【医師監修】妊娠初期と生理前の症状はどう違う?見分けるためのチェックリストも紹介
「妊娠初期と生理前の症状の違いは?」「どう見分ければいいの?」と悩んでいる人もいるでしょう。
腹痛や腰痛、胸の張りなど、妊娠初期症状と生理前の症状には共通する部分も多く、見分けるのが難しい場合があります。
この記事では、妊娠初期症状と生理前の症状の違いや見分け方、妊娠の可能性がある場合に気をつけるべきことなどを解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
「妊娠初期と生理前の症状の違いは?」「どう見分ければいいの?」と悩んでいる人もいるでしょう。
腹痛や腰痛、胸の張りなど、妊娠初期症状と生理前の症状には共通する部分も多く、見分けるのが難しい場合があります。
この記事では、妊娠初期症状と生理前の症状の違いや見分け方、妊娠の可能性がある場合に気をつけるべきことなどを解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠初期症状と生理前の症状は似ている?
妊娠超初期症状と生理前の症状は、どちらも女性の体内でホルモンバランスが変化することで起こることが多いです。
妊娠超初期では、受精卵が着床するとヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが分泌されます。これにより乳房の張り、つわり、頻尿などの症状が現れます。
一方、生理前はプロゲステロンとエストロゲンというホルモンが変動するため、乳房の張り、イライラ、頭痛などが生じます。
どちらもホルモンバランスの変化で生じることが多く、似た症状が生じます。
また、妊娠超初期は生理が起こる時期とも重なるため、症状が妊娠によるものか生理前だからなのかわかりづらいのです。
体験談|妊娠初期症状と生理前の症状に違いはあった?
トモニテ編集部では、妊娠を経験した女性を対象に、妊娠初期の症状に関するアンケートを実施。
妊娠初期と生理前とで症状に違いはあったかを調査したところ「あった」と回答した人が44人(52%)で最も多い結果となりました。
次いで多かったのは「わからない・もともとPMSがなかった」で22人(26%)、「なかった」で18人(21%)でした。
生理前の症状との違いを感じた人が多かったことがわかります。
具体的にどのような違いを感じたかを尋ねたところ、以下のコメントが寄せられました。
ひーさんさん/30代/パート・アルバイト/中部地方在住/4児のママ
りこたんさん/20代/専業主婦/関東地方在住/1児のママ
とまみそさん/20代/会社員(正社員)/近畿地方在住/1児のママ
まいさん/30代/会社員(契約・派遣社員)/近畿地方在住/1児のママ
ここさん/30代/パート・アルバイト/中部地方在住/2児のママ
生理前に感じる症状が妊娠初期にはなかったり、逆に生理前に感じたことがない症状が妊娠初期に現れたりと、変化は人それぞれのようです。
妊娠超初期と生理前に共通する症状とは?
妊娠初期症状と生理前の症状には似ている症状が多く含まれるため、どちらが原因なのかを区別するのが難しいことも珍しくありません。
ここでは、妊娠初期症状と生理前の症状に共通する代表的な症状を紹介します。個人差はありますが、参考にしてみてください。
腹痛・下腹部痛・子宮のあたりが痛む
生理でも妊娠超初期も、お腹や下腹部に違和感や痛みがでることがあります。
生理前に腹痛が起こるのは、プロスタグランジンという物質が関与しています。
これは子宮内膜がはがれる時に放出され、子宮の筋肉を収縮させるため、痛みを感じます。また、この物質は腸も刺激するため、下腹部痛や下痢の原因の一つです。
一方、妊娠初期に腹痛が起こるのは、子宮が胎児を育てるために拡大し始めるためです。これにより、周囲の靭帯が引っ張られ、腹痛を感じる人もいます。
腰痛
生理と妊娠超初期では、腰痛も共通の症状のひとつです。
生理前には、子宮を収縮させる作用があるプロスタグランジンという物質が増加します。このホルモンには血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなり、腰痛を引き起こす原因となっています。
妊娠初期には、リラキシンやプロゲステロンと呼ばれるホルモンが増加することで、腰痛を引き起こします。これらのホルモンには、靭帯や関節を緩める作用があるため、安定していた骨盤周辺の組織が緩んでしまいます。
骨盤周りの関節や筋肉が不安定になり、姿勢の変化や体重の増加による負担が腰に集中し、痛みとなって現れるのです。
胸の張りや乳首のチクチク感がある
生理前、妊娠超初期ともに胸が張るのは、エストロゲン、プロゲステロンといったホルモンの影響によるものです。
これらのホルモンが相互に作用し、乳房の脂肪組織や血流が増え、乳腺が発達することで、胸が張ったり乳首が敏感になったりします。
チクチク、ズキズキなど痛みの感じ方には個人差があります。生理前に始まった痛みは、生理が始まると落ち着く場合が多いです。
おりものの様子が変わる
生理周期により卵巣ホルモンの分泌パターンが変わることで、おりものの量や色が変わる場合が多いです。
特に、エストロゲンは、おりものの量を増やしたり、その質を変えるのに影響を与えます。エストロゲンは生理周期に伴いその分泌量が変化し、おりものの量は排卵期をピークに、生理前には減少していく傾向が一般的です。
しかし、妊娠するとエストロゲンの分泌量が減らないため、おりものの分泌量が減らず、結果、いつもより量が増えたと感じることがあります。
イライラする・情緒不安定になる
妊娠初期はホルモンバランスの変化、身体や心の不調、生活習慣の変化により、イライラしたり情緒が不安定になる人もいます。
妊娠するとホルモンが大量に分泌され、それによって精神的な安定が乱れやすくなり、イライラや不安、落ち込みといった感情が起こりやすくなります。
さらに、つわりや体調不良によるストレス、睡眠不足、栄養状態の変化などもイライラの原因に。
生理前には、プロゲステロンとエストロゲンが低下します。このホルモンの減少が脳内のセロトニンという神経伝達物質に影響を及ぼし、気分を落ち込ませたり、イライラを感じやすくしたりすると考えられています。
食欲が増える・なくなる
妊娠中、生理前後ともに、食欲が増える人もいるでしょう。
妊娠中や生理前は、プロゲステロンというホルモンの分泌量が増えます。
このホルモンには体温を上げる働きがあるため、エネルギー消費が増加し食事量が増える傾向があります。
また、エストロゲンの低下により血糖値が不安定になり、甘いものを欲することも食欲が旺盛になる原因のひとつです。
ストレスによりセロトニンが減少し、気分を安定させるために食事を摂る行動が増える人もいます。
ただし反対に、つわりや胃の不快感によって食欲が減少することもあります。
眠気・だるさがある
妊娠初期は、子宮内膜を厚くし、胎児の成長を促進するためプロゲステロンの分泌が増える時期です。そのため、眠気やだるさを感じることがあります。
生理前は、プロゲステロンというホルモンがピークに達する影響で体温が上がり、眠気を引き起こします。
また、生理前は鉄分の消耗も激しいため、鉄欠乏性の貧血により、だるさを感じることもあります。
めまい・立ちくらみがする
妊娠初期は、ホルモンバランスの変動や体内の血流量が増加することで心臓に負担がかかり、めまいや立ちくらみが生じることがあります。
生理前は、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンの分泌が増える影響で自律神経が乱れ、めまいが起こることがあります。
また、生理による血液量の減少から貧血状態になりやすいことも、めまいの原因の一つです。
肌荒れしやすくなる
肌荒れも妊娠初期・生理前の両方の場合で発生しやすい症状です。
妊娠初期はホルモンバランスの変動や、食べすぎやつわりなどによる食生活の変化、寝不足などにより、肌荒れが起こりやすい状況にあるといえます。
生理前も同様に、ホルモンの変動で皮脂が増加し、肌荒れが起こりやすくなります。生理前の肌荒れが生理後に改善していくのに対し、妊娠による肌荒れは長期間続く可能性があるため、適切なスキンケアが重要です。
便秘になる
便秘も、妊娠初期と生理前に共通して現れる症状です。
妊娠初期の便秘は、ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなることが主な原因です。また、つわりで栄養が偏ることも、便秘につながります。
一方、生理前の便秘はプロゲステロンの増加によって便のなかの水分が吸収され、便が硬くなってしまうことで起こります。
いずれの場合も、食物繊維を多く摂取することや適度な運動が便秘解消に役立ちますよ。
むくみやすくなる
妊娠初期も生理前も、むくみの症状が出ることがあります。
妊娠初期のむくみは、プロゲステロンの影響や血液量の増加により生じます。
生理前のむくみも、ホルモンの変動により体内の水分バランスが乱れることによって起こります。特に脚や手首、顔がむくみやすくなることが多いようです。
塩分の摂取を控え、利尿作用のある飲み物を摂るとむくみの軽減につながるでしょう。
妊娠初期症状と生理前の症状の見分け方は?
妊娠初期症状と生理前の症状には、共通している症状が多いため、見分けるのが難しいと感じる人も多いでしょう。
しかし、以下のポイントに着目すると、自身に現れている症状が妊娠によるものなのか生理によるものなのかをある程度区別できるかもしれません。
基礎体温が高いかどうか
妊娠初期は、基礎体温が高い状態(高温期)が続くことが一般的です。基礎体温とは、朝起きてすぐに測る体温のことです。普段から基礎体温を測っている人なら、基礎体温の変化のしかたで妊娠に気づけるかもしれません。
生理周期が28日の場合、排卵期から12〜14日間ほど高温期が続きます。その後、妊娠していない場合は生理予定日にかけて基礎体温が下がりますが、妊娠している場合は高温期が継続します。
高温期が約16日以上続いている場合は、妊娠の可能性が高いでしょう。
妊娠すると高温期が続くのは、排卵後に分泌された黄体ホルモン(プロゲステロン)がそのまま分泌され続けるためです。
体温が高い状態が続くので、体のほてりや熱っぽさを感じることがあります。
生理が来るかどうか
生理が来ない場合、妊娠している可能性があるでしょう。
生理不順でない場合は、生理が1週間以上遅れたら妊娠の可能性があります。ただし、生理が遅れているからといって必ずしも妊娠しているわけではなく、ストレスや生活習慣の変化など、ほかの原因で遅れている場合も考えられます。
生理が遅れている場合は、妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診して妊娠の有無を確認しましょう。
生理がこなかったら100%妊娠してる?
ストレスやダイエットなどの影響の可能性もあります
生理が来ないからといって、100%妊娠を意味するわけではありません。ストレスや激しい運動、食事制限、体重の急な変動などによっても、生理が遅れることがあります。生理が遅れていたら、まずは妊娠検査薬を使い、妊娠の可能性を把握しましょう。
少量の出血がありました。これは生理?
着床出血やほかの原因も考えられるので、血の状態をよく観察しましょう
少量の出血があった場合、生理以外の原因も考えられます。特に、妊娠初期は「着床出血」と呼ばれる少量の出血がみられることがあります。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こるもので、生理の出血に比べて量が少なく、1〜2日程度で終わるのが特徴です。薄いピンク色や茶色の出血が少しだけついているようなら、着床出血かもしれません。ただし、子宮の病気や異常妊娠が原因である可能性も考えられます。いつもの生理とは違う出血がみられたら、早めに医師の診察を受けましょう。
「いつもの生理前の症状と違うな」と感じたら、妊娠のサインかもしれません。
ここでは、妊娠の可能性があるときに行ってほしいことを2つ紹介します。
まずは妊娠検査薬で妊娠の可能性を確かめましょう。
妊娠検査薬とは、採尿部に尿をかけるだけで妊娠の有無を判定できる薬です。生理予定日の1週間後から使用でき、正しく使えば99%以上の精度で検査できます。
検査の結果、陽性反応が出た場合は妊娠の可能性が高いでしょう。ただし、偽陽性や偽陰性が出る場合もあるので、不安であれば日を置いて再検査するか、産婦人科を受診してください。
妊娠検査薬で陽性が出たら、産婦人科を受診しましょう。産婦人科で赤ちゃんの胎嚢と心拍が確認できれば、晴れて妊娠確定となります。
陰性が出た場合でも、気になる症状があれば医師に相談してください。
妊娠の可能性があるときに気をつけることは?
妊娠した可能性がある場合、ママと赤ちゃんの健康を守るため、日々の過ごし方に気を配る必要があります。
ここでは、日常生活で気をつけてほしいことを紹介します。
禁煙する
妊娠の可能性がある場合は、速やかに禁煙しましょう。
妊娠中にタバコを吸うと、ニコチンや一酸化炭素などの有害物質の影響で血管が収縮し、赤ちゃんに栄養や酸素が届きにくくなってしまいます。
赤ちゃんの先天性異常や発育不全、流産や死産などのリスクが高まるので、妊娠していると感じたらすぐに禁煙してください。
受動喫煙も赤ちゃんに影響するので、旦那さんや同居の家族にもタバコをやめてもらいましょう。
可能であれば、妊娠したいと思ったタイミングで禁煙できるとよいですね。
お酒を飲まない
妊娠の可能性がある場合、お酒もすぐに控えましょう。
アルコールを摂取すると、赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群(FAS)」を発症するリスクが高まります。
FASを発症すると、発育の遅れや知的障害などが現れやすくなります。
「何杯までなら赤ちゃんに影響しない」という安全量は確立されていないので、少量の飲酒も禁物です。妊娠の可能性があると感じた時点で、完全にお酒を断ちましょう。
自己判断で薬を飲まない
妊娠の可能性がある場合は、自己判断で薬を服用することは避けましょう。
赤ちゃんに悪影響を与える成分が含まれる薬もあるため、服用前に必ず医師に相談してください。
以前から服用している薬がある場合は、妊娠中でも服用できる薬かを医師に確認してから飲むようにしましょう。
カフェインを摂りすぎない
カフェインの摂取量にも注意が必要です。
妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんの低酸素状態や低出生体重のリスクが増加する可能性があります。
ただし、完全に禁止されているわけではなく、一般的には1日200mg以下(コーヒー1~2杯程度)であれば安全とされています。
カフェインはコーヒーや紅茶、エナジードリンクだけでなく、チョコレートや一部の医薬品にも含まれるため、合計の摂取量が基準を超えないように確認することが大切です。
激しい運動をしない
妊娠の可能性がある場合は、激しい運動を避けましょう。
心拍数が上がるようなトレーニングや危険な運動をすると、ママや赤ちゃんに負担がかかります。転倒のリスクもあるため、体に負荷がかかる運動は控えましょう。
妊娠の可能性があるときは、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い運動がおすすめです。医師に相談して、安全な運動メニューを考えるとよいでしょう。
バランスのよい食事を心がける
妊娠の可能性がある場合、栄養をバランスよく摂ることが大切です。栄養を満遍なく摂取することは、赤ちゃんの健康な成長・発育につながります。
特に、葉酸や鉄分、カルシウム、ビタミンDなどは、赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素です。積極的に食事に取り入れつつ、必要に応じてサプリメントも活用しましょう。
一方、生の魚介類や加熱していない肉などは、食中毒のリスクがあるため避けましょう。魚や肉は、中心部までしっかりと火を通してから食べるようにしてください。
妊娠初期症状と思われる場合は適切な対応を行おう
妊娠初期症状と生理前の症状には共通点が多く、見分けるのが難しいこともあります。基礎体温や生理の有無といった指標で考えてみると、見分けるヒントとなるかもしれません。
妊娠の可能性がある場合は、早めに妊娠検査薬を使用するか、医師に相談しましょう。
妊娠の可能性がある場合は、禁煙や禁酒をするなど、自分と赤ちゃんの健康を守る生活にシフトしていきましょう。
- 妊娠初期症状と生理前の症状には共通点が多い
- 基礎体温や生理の有無で見分けられることも
- 妊娠初期症状は生理予定日の1週間前頃から現れる
- 妊娠の可能性がある場合は妊娠検査薬の使用・産婦人科の受診が大切
- 妊娠の可能性がある場合は健康的な生活を心がけよう
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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