。モロー反射が起こるたびに赤ちゃんの体は緊張するため、なかなか寝付けなかったり、泣いてしまったりするのです。できるだけ赤ちゃんをびっくりさせないように、周囲の環境を整えてあげるとよいでしょう。

激しい・ひどい場合

モロー反射が激しい場合は、赤ちゃんにとって刺激が強い場所で過ごしているのかもしれません。赤ちゃんが過ごす環境を変えてみるなどして、静かな環境で過ごせるよう工夫してみましょう。温度や湿度に敏感な赤ちゃんもいるため、衣類や室温を調整するのもいい方法です。

寝ているときのモロー反射が激しい場合にも、赤ちゃんを寝かせる環境を変えてみる必要があります。例えば、赤ちゃんが寝ているときは電気を暗くしたり、ドアや窓から離れた場所に寝かせたりしてみるといいでしょう。

モロー反射が激しい場合に注意したいのは、生後3ヶ月〜11ヶ月頃の赤ちゃんにまれにみられる「点頭てんかん」という脳の病気です。赤ちゃんが眠いときなどに頭がガクンと前に倒れたり、手足をぎゅっと縮めたりする動きが数秒〜数十秒間にわたって繰り返し見られます。

この病気では、「あやしても笑わない」「首がすわらない」といった発達の遅れや、「おすわりができなくなった」などといった、できていたことができなくなる発達の退行が見られます。

点頭てんかんはモロー反射と間違えられることがあり、ママやパパが区別するのは困難です。赤ちゃんの動きが気になるときは、その様子を撮影しておき、動画を持ってかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

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ほぼない・弱い場合

新生児の頃からモロー反射がほとんどない場合や、少ない場合には、脳や神経、筋肉、骨などの病気の可能性があります。また、モロー反射が左右対称にできない場合にも注意が必要です。

モロー反射に限らず、普段から手足の動きに左右差があったり、腕や足がだらんと脱力しているような感じがあったりしたときには、健診を待たずに医師に相談しましょう。

モロー反射が激しいことは、発達障害に関係がある?

発達障害と診断された子どものなかには、乳児期を過ぎているにもかかわらず、原始反射が残っていた子がいます。

そのため、赤ちゃんのモロー反射が激しい場合や、生後4ヶ月頃を過ぎてもモロー反射が残っている場合には、「うちの子は発達障害があるのでは?」と不安に思うママやパパもいるようです。

しかし、原始反射が残っていることと発達障害との関連性は、はっきりとわかっていません。モロー反射が激しかったり、生後4ヶ月を過ぎても残っていたりするからといって、その子に発達障害があるというわけではありません。赤ちゃんの発達障害について気になる場合には、かかりつけ医に相談しましょう。

モロー反射が激しいからといって心配しすぎないで

モロー反射は、原子反射の1つであって病気ではありません。ですが、赤ちゃんの動きを見ていて気になることがある場合には、乳児健診のときに相談してみましょう。

「どんなときに、どんな動きをして不安に感じたのか」といったことをメモしておいたり、赤ちゃんの様子を動画に撮って残しておいたりすると、医師に相談するときに役立ちますよ。

  • モロー反射は病気ではなく、赤ちゃんにとって正常な反射
  • モロー反射は、生後4ヶ月頃になると自然に消失する
  • モロー反射が激しいときは、赤ちゃんが過ごす環境を調整するといい
  • 赤ちゃんの動きが心配なときには、その様子を記録して医師に相談する
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