【医師監修】切迫流産とは?原因と症状、妊娠中の注意点なども解説
切迫流産という言葉を聞いたことはあるものの、実際はどんなものなのかよくわかっていないという人もいますよね。
この記事では、切迫流産とはどのようなものか、切迫流産の原因や症状、治療法などを詳しく解説します。
安心して妊娠生活を送るために、ぜひチェックしてくださいね。
切迫流産という言葉を聞いたことはあるものの、実際はどんなものなのかよくわかっていないという人もいますよね。
この記事では、切迫流産とはどのようなものか、切迫流産の原因や症状、治療法などを詳しく解説します。
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切迫流産とは?
切迫流産とは、赤ちゃんがまだ子宮内にいるものの、流産しかけている状態のこと。妊娠22週未満に起こり、出血や腹痛などの症状が現れます。
切迫流産と診断された場合は、自宅か病院で安静に過ごさなければなりません。
妊娠中期以降は出血がなく下腹部の痛みのみが症状としてあらわれることも。出血や下腹部痛などの兆候が見られた場合は、早急に医師の診察を受けてください。
切迫流産と流産の違いは?
切迫流産は妊娠を継続できる可能性がありますが、流産は妊娠が継続できない状態を指しています。
切迫流産は、妊娠22週未満に腹痛や出血で病院を受診すれば誰でも診断されるものです。必ずしも直ちに流産しそうな状態を指しているわけではありません。約90%の確率で回復するとされており、妊娠継続が十分可能です。
一方、流産はすでに赤ちゃんが亡くなっていることを示しており、それ以上妊娠を継続することはできません。
切迫流産の原因は?
流産には避けられないものもありますが、注意することでリスクを低下できるものもあります。
ここでは、切迫流産につながる原因について解説します。
子宮の異常
子宮筋腫や子宮内膜症などを患っていると、切迫流産のリスクが高まることがあります。
子宮の疾患によって、赤ちゃんが成長するためのスペースを圧迫したり、胎盤の位置に影響を与えることがあるのです。
子宮の病気を早期発見するために、妊婦健診で子宮の状態を定期的に確認し、必要に応じた治療を受けましょう。
感染症
妊娠中の感染症も切迫流産の原因の一つです。
クラミジアなどの性感染症にかかると炎症が起こりやすく、流産のリスクが高まります。また、インフルエンザやB型肝炎、サイトメガロウイルスも赤ちゃんの命に関わるため注意が必要です。
感染症を予防するために、妊娠中は定期的に健診を受けましょう。感染の兆候に気がついたら、すぐに医師に相談してくださいね。
疲れ・ストレス
過度な疲労やストレスも切迫流産のリスクを高める原因です。
妊娠中は心身ともに負担が大きいもの。過度なストレスや疲労が続くと子宮収縮が起こりやすくなり、切迫流産のリスクが高くなります。
ストレスを軽減するためには十分な休息を取り、ヨガや深呼吸で気持ちを落ち着かせたり、趣味を楽しむ時間を作ったりすることが大切です。
切迫流産になるとどんな症状が出る?
切迫流産には、いくつか予兆となる症状があります。症状から切迫流産を早期に発見し、適切な対応を取ることが重要です。
出血
出血は、切迫流産の一般的な症状の一つです。出血の量は少量から多量までさまざまで、色も鮮血や茶色っぽい血など出血した場所によって異なります。
出血が止まらない場合や、出血がひどい場合は直ちに医師に相談してください。
腹痛
切迫流産のおもな症状として、腹痛もみられます。
痛みは下腹部に起こり、軽い鈍痛から激しい痛みまでさまざまです。持続時間も一定ではなく、断続的に痛みがあらわれることがあります。特に強い痛みや持続的な痛みがある場合は、早急に医師の診察を受けましょう。
また、切迫流産の腹痛は必ずしも出血を伴うわけではありません。出血がなくとも痛みが強い場合は、迷わず診察を受けてくださいね。
切迫流産はどうやって診断する?
切迫流産と診断する際、自覚症状の問診や超音波検査などを受けます。
超音波検査では、赤ちゃんの心拍の確認と同時に、胎盤や子宮の状態を確認します。これにより、赤ちゃんの健康状態や切迫流産になっているかどうかを把握できるのです。
そのほか、血液検査や内診などが行われることもあります。
切迫流産と診断された場合の治療法は?
切迫流産と診断された場合、症状が軽ければ特別な治療を受ける必要はありません。経過観察と安静が何より重要です。
ここでは、切迫流産のおもな治療法や対処法を解説します。
家で安静に過ごす
切迫流産と診断された場合は、自宅で安静にするように医師から指示されることがあります。安静にすることで子宮の収縮を抑え、流産のリスクを減らせます。
横になって過ごす時間を増やし、無理な動作や激しい運動は避けてください。家事や仕事も最小限に抑え、ストレス解消を心がけながら過ごすとよいでしょう。
どのくらいの期間安静にすればよいかは、医師と相談してくださいね。
医師に処方された薬を服用する
切迫流産の状態によっては医師に薬を処方されることがあります。
処方されるのは、おもに子宮の筋肉に働きかけ、収縮を抑えるための薬です。医師の指示に従い、用法・用量を守って服用しましょう。
必要に応じて入院する
症状が重い場合や自宅での安静が難しい場合には、入院が必要になることもあります。入院中は、基本的にベッドに横になって過ごし、点滴による栄養補給や投薬、赤ちゃんの状態を確認するための定期的な超音波検査などを受けます。
症状が治れば退院できますが、その後も自宅で安静に過ごす指示が出ることがあります。
切迫流産と診断された場合の注意点は?
切迫流産と診断された場合、日常生活でいくつか注意したい点があります。流産のリスクを抑えるためにも、ポイントを押さえておきましょう。
仕事を休む
切迫流産と診断された場合、基本的には仕事を休むことになります。
症状が軽い場合は仕事を続けることもできますが、立ち仕事や重いものを運ぶ業務、長時間のデスクワークなどは避けましょう。通勤ラッシュや長時間の歩行、自転車での移動がある場合は、医師に相談しましょう。
休職や業務の調整をお願いするときは、職場に医師の診断書を提出し、上司や同僚に状況を説明しましょう。
休職する場合、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる可能性があります。あらかじめ支給条件をチェックしておくとよいでしょう。
家事は最低限にとどめる
切迫流産と診断されたら、家事も最低限に抑えましょう。重いものを持ち上げる、掃除機をかけるなどの負担の大きい家事は、家族にサポートをお願いするとよいですね。また、家事の分担を見直すことも大切です。
家事代行サービスの利用も検討してみましょう。
セックスは控える
切迫流産と診断された場合、セックスは控えてください。精液に含まれる成分により子宮収縮が引き起こされ、流産のリスクが高まる可能性があります。
医師の指示に従い、妊娠が安定するまでセックスは控えるようにしましょう。
切迫流産の症状が治まったあとも、お腹を圧迫する体位は避けてくださいね。
自分を責めない
切迫流産と診断されると自分を責めてしまう人もいますが、切迫流産は誰のせいでもありません。
また、切迫流産と診断された人の約90%は回復し、出産を無事迎えることができているともいわれています。切迫流産と診断されても、あまり悲観的にならないようにしてくださいね。
切迫流産のリスクを低下させるには?
ここでは、切迫流産を予防するために日常生活のなかでできることを紹介します。具体的な方法を詳しく見ていきましょう。
栄養管理を心がける
栄養バランスのよい食事を摂ることで、切迫流産や流産のリスクを抑えられる可能性があります。
特に、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らす効果がある葉酸や、貧血防止につながる鉄分などを積極的に摂取するとよいでしょう。
葉酸は、普段の食事に加え1日400μg摂取することが推奨されています。サプリメントも適切に活用して、しっかり摂るようにしてくださいね。
葉酸が摂れるおすすめレシピ
鉄分が摂れるおすすめレシピ
重いものを持たない
妊娠中に重いものを持ってしまうと、おなかに力が入って子宮が圧迫され、切迫流産・流産につながるおそれがあります。
重いものを持っても切迫流産にはつながらないとするデータもありますが、体に負担をかける行動は避けたほうが安心です。
重い荷物や家具の移動などは避け、必要な場合は家族などに手伝ってもらいましょう。
激しい運動をしない
心拍数が過剰に上がるような激しい運動は、ママだけでなくおなかの赤ちゃんにも負担がかかります。飛び跳ねたり長時間走ったりするような運動は避けましょう。
一方で、軽い運動は妊娠中の健康維持に役立ちます。ウォーキングや妊婦さん向けのヨガ、ストレッチなどを積極的に取り入れてみてくださいね。
どのくらいの運動なら問題ないのかがわからないときは、医師に相談してみましょう。
タバコを吸わない
タバコを吸うと、切迫流産のリスクが大きく高まります。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮する働きが、一酸化炭素にはヘモグロビン量を低下させる働きがあり、赤ちゃんの正常な発育が妨げられてしまうことがあるのです。
妊娠がわかった時点で速やかに禁煙し、切迫流産のリスクを抑えましょう。受動喫煙もおなかの赤ちゃんに影響するので、家族にも禁煙してもらってください。
自力で禁煙するのが難しいときは、禁煙外来を受診しましょう。
アルコールを控える
妊娠中にお酒を飲むと、赤ちゃんに悪影響を与えます。アルコールが胎盤を通じて赤ちゃんに移行してしまい、発育不全や流産のリスクが高まるのです。
タバコと同様、妊娠がわかったらすぐにお酒を控えてください。お酒が入っているお菓子も口にしないようにしましょう。
カフェインを過剰摂取しない
カフェインの摂りすぎも切迫流産につながる可能性があります。完全に控える必要はありませんが、過剰に摂取してしまわないよう注意してください。
妊娠中のカフェイン摂取は、1日にコーヒー2杯程度にとどめましょう。
コーヒーや紅茶だけでなく、チョコレートにもカフェインが含まれているので、食べ過ぎには十分注意してくださいね。
体を冷やさない
妊娠中は体を冷やさないように心がけることも大切です。体が冷えると血流が悪化し、子宮の収縮を引き起こす可能性があります。
冷え対策には、暖かい服を着たり、適度に運動をして血行をよくすることが効果的です。生姜を入れた温かい飲み物を摂取するのもよいですね。
切迫流産に関するよくある質問
ここでは、切迫流産に関してよくある質問を紹介します。気になる疑問を解消し、安心して妊娠期間を過ごしてくださいね。
切迫流産になりやすい人の特徴は?
既往歴や体質、生活習慣などが影響します
切迫流産になりやすい人にはいくつかの特徴があります。子宮筋腫や子宮内膜症などの既往歴を持つ人、ホルモンバランスが乱れやすい体質の人、ストレスや過労が多い生活を送っている人があげられます。また、過去に流産や早産の経験がある人もリスクが高いとされています。
切迫流産は治るの?
高い確率で回復するといわれています
切迫流産は、適切な治療と管理を行えば高い確率で回復します。およそ90%以上もの確率で通常の妊娠に戻ることができるといわれています。特別な治療を受けなくても、しっかりと安静にすることで多くの妊婦さんが無事に妊娠を継続しているのです。切迫流産が治るまでの期間は人によって異なりますが、数週間から数ヶ月で治ることが多いようです。医師の指示に従い、無理をせずにリラックスして過ごしましょう。
切迫流産と切迫早産の違いは?
切迫流産は流産しそうな状態、切迫早産は早産の可能性が高い状態です
切迫流産は妊娠22週未満に流産の可能性が高い状態を指す一方、切迫早産は妊娠22週以降に早産のリスクが高まっている状態を指します。つまり、両者の違いはニンシンシュウスウによる違いです。同じ症状でも、妊娠22週を超えているかどうかで言い方が変わります。どちらも出血や腹痛が起こり、安静にすることが大切です。早期に発見できるよう、定期的に妊婦健診を受けるようにしましょう。
切迫流産と診断されても慌てないで!まずは体を安静に
切迫流産は、流産しそうな状態を指します。診断されると「私が悪いのかな?」「流産してしまったらどうしよう」と不安になるかもしれませんが、切迫流産と診断された人の約90%が回復し、出産を迎えられています。
切迫流産と診断されても慌てず、医師のアドバイスにしたがって安静にして自分と赤ちゃんを労わってくださいね。
- 切迫流産は流産しかけている状態のこと
- 切迫流産の原因には、ストレスや感染症などがある
- 切迫流産と診断されたらまずは安静に!仕事や家事もお休みして
- 妊娠中の体に負担をかけずに過ごすことで切迫流産のリスクを減らそう
- 適切に対処すれば高い確率で妊娠は継続できる
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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