【医師監修】妊娠中のマイナートラブルがつらい!原因と対策を解説
妊娠中は喜びがいっぱいの時期ですが、一方で、妊娠期特有のちょっとした体調不良が生じることも。
この記事では、そんな妊娠中のマイナートラブルの原因と対策を紹介し、安心して妊娠生活を送れるようにするポイントをご紹介します。
不安を解消して、快適なマタニティライフを過ごす参考にしてくださいね。
妊娠中は喜びがいっぱいの時期ですが、一方で、妊娠期特有のちょっとした体調不良が生じることも。
この記事では、そんな妊娠中のマイナートラブルの原因と対策を紹介し、安心して妊娠生活を送れるようにするポイントをご紹介します。
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妊娠中のマイナートラブルとは?
妊娠中に起こり得る「マイナートラブル」とは、重大な健康問題ではないものの、日常生活に不便や不快感を与える軽度の体調トラブルのことです。
一般的に、ホルモンバランスの変化、身体的な負担の増加、必要となる栄養の変化などにより引き起こされます。
妊娠中の母体の変化やマイナートラブルの主な原因
妊娠中の女性の体は、赤ちゃんを育てるためにさまざまな変化がみられます。
これにはホルモンの変動が大きく関わっており、特に女性ホルモンである「プロゲステロン」と「エストロゲン」の増加がマイナートラブルを引き起こす一因となっています。
これらのホルモンは、妊娠の維持に不可欠ですが、同時に便秘や頻尿、腰痛や情緒の不安定といった症状を引き起こします。
妊娠時期別のよくある症状と特徴
妊娠期間を通じて、女性の体にはさまざまな症状が生じます。
マイナートラブルは個人差があり、妊娠の時期によっても症状が異なります。
ここでは時期別の主な症状について詳しくみていきましょう。
妊娠初期のマイナートラブルの症状と特徴
妊娠初期には、つわりをはじめ、疲労、頻尿、情緒不安定といった症状を実感する妊婦さんが多いです。
これらの症状は、急激に変化するホルモンが影響しており、妊娠に気づく前から生じる人もいます。
妊娠初期の主なトラブルのつわりは、妊娠8週目頃にピークを迎える人が多いです。つわりで栄養バランスが崩れると、便秘や肌あれなどのトラブルが生じることもあります。
妊娠初期の主な症状
つわり(吐き気、食べづわり、嗅覚過敏、眠気、倦怠感、唾液量の変化)
イライラ・情緒不安定
便秘・痔
肌荒れ・乾燥
頻尿
頻尿
おりものの変化(量の増加、においの変化)
妊娠中期のマイナートラブルの症状と特徴
妊娠中期には、つわりはおさまる人が多いですが、初期の症状に加えて腰痛や脚のつり、便秘などが見られます。
妊娠中期の症状は、赤ちゃんの成長にともない子宮が大きくなることや、血液量の増加、体重の増加などが影響しています。
トラブルとは異なりますが、胎動を感じられるようになるのも妊娠中期です。胎動により、胃腸の違和感や不快感を感じる人もいるでしょう。
妊娠中期の主な症状
手足のむくみ・脚のつり(こむら返り)
腰痛
妊娠線
便秘・痔
胃もたれ・胃の違和感・胃痛
歯肉炎・歯周病・虫歯
肌トラブル
髪のパサつき・抜け毛
体毛が濃くなる
妊娠後期のマイナートラブルの症状と特徴
妊娠後期になると、胸焼けや呼吸の苦しさ、睡眠障害が起こりやすくなります。
これは、子宮がさらに大きくなり、胃を圧迫したり肺の広がりを妨げたりするためです。
また、むくみや動悸・息切れも一般的な症状の一つです。これらは、出産時に備えて身体が水分を保持しようとしたり、血液量が増えたりすることが原因です。
妊娠後期は子宮がどんどん大きくなるため、頻尿・尿漏れなどの尿トラブルに悩む人もいます。
妊娠後期の主な症状
手足のむくみ・脚のつり(こむら返り)
おなかの張り
動悸・息切れ
腰痛
尿漏れ・頻尿
脚の付け根の張りや恥骨の痛み
静脈瘤
貧血
眠れなくなる・寝不足
手のしびれ
妊娠中のマイナートラブルの症状と対策
ここでは、妊娠時期ごとによく見られる症状と、それらに対する効果的な対策を詳しく解説していきます。
つわり・吐き気
つわりは妊娠初期に起こる人が多く、多くの妊婦さんが悩まされる症状のひとつです。
原因は妊娠に伴うホルモンバランスの変化です。
つわりの主な症状
吐きづわり(嘔吐・吐き気)
食べづわり(食欲が増える、何か食べていないと気持ち悪くなる)
嗅覚過敏(これまで平気だった香りがダメになるなど、匂いに敏感になる)
眠気
だるさ
唾液の増加
特に多くの人が感じるのが吐き気。
吐き気が強いときには、一度の食事量を減らし回数を増やす、食べ物の形状や温度を工夫してみましょう。
また、強い匂いがする食べ物や脂っこい食べ物を避け、冷やしたり酸味を加えると食べやすくなることもありますよ。
つわりで食事が摂れなくても、一時的なものであれば心配しなくても大丈夫です。
しかし、脱水症状や体重が減るなど、症状がひどい場合は、医療機関を受診しましょう。
お腹の張り
おなかの張りは、妊娠中期から後期にかけてよく見られます。
これは子宮が成長することで周囲の組織が伸びるために起こります。おなかの張りを感じたときは、いったん動きを止めて、座ったり、横になったりしてリラックスして過ごすようにしましょう。
また、長時間同じ姿勢でいることを避け、定期的に体勢を変えることで、おなかが張ることの予防になります。
安静にしておさまる場合は心配しなくても大丈夫ですが、張りや痛みが続く場合や出血を伴う場合は医療機関を受診しましょう。
むくみ
妊娠中のむくみは、妊娠中期から妊娠後期に多く見られ、体内の水分と血液の量が増えることで起こります。
足を高くして休む、適度な運動を行うことが予防・対策につながります。
また、日常的には塩分の摂取を控え、水分をこまめに取ることで体内の循環を良くすると、むくみを予防することができますよ。
胃痛・胃もたれ
妊娠中は子宮が大きくなって胃が圧迫されることやホルモンバランスの変化により、胃痛や胃もたれが起こることがあります。
この症状は特に妊娠中期から後期にかけてよく起こります。
対策として、食事は一度の量を控えて回数を増やし、胃に負担がかからないようにするといいでしょう。
食後すぐに横になると胃酸が逆流し、吐き気を覚えることもあるので、しばらくは上体を起こしたまま過ごすのがおすすめです。
どうしてもつらいときは、妊娠中でも飲める胃薬を処方してもらえることもあります。市販の胃薬を自己判断で飲むことはせず、必ず医師に相談してください。
胃もたれの注意点
1回の食事で量を摂りすぎない
食後にすぐに横にならない
就寝前の食事を控える
市販の胃薬は自己判断で服用しない
便秘・痔
妊娠中はつわりによる食事の不足や水分不足、またホルモンバランスの変化が原因で腸のぜん動運動が低下することにより、便秘を引き起こすことがあります。
便秘が長引くと痔のリスクも高まります。
対策としては、食物繊維を多く含む食事を心がけ、十分な水分を摂ることが重要です。
また、身体に負担のかからない程度の軽い運動も腸の活動を促進します。
下痢
妊娠中には便秘だけでなく、下痢に悩む方もいます。これは食生活の変化やストレス、ホルモンバランスの変化などによるものです。
脱水を防ぐためにも、水分補給は欠かせません。
食事は消化の良いものを選び、辛い食べ物や刺激の強い食べ物は避けるようにしましょう。
倦怠感
妊娠時期を通じて、倦怠感が強くなることがあります。これは身体胎児の成長に大きなエネルギーを使っているためです。
十分な休息を取り、バランスの取れた食事を心がけることが、エネルギーレベルを保つのに役立ちます。
肩こり
肩こりは、ホルモンバランスの乱れや血行不良などにより引き起こされることがあります。
また、ストレスも肩こりを悪化させる一因です。
リラックスを促す呼吸法を意識し、妊婦に適した運動やストレッチで血行をよくすると楽になることがあります。
あまりにつらいときは妊娠中でも受けられる整体やマッサージを受けてみるのもいいでしょう。
整体やマッサージを受ける場合は、事前に検診などで産科医に受けても問題ないか確認してください。
腰痛
妊娠中は、リラキシンという女性ホルモンが骨盤周辺の関節や靭帯をゆるめる働きにより、腰痛を感じる人が少なくありません。
子宮が大きく、重くなることにより特に中期から後期にかけてつらく感じる人が多いようです。
腰痛を軽減するためには、妊娠中でもできる軽い運動やストレッチを日常的にすることを心がけましょう。
また、マタニティ用の骨盤サポートベルトを使用することで骨盤を締め、上半身をしっかり支えられるようになるので腰への負担が軽減されます。
虫歯
妊娠中はホルモンバランスの影響で唾液が減り、口の中が乾燥することや、免疫力の低下によって虫歯になりやすくなります。
つわりで歯磨きの頻度が減ることも口内環境の悪化の要因のひとつ。
歯医者さんでの虫歯治療や歯のクリーニングは妊娠中でも受けられるので、悪化する前に受診しましょう。
妊娠後期はおなかが大きくなり、歯医者さんでの受診体勢が苦しく感じる人も多いので、体調が落ち着く妊娠中期ごろに歯科検診を受けるとよいでしょう。
また、日常的にていねいな歯磨きとフロスの使用、さらには定期的な歯科検診で虫歯の予防を心がけましょう。
頭痛
妊娠中は、血液が水分で薄まるうえ、血液を作るのに必要な鉄分が赤ちゃんに優先的に送られるため貧血になることが多く、貧血が頭痛につながることもあります。
ホルモンバランスの変化や運動不足、ストレスも頭痛の原因になり得ます。
まずは安静にリラックスして適切な休息をとるようにしましょう。特に目を休ませることが頭痛の改善に効果的です。適度な水分補給も心がけましょう。
また、原因が貧血である場合には根本となる貧血の改善が必要です。つらいときは医師に相談してください。
妊娠中は、頭痛薬・痛み止めは医師・薬剤師に確認してから服用するようにしましょう。
情緒不安定・イライラ
妊娠中はホルモンバランスの変化により、情緒不安定やイライラに悩まされる人も少なくありません。
まずは規則正しい睡眠やバランスのいい食事を心がけ、リラックスして過ごせるといいでしょう。
生活リズムを整えることで、自律神経も自然と整います。ウォーキングやマタニティヨガなど、呼吸をいしきしながら身体を動かしてみるのもおすすめ。
そのほかにも趣味を楽しんだり、映画を見たり、ご自身のストレス解消方法を探してみてください。
つらいときは我慢しすぎず、パートナーや家族に相談し、必要に応じて医師や専門家に相談してみましょう。
肌トラブル(乾燥・シワ・色素沈着)
妊娠中はホルモンバランスの変化が肌の状態にも影響し、乾燥、シワ、色素沈着が起こりやすくなります。
特に妊娠中期から後期にかけて顕著になることが多いです。
予防・対処法としては、日々の紫外線対策、保湿が重要です。外出時は日光を避けて防止や手袋などをし、UVカット効果のある製品で日焼け対策を行いましょう。
38℃~39℃くらいのお風呂にゆっくりつかり、入浴後はしっかり保湿をします。
また、ビタミンCとビタミンEの摂取を意識したバランスの良い食事と十分な水分摂取も肌の健康を保つのに役立ちますよ。
妊娠線
妊娠線は、妊娠中期から後期にかけて急激におなかが大きくなることで、皮膚が引き伸ばされた結果現れます。
約50~80%の妊婦さんに現れるといわれており、一度できると完全に消えることはありません。予防するためには、おなかが大きくなる前から保湿を心がけることが大切です。
また、体重の急激な増加も妊娠線がよりできやすくなってしまうので、つわりが落ち着いてからは体重の変化にも注意しましょう。
毛が濃くなる・抜け毛
妊娠中は、女性ホルモンだけでなく男性ホルモンも活発になります。また、女性ホルモン、男性ホルモン両方の影響で体毛が濃くなることがあります。
これは一時的なものであり、産後に元に戻ることが多いため特に治療の必要はありません。
毛が濃くなると自宅で除毛や脱毛をしたくなるかもしれませんが、妊娠中は肌がデリケートになるため避けましょう。
足がつる
主に妊娠中期から後期にかけて、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの不足、血行不良が原因で足がつったり、こむら返りを起こしたりします。
予防するには、カルシウムやマグネシウムといったミネラルをしっかり摂れるバランスの良い食事、定期的な軽い運動、十分な水分摂取を心がけましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかり、足や下半身の血行をよくするのも効果的です。体の冷えも血行不良につながるため、体を温かく保ちましょう。
夜間に足がつる場合は、寝る前にストレッチを行うのもおすすめです。
動悸・息切れ
妊娠中、特に後期には血液量が増え、心臓がたくさんの血液をポンプで送る必要があるため、動悸や息切れが発生しやすくなります。
ホルモンバランスの変化や貧血が原因のこともあるでしょう。
動悸や息切れを感じたときは、無理せずしっかり休息をとります。急に立ち上がったり、激しい動きを控えましょう。
ストレスも原因になるので、リラックスできる環境も大切です。
貧血が原因であれば受診や治療が必要です。息切れがひどい場合は、医師に相談してください。
不眠・眠れなくなる
妊娠中の不眠は、ホルモンバランスの変化、精神的なストレスや、おなかが大きくなることでの体勢の不快感などが複合的に関係しています。
大切なのはリラックスできる就寝環境を整備すること。ぬるめのお風呂にゆっくりつかり、寝る前のテレビやスマホは避け、軽いストレッチや深呼吸をして眠りにつきやすくしましょう。カフェインはお昼以降摂取しないようにします。日中は負担のかからない軽い運動をして、仮眠は短時間にとどめ、午前中にとるようにするといいでしょう。
貧血
妊娠中は血液量が増える一方で、十分な赤血球を作れなくなるため鉄分不足から貧血を起こしやすくなります。
妊娠が進むにつれて鉄分が不足する傾向が強くなりますが、妊娠初期でも貧血に悩まされることはあります。
鉄分、とくにヘム鉄を多く含む食品を摂るようにして、それでも改善しない場合は医師に相談しましょう。必要に応じて鉄剤を処方してくれることがあります。
サプリメントは栄養の過剰摂取につながることもあるため、使用の際は医師に確認してくださいね。
尿漏れや頻尿
妊娠中の尿漏れや頻尿は、子宮が大きくなって膀胱に圧力をかけることで起こりやすくなります。
対策としては、骨盤底筋を鍛えるエクササイズが有効です。
尿漏れや頻尿があるからといってトイレを我慢したり水分の摂取を控えると、膀胱炎や脱水症につながります。
こまめにトイレに行き、適切に水分を摂るようにしてくださいね。
性器からの出血
妊娠中に性器から出血が見られることがあります。
妊娠初期の出血は珍しいものではありません。出血も軽いことが多く、妊娠に関わる何らかの自然な現象によるもので、過度に心配しなくてもよいでしょう。
しかし、出血は子宮外妊娠や切迫流産、常位胎盤早期剥離など、注意が必要な体のサインの可能性もあります。
妊娠時期によって出血による心配もさまざまなので、大量の出血や痛み・張りを強く感じるなど、何か異常を感じたらすぐに医師の診察を受けましょう。
特に、激しい痛みや大量の出血の場合は救急車を呼ぶなど、早急な対応が必要です。
注意すべき出血の例
色が鮮やかな赤・鮮血
量が多い・出血が続く
腹痛を伴っている
妊娠中のマイナートラブルを防ぐための過ごし方
妊娠中のマイナートラブルは多岐にわたりますが、日常生活の中での小さな工夫によって予防や軽減が期待できます。
ここでは食事や水分補給、適度な運動やトレーニング、休息や睡眠など、トラブルの予防に効果的な過ごし方を解説します。
食事・栄養バランスの工夫
妊娠中のバランスのよい食事は、赤ちゃんの成長のほか、ママが悩まされる便秘、貧血、むくみなど多くのマイナートラブルの予防にも効果的です。
栄養バランスの取れた食事を意識し、特に食物繊維を多く含む食品、鉄分やカルシウムに富んだ食品を積極的に取り入れることが大切です。
また、妊娠糖尿病の予防のためにも、過剰な糖質の摂取は避けましょう。
葉酸や鉄分など、妊娠中に不足しがちな栄養素はサプリメントで摂取するのも効果的です。しかし、食事のバランスやサプリメントの内容によっては、特定の栄養素の過剰摂取につながることもあるため、事前に医師に確認してから取り入れましょう。
水分補給
適切な水分補給は、むくみや便秘、尿路感染症などの予防につながります。
妊娠中は体が通常時よりも多くの水分を必要とするため、一日に2リットル前後の水分摂取を目安にしてください。
ただし、カフェインの摂取は控えめにし、糖分の多い清涼飲料水などはとりすぎないように気をつけましょう。
姿勢の工夫
妊娠中の正しい姿勢は、腰痛や肩こりの予防に役立ちます。
特に反り腰や長時間同じ姿勢でいることは避け、ストレッチや動きを取り入れることがおすすめです。
座るときは腰にクッションを挟むなどすると、腰への負担を軽減できますよ
適度な運動やトレーニング
妊娠中の適度な運動は、血行を促進し、妊婦さんの健康維持に効果的です。
特に妊娠に適したエクササイズ、例えばウォーキングやマタニティヨガ、軽い水泳などは、腰痛や便秘、不眠の予防、ストレス解消に効果的です。
運動する際は、体の状態に応じた運動方法を医師に確認し、過度な負荷を避け、安全に注意を払いながら行うようにしましょう。
休息や睡眠
十分な休息と良質な睡眠は、妊娠中の倦怠感や情緒不安定を軽減するために大切です。
不眠を防ぐためには、寝室の環境を整え、寝る前のリラックスタイムを設けることが効果的です。
横になる時や寝る時は、「シムス位」をとると負担が抑えられるでしょう。
薬や治療
一部のつらいマイナートラブルに対しては、治療や薬の服用が必要になることもあります。
例えば、重度の便秘や皮膚トラブルに対しては、適切な薬の使用をしないと改善できないこともあります。
ただし、妊娠中は薬の使用に特に注意が必要です。自己判断での薬の使用は避け、必ず医師の指導のもとで服薬するようにしてください。
妊娠中のマイナートラブルの医療機関の受診目安
妊娠中のマイナートラブルは多くの場合、家庭でのケアや日常の注意で管理できますが、症状によっては医療機関での専門的な診断と治療が必要です。
ここでは、どのような状況で産婦人科の受診が必要なのか、また症状が悪化した時の対応について解説します。
産婦人科の受診目安
妊娠中、次のような症状や兆候が見られた場合は、産婦人科を受診しましょう。
受診が必要な目安
多量の出血
腹部の強い痛み・継続的な痛み
高熱
持続的な頭痛
視覚障害やめまい・ふらつき
激しい動悸・息切れ
急激な体重増加・減少
極端な食事の偏り・食事や水分が摂れない状態
これらは、妊娠に関連する合併症の可能性を示すサインです。激しい出血や腹痛などの場合は救急対応が必要になることもあります。
いつもと異なる症状が現れたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
症状が悪化した際の対応
マイナートラブルであっても症状が悪化した場合、すぐに医療機関へ受診しましょう。
症状が軽いものであれば、電話相談で対応策を聞くこともできます。
一方で、症状がおさまらない場合や明らかな悪化が見られる場合は、救急車を呼ぶか直接最寄りの医療機関を受診することも検討しましょう。
妊婦健診の機会に対策について相談するのも大切
日常的に気になる症状がある場合は、妊婦健診の際に遠慮なく医師に相談しましょう。
早期に相談することで、必要な場合には追加の検査や治療を受けることができ、症状の悪化を防ぐことにつながります。
時には、重大な病気の早期発見につながることもあります。違和感や不安は妊婦健診を活用して解消してくださいね。
妊娠中のマイナートラブルとパートナーや家族のサポート
妊娠中は妊婦さん本人だけでなく、パートナーや家族のサポートが非常に重要です。
家族がどのように支援できるか、また心のケアとコミュニケーションの重要性について解説します。
パートナーや家族ができる支援方法
妊婦さんはホルモンバランスの変化や、大きくなる子宮・胎児の影響を受けるため、心身にさまざまな影響が生じます。
日常生活を穏やかに過ごすには、パートナーや家族の支援が欠かせません。
たとえば、家事を分担して負担を軽減する、定期的に通院に一緒に行く、必要な栄養が摂れるよう食事の準備をするなど、積極的にサポートできるとよいでしょう。
自治体や産婦人科の医療機関などで定期的に行われる、両親学級では妊婦の大変さやサポートの必要性が学べます。パートナーと一緒に参加するのもおすすめですよ。
心のケアとコミュニケーションのポイント
妊娠中は情緒が不安定になりやすく、精神的なサポートも同様に重要です。
パートナーや家族は、妊娠中の女性の感情を理解し、話をじっくり聞くことで心のケアができる存在です。
また、正しい情報を共有し、妊娠についての不安や疑問を解消することも心の安定につながるでしょう。
必要に応じて、医療機関や専門家のサポートも活用してくださいね。
妊娠中のマイナートラブルと職場での対応
妊娠中の女性にとって、安定的に働くには職場の理解やサポートも重要です。
マイナートラブルへの対応と職場での働き方の工夫について解説します。
妊娠中の働き方の工夫
妊娠中は体調が安定せず、通勤や勤務に支障がでることがあります。
満員電車で気分が悪くなったり、営業職では外回りがつらくなったりします。
次のような工夫ができるよう、職場と調整できるとよいでしょう。
妊娠中の働き方の工夫
通勤時間・勤務時間を調整する
在宅勤務を活用する
仕事内容を調整する(重いものを持つ・外回りなどに注意)
長時間同じ姿勢を取らない
こまめに休憩をとる
体調を優先しながら、仕事を続けられるよう、無理のない範囲で仕事ができるように調整できるとよいですね。
体調によっては、医療機関を受診してアドバイスをもらったり、自分の職場の人事部門と相談することも大切です。
職場(同僚や上司)とのコミュニケーションの重要性
妊娠を公表するタイミングや、職場の同僚や上司との適切なコミュニケーションも働く妊婦さんにとって非常に重要です。
妊娠による体調の変化や必要な配慮を事前に伝えることで、理解や協力を得やすくなります。
また、急な欠勤や長期の入院に備え、事前に引き継ぎや対応策を準備しておくことも重要です。
一方で、必要な協力が得づらい場合は、所属部門だけではなく人事(労務)にも相談しましょう。
妊娠中のマイナートラブルに関するよくある質問
ここでは妊娠中の体調管理に関するよくある疑問をご紹介します。
妊娠中は症状が出たら薬を飲んでもいいのですか
医師・薬剤師に確認し、自己判断での薬の服用は避けましょう
妊娠中の薬の使用は医師の指導のもとで行う必要があります。自己判断での薬の摂取は胎児に影響を与える可能性があります。処方された薬以外は独断での使用を避け、必要な場合は医師に相談してください。
医療機関を受診すべき目安は?どの程度なら様子を見てよいですか
出血や発熱などの症状がある場合は、医療機関を受診しましょう
軽い不快感や一時的なものは妊婦健診での相談で十分な場合が多いです。無理せず横になるなどしてリラックスして過ごし、様子を見ましょう。一方、次のような症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
病院を受診してほしい症状の例
持続する強い痛み
出血
高熱
激しい頭痛
視覚障害
異常なむくみ
妊娠中のマイナートラブルは無理せず・ゆっくり過ごして対処を
妊娠中のマイナートラブルは、誰にでも起こりうるものです。
基本的には、妊娠中のホルモンバランスの変化や子宮が大きくなることによるものなので、過度に心配しなくてもよいものがほとんど。
できるだけ栄養バランスの良い食事を摂り、穏やかに過ごせるようにしましょう。
また、妊娠中はパートナーや家族、職場の理解サポートが不可欠です。無理をせず、周りの人に助けを求めながら乗り切ってくださいね。
- マイナートラブルにはさまざまな症状がある
- 症状は個人差があり時期により異なる
- 一時的で軽度の症状は過度に心配しなくてよいものが多い
- 激しい症状や持続的な症状は医療機関を受診しよう
- 周囲のサポートを得ながら穏やかに過ごそう
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本サイトでは正確な情報を提供できるよう最善を尽くしておりますが、妊娠期の母体の状態は個々人により異なるためすべての方に適用できるものではございません。
記事の一部では妊娠中の方から寄せられた体験談を紹介しておりますが、個人の実体験に基づいており医学的根拠があるものとは限りません。専門家の見解と異なる意見も含まれるためご注意ください。
掲載情報に基づく判断はユーザーの責任のもと行うこととし、必要に応じて適切な医療機関やかかりつけの病院などに相談・受診してください。
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