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帝王切開が必要になるのはどんなとき?手術の流れは?安全性やリスクも解説

帝王切開が必要になるのはどんなとき?手術の流れは?安全性やリスクも解説

約20%の妊婦さんが帝王切開で出産するほど、帝王切開は一般的な出産方法。しかし、いざ自分が帝王切開をすることになると、わからないことが多く不安を感じる人もいるでしょう。

この記事では、帝王切開が必要なケースや手術の流れ、メリットやリスクを解説します。手術にかかる費用や持ち物についても紹介していますよ。ぜひ参考にしてください。

約20%の妊婦さんが帝王切開で出産するほど、帝王切開は一般的な出産方法。しかし、いざ自分が帝王切開をすることになると、わからないことが多く不安を感じる人もいるでしょう。

この記事では、帝王切開が必要なケースや手術の流れ、メリットやリスクを解説します。手術にかかる費用や持ち物についても紹介していますよ。ぜひ参考にしてください。

帝王切開とは?

帝王切開が必要になるのはどんなとき?手術の流れは?安全性やリスクも解説

帝王切開は、経腟分娩が難しい場合や危険が及ぶ場合に手術で出産する方法で、現在は5人に1人の割合で帝王切開で出産しています。

まずは、帝王切開の種類や手術方法を確認しましょう。

帝王切開の種類

帝王切開には「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2種類があります。

予定帝王切開は、事前に出産日を決めて行う手術です。陣痛が来る前の妊娠38週頃に行われます。帝王切開で出産するかは妊娠37週までに判断されます。

一方、緊急帝王切開は、赤ちゃんの心拍数に異常が見られる場合や、ママの健康状態が悪化した場合、分娩中にママや赤ちゃんの状態が急変して緊急に手術が必要とされる場合に行われます。

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帝王切開の手術方法

帝王切開の手術方法には、縦切開と横切開の2種類があります。

縦切開は、腹部の中央を縦に切開する方法で、前置胎盤や子宮筋腫、出血量が多くなる懸念がある場合など、緊急性が高い帝王切開の場合に使用されるのが一般的です。

横切開は、腹部の下部を水平に切開する方法で、一般的には予定帝王切開で行われます。横切開は術後の傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。

帝王切開が必要なケースとは?

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ここでは、帝王切開が必要となるパターンを紹介します。どのようなときに帝王切開になるのか、しっかり理解しておきましょう。

経腟分娩が難しい

経腟分娩が難しいと判断される場合は、帝王切開での出産になります。

産道が狭い、ママの骨盤が小さいなどのほか、赤ちゃんが逆子である場合や、横向きである場合にも帝王切開が選択されます。

赤ちゃんが大きすぎる

赤ちゃんが巨大児で経腟分娩が難しい場合、帝王切開になることがあります。巨大児とは、出生体重が4,000g以上の赤ちゃんのことです。

ママが妊娠糖尿病になることによって、赤ちゃんが巨大児になってしまうともいわれているので、妊娠中の食事管理に気を配りましょう。

多胎妊娠している

多胎妊娠(双子や三つ子など)の場合、胎児の数が多いために経腟分娩が困難になることが多く、予定帝王切開になることが一般的です。

双子は経腟分娩で行うこともありますが、赤ちゃんの状態によっては、帝王切開が必要になります。

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過去に帝王切開をしたことがある

過去に帝王切開を経験した場合は、2回目以降の出産も帝王切開で行われることがあります。子宮に以前の帝王切開の傷跡があると、経腟分娩による子宮破裂のリスクが高まるためです。

子宮筋腫などの手術を行った経験がある場合も同様に、帝王切開での出産となる場合が多いです。

また、前回帝王切開になった理由が今回も該当する場合にも、一般的には帝王切開が選択されます。

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分娩中に赤ちゃんの心拍に異常がみられた

分娩中に赤ちゃんの心拍数が急激に低下するなどの異常がみられた場合、赤ちゃんがおなかの中で命の危険にさらされている可能性があります

原因がはっきりしていない場合でも、赤ちゃんに異変があった場合は経腟分娩から緊急帝王切開に切り替える判断がなされます。

分娩中に母体の状態が悪化した

分娩中にママの血圧が急激に上昇したり、多量に出血したりした場合は、ママと赤ちゃんを危険から守るために緊急帝王切開が行われます。

多量の出血が予想される前置胎盤や低置胎盤などの場合は、予定帝王切開になることが一般的です。

帝王切開は安全なの?

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帝王切開は、比較的安全な手術といわれています。経腟分娩より少ないリスクで出産できることから、近年は帝王切開を選択する人も珍しくありません。

日本産婦人科医会からも、経腟分娩よりも帝王切開のほうが死亡率が低いと考えられるデータが報告されています。

しかし、手術である以上、経腟分娩よりも出血や血栓症が起こるリスクがあります。帝王切開の可能性がある場合には、気になる点は医師に確認しておくとよいでしょう。

出典

日本産婦人科医会,「妊産婦死亡報告事業 2019 2010年〜2019年に集積した事例の解析結果」,p3,2024/8/21閲覧,https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/11/e147d306dd675338de60013905478f3f.pdf#page=3

帝王切開のメリットは?

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帝王切開を怖いと感じる人もいるかもしれませんが、帝王切開にもメリットがあります。

詳しく見てみましょう。

出産時のリスクを抑えられる

帝王切開をすることで、出産時のリスクを抑えられます

赤ちゃんの位置が適切でない場合やママの骨盤が狭い場合など、経腟分娩ではリスクが高くなる状況でも、帝王切開を行えばリスクを抑えて安全に出産することが可能です。

痛みを感じずに出産できる

帝王切開は麻酔を使用するため、陣痛の痛みを避けられるというメリットがあります。麻酔を使っても赤ちゃんに影響することはないので、心配する必要はありません。

麻酔が効きづらい場合や、麻酔が効くか心配な場合でも、医師が痛みを感じないように配慮してくれるので、安心して手術に臨むことができます。

出産にかかる時間を短くできる

帝王切開は、1〜2時間程度で出産を終えることができます

経腟分娩の場合、はじめてのお産では平均約14時間、2回目以降のお産は約8時間かかるといわれています。人によってはもっとかかることもあるでしょう。

分娩が長引いてしまうと、ママが疲れてしまうだけでなく、赤ちゃんが低酸素状態になって「胎児機能不全」を引き起こすこともあります。

帝王切開であれば短時間でお産を終えられるので、分娩が長引くことによるリスクを抑えることが可能です。

出産日を事前に把握できる

予定帝王切開の場合は、出産日を事前に決定します。

出産日がすでに決まっていることで、家族や仕事のスケジュールを調整しやすくなり、安心して出産を迎えることができますね

また、医師との相談を通じて最適なタイミングを選ぶことができるため、出産準備も万全に整えることができるでしょう。 

帝王切開のリスクは?

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帝王切開にはリスクも伴います。ここでは、帝王切開手術に伴うリスクや術後の影響を解説します。

合併症を引き起こす可能性がある

帝王切開には合併症のリスクがあります。

手術中に細菌が侵入することで感染症になったり傷口が化膿したりする可能性があるため、術後に抗生物質を使用して感染予防を行います。

また、まれに血栓症や肺塞栓症などの合併症が発生することもあります

子宮の回復に時間がかかる

帝王切開の場合、子宮の回復に時間がかかることがあります。

経腟分娩の場合、子宮は1ヶ月程度でもとに戻るといわれていますが、帝王切開では3ヶ月以上かかることもあります

術後しばらくは、重い物を持たない、過度な運動を避ける、バランスの取れた食事を心がけるなど、無理をせずに過ごしましょう。

後陣痛がつらい

帝王切開後は、後陣痛がつらいと感じられるかもしれません。

後陣痛は、出産のあとに子宮がもとの大きさに戻ろうとすることで生じる痛みで、経膣分娩でも帝王切開でもみられます。

帝王切開の場合、後陣痛による痛みに加え、切開した傷の痛みも同時に感じます。そのため、経腟分娩よりも強い痛みを感じる人もいるようです。

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切開部が痛む

帝王切開後の切開部の痛みは、手術後しばらく続くことがあります

通常は数週間で軽減しますが、痛みを緩和するために医師から痛み止めを処方してもらってもよいでしょう。

帝王切開後は切開部を清潔に保ち、無理をしないことが大切です。

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帝王切開の手術の流れは?

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帝王切開手術の具体的な流れについて、予定帝王切開の場合と緊急帝王切開の場合に分けて説明します。

予定帝王切開の場合

予定帝王切開の流れは以下の通りです。

予定帝王切開の流れ

  1. 事前診察と検査

    手術前に血液検査や心電図、超音波検査などを行い、ママと赤ちゃんの健康状態を確認します。

  2. 入院手続き

    手術予定日の前日に入院し、必要な書類を提出します。また、手術前の絶食や必要な準備について説明を受けます。

  3. 手術前準備

    手術当日の朝、点滴や尿道カテーテルの装着、手術部位の消毒などを行います。

  4. 麻酔

    脊椎麻酔または硬膜外麻酔を使用し、手術中の痛みを感じないようにします。麻酔の効果が確認されたあとに、手術を開始します。

  5. 手術

    腹部と子宮を切開して赤ちゃんを取り出します。麻酔の効きを確認したり、縫合したりという工程も合わせると手術は約1時間ほどですが、切開を開始してからは10分程度で赤ちゃんが生まれます。

  6. 術後管理

    術後は回復室で数時間過ごし、出血や麻酔の副作用などがないかを確認します。その後、病室に戻り経過観察を行います。

    血栓予防のため、次の日から歩行の開始を推奨している病院もあります。

緊急帝王切開の場合

緊急帝王切開の流れは以下の通りです。

緊急帝王切開の流れ

  1. 緊急判断

    分娩中に母体または赤ちゃんの状態が急変した場合、医師が赤ちゃんの心拍確認などを行って、緊急帝王切開を判断します。

  2. 準備

    緊急時には迅速に手術準備が行われます。点滴、カテーテルの装着、手術部位の消毒なども含まれます。

  3. 麻酔

    一般的には胸下の局所麻酔を使用しますが、緊急度が高い場合には全身麻酔が選択されることもあります。

  4. 手術

    腹部と子宮を切開し、赤ちゃんを取り出します。

    緊急帝王切開は緊急性が高いため、手術は迅速に行われ、通常は30分から1時間程度で終了します。

  5. 術後管理

    術後は回復室で経過観察が行われ、ママと赤ちゃんの状態が安定するまで医師や看護師が様子を見ます。

    問題がなければ、その後、病室に移動してさらなる経過観察が行われます。

帝王切開にはどのくらいの費用がかかる?

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帝王切開の費用は、病院や地域によって異なります。2022年の厚生労働省の調査によると、手術費用・麻酔費用・入院費用を含め平均50万円ほどかかるようです。

入院する際に個室を希望すると、費用がさらに高額になることも。

しかし、保険適用により費用の一部がカバーされるほか、出産育児一時金や出産手当金などの制度も利用できます。

出典

厚生労働省,「出産費用の実態把握に関する調査研究」,2024/8/21閲覧,https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000977521.pdf

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帝王切開の手術に必要な持ち物は?

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ここからは、帝王切開の手術の際に準備しておきたい持ち物をまとめています。手術前の参考にしてくださいね。

帝王切開の持ち物チェックリスト

  • 母子手帳と健康保険証(外国人登録証)

    入院手続きや手術に必要です。

  • 診察券

    病院の手続きに必要です。

  • パジャマやガウン

    術後の快適な入院生活のため不可欠です。パジャマは複数枚準備しましょう。

  • スリッパや靴下

    病院内で移動する際に必要になります。冬は寒さ対策のため厚手の靴下がおすすめです。

  • 洗面道具

    歯ブラシ、歯磨き粉、洗顔料、タオルなど日常のケアに必要です。

  • 産褥ショーツ

    術後の出血対応のために必要です。複数枚準備しましょう。

  • 授乳用ブラジャー

    退院後の母乳育児に備えて用意します。こちらも複数枚準備しておくとよいでしょう。

  • 産褥パッド

    術後の出血に対応するために必要です。病院に用意がない場合もあるので多めに準備を。

  • スマホや充電器

    連絡手段やちょっとした空き時間のために持参しましょう。本などを持参してもよいでしょう。

  • 飲み物や軽食

    入院中の空腹対策のために持参しましょう。

  • 書類フォルダー

    各種書類を整理して保管するのに便利です。

帝王切開に関するよくある質問

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5人に1人が帝王切開で出産しているとはいえ、やはり手術は不安ですよね。ここでは、帝王切開に関するよくある質問とその回答をまとめました。参考にしてみてくださいね。

帝王切開で産むのは悪いことなの?

  • 帝王切開は決して悪いことではありません

    周りの人に「出産の痛みを経験してこそいいママになる」「帝王切開は痛みを感じないから楽でしょ?」と言われて不安を感じているママもいるかもしれませんが、帝王切開はママや赤ちゃんの命を守るために必要な方法です。帝王切開は決して悪い選択ではなく、むしろ適切な判断に基づいた安全な出産です。安心して、帝王切開に臨んでくださいね。

帝王切開の入院期間はどのくらい?

  • 1週間ほどと考えておきましょう

    平均的には約1週間から10日間の入院が必要です。経腟分娩よりも2〜3日長いと考えておきましょう。回復状況により、2週間ほどになる場合もあります。術後しばらくは体が回復しようと頑張っている時期なので、退院後も無理をせず安静に過ごしてくださいね。医師の指示に従って生活し、体力をしっかりと回復させましょう。

帝王切開の麻酔ってどんなもの?

  • 一般的には局所麻酔、場合によって全身麻酔を使用します

    帝王切開に使用される麻酔には、局所麻酔と全身麻酔の2つがあります。局所麻酔は下半身のみの感覚を麻痺させるため、意識がある状態で手術が行われます。ママと赤ちゃんへの影響が少ないため、一般的には局所麻酔で手術が行われます。一方、全身麻酔を使う場合は意識がない状態で手術を行います。効きが早く、緊急時に使用されることが多いです。どちらの麻酔を使用するかは、手術時の状況や医師の判断により決定されます。

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帝王切開は母子を守るための手術。メリットとリスクをしっかりと理解しよう

帝王切開が必要になるのはどんなとき?手術の流れは?安全性やリスクも解説

帝王切開は5人に1人の割合で行われており、今では一般的な出産方法になっています。

ママと赤ちゃんの命を守るために必要な手術なので、安心して臨んでくださいね。

経腟分娩が難しい状況でも、帝王切開を行うことで赤ちゃんを安全に出産することができます。また、出産時の痛みを感じずに済むのも特徴の一つです。

ただし、リスクはゼロではないので、メリットとデメリットをしっかりと理解したうえで手術に臨みましょう。

  • 帝王切開には予定帝王切開と緊急帝王切開の2つがある
  • 帝王切開はママと赤ちゃんの命を守るために必要な手術
  • 出産前後の予定が立てやすいなど、予定帝王切開にはメリットも多い
  • 金銭的な負担を抑えるために、保険や制度を活用しよう
  • 入院期間は1週間ほど。退院後も安静に過ごしましょう

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