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【トモニテお悩み相談】どれを選ぶ? 避妊方法について知っておこう【産婦人科医監修】
避妊(ひにん)とは?
妊娠を望んでいないときに、何らかの方法で排卵を抑制したり、受精や受精卵の着床を防ぎ、妊娠しないようにすることをいいます。
避妊方法にはどのようなものがある?
年齢や生活環境、パートナーの考えなどにより自分に適した避妊方法が変わってくる可能性があります。それぞれメリットやデメリットがあります。
どの避妊方法も、100%避妊できるわけではないので注意が必要です。
コンドーム
男性の性器に装着して使用します。精子が子宮に入るのを防ぎます。
性感染症を予防するという意味合いもあります。
メリット:性感染症の予防ができる。男性が行える。
デメリット:女性主体で避妊ができず、男性の協力が必要。破損や脱落、精液が漏れたりすることがある。使用には技術が必要。
妊娠率(避妊の失敗率):理想的な使用方法で2%、一般的な使用方法で15%(パール指数※)
※パール指数:一年間に100人が女性使用1年間何人妊娠するかを示す数。指数が低いほど避妊する効果が高いとされている。以下妊娠率(避妊の失敗率)は、パール指数より抜粋。
経口避妊薬(低用量ピル)
女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合された薬で排卵を抑えます。
正しく服用することで高い避妊効果を得られます。
避妊以外にも月経困難症や子宮内膜症の治療にも用いられています。
メリット :女性主体で避妊できる。正確に服用すれば避妊効果が確実。避妊以外にも副効用がある。
デメリット:個人差はあるものの、 服用開始から数週間程度、悪心や不正出血をきたすことがある。
喫煙者など血栓症のリスクが高い人はピルを服用してはいけないケースもある。
妊娠率(避妊の失敗率):理想的な使用で0.3%、一般的な使用(飲み忘れなども含む)で8%
現在妊娠を望んでいない人、月経困難症など生理(月経)について悩みがある人などが使用。
銅付加IUD(子宮内避妊具)
子宮内に銅イオンを放出する小さな器具を入れ、受精と受精卵の着床を防ぎます。
婦人科や産婦人科での1回の装着で、2〜5年ほど効果が持続します。
避妊効果は低用量ピルと同等といわれています。
メリット:女性主体で避妊ができる。薬の飲み忘れがない。妊娠を希望したときは器具を外すことで可能。
デメリット:月経量が増えることがある。痛みがあることがある。医師による挿入が必要。銅アレルギーの場合は使用できない。
まれに自然に脱出することがある。
妊娠率(避妊の失敗率):理想的な使用方法で0.6%、一般的な使用方法で0.8%
産後の人、ピルを飲みたくない人、喫煙、肥満などでピルの内服を止められている人などに使用。
器具を外せば妊娠が可能です。
銅付加IUDも薬剤付加IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)も、妊娠を希望するときには婦人科や産婦人科で外せます。
2〜5年装着できるということであって、外せないというわけではないです。
薬剤付加IUSのほうが薬剤を使用しているので、少し生理の再開が遅い可能性がありますね。いずれにしても、外すことで妊娠が可能なのであまり心配する必要はありません。

薬剤付加IUS:子宮内黄体ホルモン放出システム※
子宮内に、黄体ホルモンを放出する器具を入れます。
黄体ホルモンが子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、受精卵が着床しにくくなるという仕組みです。
日本では、2007年に避妊システムとして発売されました。過多月経、月経困難症にも効果があることがわかり、2014年に保険適用となりました。(※製品名:ミレーナ)
海外では、銅付加IUDのほうはあまり好まれていませんでした。
ところが薬剤付加IUSは治療にもなるということでだんだん使用されるようになってきました。
逆に日本では、ピルの承認に時間がかかっていたので子宮内避妊具のほうが使用されていた、という経緯があります。
メリット:除去すれば再び妊娠が可能。乳汁分泌に影響がないため出産後6週間経過し、子宮が元の大きさに戻れば使用することができる。
デメリット:不正出血、痛みをきたすことがある。まれに自然に脱出することがある。
妊娠率(避妊の失敗率):理想的な使用方法、一般的な使用方法ともに0.1%
産後の人、ピルを飲みたくない人、喫煙、肥満などでピルの内服が止められている人、月経困難症、過多月経の人などに使用。
出産経験がなくても入れる人もいます。
一般的に経腟分娩後だと、赤ちゃんが産道を通っているので比較的入れやすいのですね。
ただ帝王切開でもある程度子宮頸管はやわらかくなっています。帝王切開だったから、入れられないということはないですよ。
出産経験がない人でもミレーナを入れる人もいますね。ただし経腟分娩後の人よりは入れるのに痛みを伴う可能性はあります。
麻酔を使って行える病院もあるので相談してみるとよいですね。
※ミレーナ:薬剤付加IUS:子宮内黄体ホルモン放出システム

基礎体温法
基礎体温の変化から排卵日を予測し、排卵日近くの性交を避ける方法です。
逆に妊娠を希望するケースでも排卵日を予測し、性交を持つ方法があります。
生理が不順であったりすると不確実となります。
メリット:副作用がない。自分の生理の周期を知れる。
デメリット:毎朝、体温測定を継続する必要がある。基礎体温が体調に左右されやすい。ストレスなどでも変動して排卵日を見つけにくい可能性がある。
妊娠率(避妊の失敗率):理想的な使用方法で1〜9%、一般的な使用方法で25%
自分自身の排卵の周期について知りたい人、排卵が起こっているのがどうか知りたい人が行う。
避妊手術
避妊手術は今後妊娠を希望せず、行いたいという人もいますが、行う人は現在では減ってきています。
女性は婦人科で手術をし、「卵管」という卵子の通り道を手術で止めます。
男性は泌尿器科で手術をし、「精管」という精子の通り道を手術で止めます。
メリット:避妊の効果はほぼ確実であること。
デメリット:手術が必要となる。再建術を行っても回復できないことがある。
妊娠率(避妊の失敗率):
女性:理想的な使用方法で0.5%、一般的な使用方法で0.5%
男性:理想的な使用方法で0.1 %、一般的な使用方法0.15%
緊急避妊法(アフターピル)
避妊に失敗したり、性暴力を受けたりした場合に使用します。
性交後72 時間(3 日間)以内に婦人科を受診し、緊急避妊薬(アフターピル)を1回飲むだけで、約80%妊娠を避けられるとされています。
ただし、100%確実に妊娠を防ぐというわけではありません。
あくまでも緊急なので、以降は低用量ピルなどで確実な避妊が必要です。
もっとも避妊に効果的なのは低用量ピル、性感染症も予防するならコンドームも使用
普段から低用量ピルを飲むことで、予期せぬ妊娠を高い確率で防ぐことができます。ただし低用量ピルだけでは性感染症のリスクはあります。
性感染症の予防ということも含めてであれば、両方の使用が望ましいともいえますね。
パートナーとも十分に避妊について話し合えることが理想だといえます。
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連載の目次
【トモニテお悩み相談】生理(月経)は実は必要ないもの?【産婦人科医監修】
第1回避妊以外の効果? 低用量ピルの話【トモニテお悩み相談 低用量ピル前編】
第2回ピルって怖くない? 副作用は?【トモニテお悩み相談 低用量ピル後編】
第3回【トモニテお悩み相談】かかりつけの婦人科・産婦人科は必要⁉︎【産婦人科医監修】
第4回【トモニテお悩み相談】辛いときの対処法 -【産婦人科医監修】
第5回産婦人科医が答える!悩み・疑問Q&A 生理編【1】【産婦人科医監修】
第6回産婦人科医が答える! 悩み・疑問Q&A 低用量ピル編【産婦人科医監修】
第7回産婦人科医が答える!悩み・疑問Q&A 生理編【2】【産婦人科医監修】
第8回【トモニテお悩み相談】もしものために知っておこう!アフターピル【産婦人科医監修】
第9回【トモニテお悩み相談】どれを選ぶ? 避妊方法について知っておこう【産婦人科医監修】
第10回【トモニテお悩み相談】妊娠中のセックス コンドームって必要?【産婦人科医監修】
第11回【トモニテお悩み相談】妊娠中にセックスはしてもいい?【産婦人科医監修】
第12回【トモニテお悩み相談】性感染症になると赤ちゃんに影響がある?【産婦人科医監修】
第13回【トモニテお悩み相談】生まれたときから卵子が減り続けているって本当?【産婦人科医監修】
第14回【トモニテお悩み相談】知っておきたい高齢妊娠,出産のリスクについて【産婦人科医監修】
第15回【産婦人科医監修】精子の機能は男性が高齢になると妊娠・出産に影響する?
第16回産婦人科医が答える! 悩み・疑問Q&A 高齢妊娠・出産編【産婦人科医監修】
第17回妊娠中に知っておきたい性感染症① 性器ヘルペスウイルス感染症【産婦人科医監修】
第18回妊娠中に知っておきたい性感染症② 性器クラミジア感染症【産婦人科医監修】
第19回