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【専門家監修】育休の手当(育児休業給付金)いくらもらえる?期間は?

【専門家監修】育休の手当(育児休業給付金)いくらもらえる?期間は?

育児休業(育休)を取得すると、国から育児休業給付金(育休手当)を受け取ることができます。実際、自分はいくら貰うことができるのだろうか? いつから支給になるのだろうか? 手続きは? など気になりますよね。育児休業給付金の金額や支給期間、申請方法などを解説します。
育児休業(育休)を取得すると、国から育児休業給付金(育休手当)を受け取ることができます。実際、自分はいくら貰うことができるのだろうか? いつから支給になるのだろうか? 手続きは? など気になりますよね。育児休業給付金の金額や支給期間、申請方法などを解説します。

育児休業給付金とは

育児休業給付金とは、雇用保険に加入している従業員が育児休業中(育休)にもらえる国からの給付金のことです。通常、出産後8週間から子どもが1歳になるまで申請・受給することができます。

企業は育休の労働者に賃金を払う義務はありません。そのため、育休を取得すると収入がなくなってしまったり、減ったりして困ってしまいますよね。子育てにはお金がかかるので、育休中も収入は担保したいところです。

育休の収入減を少なからずカバーできるので、ぜひ育児休業給付金は申請しましょう。ただし、給付額や条件などがあるので、自分が対象であるか把握する必要があります。この記事では育児給付金を初めて申請するママ・パパにもわかりやすく解説しているので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

出典

育児休業給付について 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

いくらもらえるのか

育児休業給付金は所定の計算式を用いて算出した金額がまとまって支払われるものであり、計算式には申請者の給与などが反映されます。そのため、基本的に給与とほぼ同額が支払われることはありません。計算式を理解しておけば給付金がいくらになるか目処が立つので、育休中の生活の見通しが立ちやすくなりますよ。

育児休業給付金の金額を決める計算式は以下のとおりです。

「休業開始時賃金日額」×「支給日数」×67%

「休業開始時賃金日額」とは、育休前6ヶ月間の賃金などの総支給額を180で割った額です。総支給額は保険料などが控除される前の額であり、賞与・ボーナスは含まれません。育休前の半年間の1ヶ月あたりの総支給額が15万円だとして計算してみます。150,000(円)×6(ヶ月)=900,000(円)を180で割るので、休業開始時賃金日額は5,000円です。

「支給日数」は通常30日と考えます。ただし、育休終了日を含む場合は、育休終了日までが支給日数としてカウントされます。例えば、16日に仕事復帰であれば、支給日数は1日から起算して15日と考えます。

休業開始時賃金日額が5,000円だった場合の育児休業給付金を計算すると、

5,000×30×0.67=100,500円

となります。イメージとしては税金がかからないため、「毎月、従来の給与明細の額面の約7割がもらえる」と押さえておけばよいでしょう。

出典

Q&A~育児休業給付~ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

細かいルール

育児休業給付金は条件によって増減することがあります。細かいルールや諸条件も確認しておきましょう。

6ヶ月以降は67%から50%

育休の開始から6ヶ月が経過したあとは67%ではなく50%に減額されます。

②賃金が一定額支払われると給付金が支給されない

勤務先の会社などから「休業開始時賃金日額×支給日数×80%以上」の賃金が支払われると、育児休業給付金は支給されません。

③給付金の上限額がある

育児休業給付金の上限額は、育休の開始から6ヶ月(67%の期間)は301,902円、それ以降(50%の期間)は225,300円です。

④計算する際の賃金の上限・下限がある

休業開始時賃金日額を計算するときの賃金月額の上限は450,600円、下限は77,310円です。実際の賃金が450,600円以上でも、育児休業給付金を計算するときには450,600円を使います。実際の賃金が77,310円以下でも、育児休業給付金を計算するときには77,310円を使います。

出典

高年齢雇用継続給付 育児休業給付 介護休業給付の受給者の皆さまへ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

出典

第 11 章 育児休業給付について 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

いつもらえるのか

育児休業給付金の申請は、支給対象者の勤務先の会社などがハローワーク(公共職業安定所)で行います。

申請後、ハローワークが支給決定を行い、その約1週間後に支給対象者の銀行口座などに振り込まれます。以後、2ヶ月ごとに支給申請を行う流れです。

出産翌日~8週間は産後休業(産休)の期間に当たるため、育児休業給付金の対象にはなりません。その後から育児休業給付金の対象となるため、初回支給は出産から4ヶ月くらいになることが多いので注意しましょう。

近年、男性の育休取得が促進されていて、少しずつ取得される人が増えてきています。女性は産休期間がありますが、男性の場合は子どもが生まれた日から育休を取得することができるため、男性で育児休業給付金の対象となる場合は、初回支給は子どもが生まれてから2ヶ月後くらいが目安です。

振り込みまでに時間がかかるものだとわかっていると安心して待てますが、見込み時期が過ぎても給付されない場合は、念のため勤務先の会社に問い合わせるようにしましょう。

出典

育児休業給付について 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

給付金がもらえる期間は

育児休業給付金は原則、育休の対象となっている子どもが1歳になる日の前日まで支給されます。ただし、支給対象者(労働者)の子どもが1歳になる前に職場復帰した場合は、復帰日の前日までが支給期間です。

また、育休中に妊娠した場合は、産休期間に入る前日に育児休業給付金は支給されなくなります。

出典

Q&A~育児休業給付~ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

例外的に支給されるケース

育児休業給付金は例外的に、子どもが1歳6ヶ月または2歳の誕生日の前日まで支給されることがあります。

次の場合、子どもが1歳6ヶ月まで支給されます。

  • 子どもを保育所に入れることができない場合
  • 子どもを養育している人が死亡したとき、または負傷したり病気にかかったりしたとき、または離婚をしたとき、または出産予定があるとき

もし上記の状態が、子どもが1歳6ヶ月になっても解消しない場合は2歳まで延長されます。

ほかにも条件を満たせば、パパ・ママ育休プラス制度を利用することで1歳2ヶ月まで延長することもできます。

育休の期間については、下記の記事も参考にしてください。

出典

Q&A~育児休業給付~ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

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受給の条件

育児休業給付金を受給するには、次の条件をクリアしなければなりません。

  • 育休が終了したら職場復帰をする予定になっている
  • 育休を開始した日の前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある

ただし、被保険者期間において上記要件を満たさないケースでも、産前休業開始日等*2を起算点として、その日前2年間に賃金支払基礎日数(就労日数)が11日以上*1ある完全月が12か月以上ある場合には、育児休業給付の支給に係る被保険者期間要件を満たす必要があります。

*1

11日以上の月が12か月ない場合、完全月で賃金支払基礎となった時間数が80時間以上の月を1か月として算定します。

*2

産前休業を開始する日前に子を出生した場合は「当該子を出生した日の翌日」、産前休業を開始する日前に当該休業に先行する母性保護のための休業をした場合は「当該先行する休業を開始した日」を起算点とします。

ちなみに、有期雇用労働者は上記の条件に加えて、育休開始時に同じ会社に1年以上雇用されていること。また、有期雇用労働者の場合は、子どもが1歳6ヶ月までの間に労働契約がなくなることが明らかでないことがあります。

出産に関連して「出産手当金」という制度がありますので、こちらも参考にしてくださいね。

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出典

Q&A~育児休業給付~ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

育児休業給付金の申請手続きを行う事業主の方・育児休業取得予定の方へ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

申請方法

育児休業給付金の申請は、労働者の勤務する会社などがハローワークに対して行います。産休前に、育児休業給付金支給申請書育児休業給付受給資格確認票は提出しておきましょう。

希望によっては、会社ではなく本人が申請することもできます。

初回の申請に必要な書類をまとめてみました。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票
  • 母子手帳のコピー
  • 金融機関受取口座の通帳の写し
  • 育児休業給付金支給申請書
  • 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿又はタイムカード等

出典

Q&A~育児休業給付~ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

まずは会社の総務部に相談を

育児休業給付金は、育休中の貴重な「収入源」になるので、申請を忘れないようにしたいものです。事前に、勤務先の会社の総務部などに相談し、早めに準備していきましょう。

育休についても詳しくまとめていますのでこちらの記事もぜひご確認ください。

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参考

育児休業給付について 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

Q&A~育児休業給付~ 」(厚生労働省)、2021年12月閲覧

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