
【医師監修】妊娠初期の寒気の原因は?つわりや流産との関係・対処法も解説
妊娠初期は、ホルモンの変化や貧血、低血糖などによって、寒気を感じることがあります。寒気がすると「もしかして流産の兆候?」「風邪や感染症だったらどうしよう」と心配になる人もいるでしょう。
この記事では、妊娠初期の寒気の原因や対処法、注意が必要な症状について解説します。寒気による赤ちゃんへの影響や、寒気が続く期間にも触れるので、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠初期は、ホルモンの変化や貧血、低血糖などによって、寒気を感じることがあります。寒気がすると「もしかして流産の兆候?」「風邪や感染症だったらどうしよう」と心配になる人もいるでしょう。
この記事では、妊娠初期の寒気の原因や対処法、注意が必要な症状について解説します。寒気による赤ちゃんへの影響や、寒気が続く期間にも触れるので、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠初期に寒気が起きるのはなぜ?つわりとの関係は?

妊娠初期に寒気を感じることは珍しくありません。
寒気の主な原因には、ホルモンバランスの変化、貧血、低血糖などがあります。詳しくみていきましょう。
ホルモンバランスの変化
妊娠初期には、女性ホルモンのバランスが急激に変化します。これにより自律神経が乱れ、体温調節がうまくいかなくなり、寒気を感じることがあるのです。また、妊娠を維持するために「プロゲステロン」というホルモンが分泌されることで、体温が高くなります。そのため、相対的にまわりの気温を低く感じ、寒気につながるとも考えられています。
鉄分不足による貧血
妊娠中は赤ちゃんに優先的に鉄分が運ばれるため、ママ自身の鉄分が不足して貧血になりやすくなります。
特に妊娠初期はつわりの影響で食事が十分に摂れず、鉄分不足による貧血が起こることも珍しくありません。
貧血になると、全身に酸素や血液がうまく行きわたらず、冷えや寒気を引き起こす原因となります。
つわりによる低血糖
つわりがひどくなると食事が思うように摂れず、低血糖状態になることがあります。
血糖値が低下するとエネルギー不足になり、体温調節がうまくできなくなるため、寒気を感じやすくなるのです。
寒気のほか、冷や汗やめまいなどの症状がともなうこともあります。
妊娠初期の寒気はいつまで続く?

妊娠初期の寒気は、妊娠4〜5ヶ月頃になると落ち着くことが一般的です。
この頃には胎盤が完成し、ホルモンの分泌量も安定するため、寒気が自然とおさまることが多いでしょう。
ただし、寒気が続く期間には個人差があります。もっと早い時期に寒気が治まる人もいれば、妊娠中期以降も続く人もいます。
妊娠初期の寒気が流産につながることはある?

妊娠初期の寒気自体が流産につながることは基本的にありません。
寒気はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが原因で起こるもので、妊娠にともなう自然な反応です。
ただし、高熱をともなう寒気や強い腹痛、出血などがある場合は、感染症など何らかの疾患が原因の可能性があります。
赤ちゃんの発育に影響することもあるので、異常を感じた場合は無理をせず、すぐに医師に相談しましょう。
妊娠初期の寒気の有無や度合いで赤ちゃんの性別がわかる?
妊娠初期の症状と赤ちゃんの性別との間に医学的な関連性はありません
妊娠初期の症状の内容や程度によって、赤ちゃんの性別がわかることはありません。また、赤ちゃんの性別は受精の時点で決まっているので、妊娠初期の症状によって赤ちゃんの性別が決まるわけでもないのです。
妊娠初期に寒気を感じたときの対処法は?

妊娠初期の寒気の原因はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れ、低血糖や貧血などさまざまですが、適切な対策をとることで症状を和らげることができます。
ここからは日常生活で取り入れやすい対処法を紹介するので、寒気を感じた際の参考にしてくださいね。
上着や厚手の服装で対策する
寒気を感じたときは、まず服装選びを工夫してみましょう。
特に、妊娠初期は体温が高くなりやすく体温調整が難しいため、簡単に着脱できる重ね着スタイルがおすすめです。
たとえば、カーディガンやパーカーなどの羽織ものを持ち歩くと、気温や体調に応じて調整しやすくなります。足元を冷やさないように靴下やレッグウォーマーを活用するのも効果的ですよ。
体を温める
寒気を感じるときは、入浴や温かい飲み物で体を温めるとよいでしょう。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで血行が促進され、寒気が和らぎます。
ただし、長時間の入浴や熱すぎるお湯はのぼせや脱水の原因になります。38〜40℃ほどのお湯に10分程度浸かるのがおすすめですよ。
また、飲み物は生姜湯や白湯などがおすすめです。カフェインの摂りすぎは赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるので、ノンカフェインの飲み物を選ぶようにしてください。
軽くつまめるものを常備しておく
妊娠初期はつわりの影響で食事が十分に摂れず、低血糖による寒気が起こることがあります。特に、空腹の状態が長時間続いたり、食事量が少なかったりすると血糖値が下がりやすいので、軽くつまめるものを常に用意しておくと安心です。
たとえば、ナッツ類やドライフルーツ、クラッカーなどは手軽に食べられ、血糖値の低下を防ぐのに役立ちます。食べ過ぎには注意しながら、空腹を避ける工夫をしてみてくださいね。
なるべく栄養バランスを意識する
寒気対策のため、可能な範囲で栄養バランスを意識してみましょう。
特に、鉄分を多く含む食品を適度に摂ることで、貧血による寒気を軽減できる可能性があります。鉄分は、たんぱく質やビタミン、葉酸などと一緒に摂ると吸収されやすくなるため、意識的に取り入れられるとよいですね。
ただし、つわりによる吐き気や食欲不振などの症状があるときは、無理をせず食べられるものを食べるようにしましょう。
鉄分が豊富な食品
レバー
レバーにはビタミンAも多く含まれます。妊娠初期に過剰に摂取すると赤ちゃんに影響する可能性もあるので、適切な量を食べるようにしましょう。牛レバーなら1日30g程度、鶏・豚レバーなら週1〜2回30g程度が目安です。
あさり
がんもどき
納豆
かつお
小松菜
鉄分と一緒に摂りたい栄養素
たんぱく質
豊富な食品:牛肉、鶏ささみ、いわし、きな粉、豆腐など
ビタミンB6
豊富な食品:ブロッコリー、切り干し大根、玄米、ライ麦パン、いりごまなど
ビタミンB12
豊富な食品:しじみ、さんま、にしん、うずらの卵など
葉酸
豊富な食品:干しひじき、枝豆、ほうれん草、アスパラガス、卵など
適度に体を動かす
寒気を感じるときは、軽い運動で血流を促すのも効果的です。ウォーキングやストレッチ、軽いヨガなどを取り入れることで、自律神経が整い、寒気対策につながります。
ただし、過度な運動はママや赤ちゃんに負担がかかるので、軽い運動にとどめましょう。また、体調がすぐれない場合は無理せず、休息を優先することも大切です。
妊娠以外に考えられる寒気の原因は?

妊娠初期に寒気を感じた場合、必ずしも妊娠が原因とは限りません。
風邪や感染症によって引き起こされている場合もあり、以下の可能性が考えられます。
寒気があるときに考えられる原因
風邪(ウイルス感染症)
寒気に加え、軽い発熱や喉の痛み、鼻水、くしゃみなどをともなうことがあります。
インフルエンザ
風邪(ウイルス感染症)の一種ですが、より高い発熱(38℃以上など)、関節痛、強い倦怠感が特徴です。妊娠中は重症化しやすいこと、また適切な治療薬によって胎児への影響を抑えられることなどから、受診や治療が必要です。
胃腸炎
寒気に加えて吐き気や下痢、腹痛がみられます。
新型コロナウイルス感染症
発熱、倦怠感、咳、味覚・嗅覚異常などさまざまな症状がみられます。
当てはまる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
病院を受診したほうがよい症状とは?

38℃以上の高熱が続く場合、インフルエンザや新型コロナウイルスなど感染症の可能性があります。
また、ガタガタ震えるほどの寒気(悪寒)がある場合も注意が必要です。
気になる症状がある場合は、自己判断せずに医師に相談してください。
お腹の赤ちゃんのためにも、少しでも異常を感じたら早めに受診することが大切です。
妊娠初期の寒気は自然な反応。気になる症状があれば医師に相談を

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化や貧血、低血糖などにより寒気を感じることがあります。
寒気を感じたときは、服装を工夫する、温かい飲み物を飲むなどして対策を行いましょう。バランスのよい食事を心がけることでも、症状を和らげられることがありますよ。
ただし、高熱や悪寒などをともなう場合、風邪など感染症の可能性が考えられます。少しでも「変だな」と感じたら、早めに医師に相談しましょう。
妊娠中の体の変化に戸惑うこともあるかもしれませんが、適切な対策をとることで快適に過ごせるようになるかもしれません。無理をせず、リラックスしながら体調を整えていきましょう。
- 妊娠初期に寒気を感じるのは珍しいことではない
- ホルモンバランスの変化や貧血、低血糖などが主な原因
- 妊娠4〜5ヶ月頃には落ち着くことがほとんど
- 体を温める、栄養バランスや適度な運動を心がけるなどして対策を
- 高熱や強い腹痛、出血などがみられる場合は早めに受診しよう
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
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掲載情報に基づく判断はユーザーの責任のもと行うこととし、必要に応じて適切な医療機関やかかりつけの病院などに相談・受診してください。
出典
- 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター,「低血糖」,2025/3/14閲覧
- 東京かつしか赤十字母子医療センター,「貧血について」,2025/3/14閲覧
- 日本産婦人科医会,「『貧血予防にはレバーたくさん食べろ』と本に書いてあります。でも、レバーなどのビタミンAのとりすぎは胎児に悪影があるそうですね。どっちが正しいのですか?」,2025/3/14閲覧
- JAグループ,「妊娠したら気を付けよう①摂取量に注意したい食べ物」,2025/3/14閲覧
- 国立がん研究センター,「『貧血がある方のお食事』」,p9,2025/3/14閲覧
- 日本臨床スポーツ医学会,「妊婦スポーツの安全管理基準」,2025/3/14閲覧
- 厚生労働省,「ーからだづくりの基礎となる『主菜』は適量をー」,p24,2025/3/14閲覧
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