【医師監修】妊娠週数の計算方法は?出産予定日までのスケジュールや時期ごとの様子・変化も解説
妊娠週数とは、妊娠の経過を週単位で表したものです。妊娠週数について理解すれば、ママや赤ちゃんの状態をより具体的に把握できます。
この記事では、妊娠週数の計算方法や出産予定日までのスケジュールを解説。妊娠週数ごとの様子・変化も紹介します。
妊娠週数に伴うママの体の変化と赤ちゃんの成長を理解し、より充実した妊娠生活を送りましょう。
妊娠週数とは、妊娠の経過を週単位で表したものです。妊娠週数について理解すれば、ママや赤ちゃんの状態をより具体的に把握できます。
この記事では、妊娠週数の計算方法や出産予定日までのスケジュールを解説。妊娠週数ごとの様子・変化も紹介します。
妊娠週数に伴うママの体の変化と赤ちゃんの成長を理解し、より充実した妊娠生活を送りましょう。
妊娠週数の数え方は?
妊娠週数とは、ママのおなかの中で赤ちゃんが成長していく経過を数える単位のことです。妊娠週数は、基本的に最終月経が始まった日を妊娠0週0日として数え始めます。妊娠0週0日は最終月経の開始日なので、実際にはまだ妊娠していません。
妊娠週数の数え方には、妊娠週数と妊娠月数の二つの数え方があります。
注意しておきたいのが、妊娠週数は「満」で数え、妊娠月数は「数え」で数えるということです。
たとえば妊娠週数は、最終月経の開始日から6日後までは妊娠0週と数えます。7日経ったら1週と数えるので、妊娠0週6日の次が妊娠1週0日となります。
一方、妊娠月数は最終月経の開始日から28日後までを妊娠1ヶ月とします。そのため「妊娠0ヶ月」は存在せず、妊娠0週でも妊娠3週でも妊娠1ヶ月となるのです。
出産予定日の計算方法は?
出産予定日は、最終月経開始日を妊娠0週0日とし、そこから280日後(40週0日)とする方法が一般的です。
出産予定日を知ることで、妊娠の進行状況が把握でき、出産に向けた準備に取りかかれるでしょう。
出産予定日を簡単に計算する方法として「ネーゲレ概算法」があります。計算式は上の画像のとおりです。
例えば、最終月経開始日が4月1日の場合、計算式に当てはめると「(4−3)月(1+7)日」となり、出産予定日は1月8日となります。
最終月経開始日を入力すれば自動的に出産予定日を算出してくれるツールもあるため、活用してみるとよいでしょう。
出産予定日までのスケジュールは?
妊娠期間は「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」の3つに分かれます。それぞれ確認していきましょう。
妊娠初期:妊娠1〜4ヶ月(0〜15週)
妊娠0週は生理期間です。生理開始日から2週間後の妊娠2週目頃に排卵と受精が起こり、妊娠3週目頃に着床が完了します。
個人差はありますが、妊娠5〜15週にかけてつわりの症状が現れ、妊娠8〜11週につわりのピークを迎える人が多いとされています。
妊娠初期は流産しやすい時期なので、体に負担をかける行動は控えてください。
妊娠中期:妊娠5〜7ヶ月(16〜27週)
妊娠中期にあたる妊娠5〜7ヶ月は、つわりが治まり流産のリスクも下がることから「安定期」と呼ばれることも。ただし、流産や早産のリスクはゼロではないので、無理は禁物です。
妊娠後期:妊娠8〜10ヶ月(28〜40週)
妊娠8ヶ月からは妊娠後期に入ります。妊娠37〜41週は赤ちゃんがいつ生まれてもよいとされる時期なので、体調の変化に十分注意してくださいね。
妊娠時期ごとの体の変化は?
妊娠すると、ママの体はどのように変化するのでしょうか。
妊娠時期ごとに起こるママの体の変化や感じやすい症状について解説します。
妊娠初期:妊娠1〜4ヶ月(0〜15週)
妊娠初期はママが妊娠に気づく時期です。個人差はありますが、妊娠2ヶ月(妊娠4〜7週)ごろに、生理が来ないことなどから妊娠に気づくことが多いでしょう。
妊娠1ヶ月(妊娠0〜3週)を、妊娠初期と区別して「妊娠超初期」と呼ぶこともあります。
ママの体の中では、妊娠を維持するためにホルモンバランスが変化することで、妊娠超初期症状が現れることも。妊娠4週目ごろからつわりが始まるママもいます。
妊娠初期は、周囲の人が妊娠に気づくような体型の変化は見られません。体重やおなかの大きさも妊娠前と変わらないでしょう。
妊娠中期:妊娠5〜7ヶ月(16〜27週)
妊娠中期は安定期と呼ばれます。体内のホルモンの状態が安定し、つわりが治まって体調が落ち着く頃です。
妊娠中期には胎動を感じるようになります。赤ちゃんの性別もわかるようになる時期ですよ。
また、妊娠中期は赤ちゃんの成長に伴って、おなかが目に見えて大きくなります。そのため、腰痛などの症状が現れる時期でもあります。
ママはもちろん、おなかの赤ちゃんのためにも、バランスの良い食事を心がけ、自分に合った適正な体重コントロールが大切です。
妊娠後期:妊娠8〜10ヶ月(28〜40週)
妊娠後期は出産への期待が高まる一方で、体の不快感も増す時期です。赤ちゃんの誕生に向けて、体と心の準備を整えていく大切な時期だといえるでしょう。
妊娠後期になると、ママのおなかはさらに大きく目立つようになります。赤ちゃんもどんどん成長するため、ママの体重が増えやすい時期です。また、赤ちゃんの胎動はますます大きくなり、時には痛みを伴うこともあるでしょう。
また、大きくなったおなかが内臓を圧迫することで息切れや頻尿に悩まされたり、胸やけや食欲減退を感じたりすることもあります。
妊娠時期ごとの赤ちゃんの様子は?
次に、妊娠時期ごとの赤ちゃんの変化を紹介します。
妊娠初期:妊娠1〜4ヶ月(0〜15週)
妊娠初期は、赤ちゃんの臓器や神経などの重要な器官が作られる時期です。着床したての受精卵は1mmほどしかありませんが、少しずつ各機能を発達させていきます。赤ちゃんを包む胎嚢や心拍が確認できるのは妊娠6週ごろからです。
妊娠4ヶ月頃には赤ちゃんは身長16cmほどまでに成長。この頃には、身体の器官のほとんどが形成されています。手や指が出来上がったり、筋肉がついてきたりと、赤ちゃんは人間らしい外見を整えていきますよ。
妊娠中期:妊娠5〜7ヶ月(16〜27週)
妊娠中期は性別が確認できるようになる時期です。また、妊娠16週ごろには耳が聞こえるようになるといわれています。
妊娠中期に入ると、赤ちゃんは急速に成長する段階に入ります。特に妊娠27週(妊娠7ヶ月)頃になると、赤ちゃんの身長は約38cm程度まで成長。ママのおなかの中で活発に動き回るようになり、指を口にもっていくおしゃぶりのような動作も見られるようになります。
妊娠後期:妊娠8〜10ヶ月(28〜40週)
妊娠後期は、赤ちゃんも誕生に向けての準備を進める時期です。
妊娠後期の赤ちゃんはすべての臓器が完成し、さらに成長を続けます。妊娠10ヶ月ごろには、身長は約50cm、体重は3,000gに近づくでしょう。丸くふっくらとした体型になり、皮膚に張りが出て新生児の姿に近づきます。
爪もしっかり伸び、超音波写真では髪の毛も確認できますよ。赤ちゃんに寝て起きてという1日のサイクルができ始めるのも妊娠後期の特徴です。
赤ちゃんが産まれるのはいつ頃?
赤ちゃんが生まれる時期によって3つの呼び方があります。それぞれのリスクや対策について見ていきましょう。
早産:妊娠22〜36週
早産とは、妊娠37週未満(妊娠22週0日~妊娠36週6日まで)の期間に出産すること。早産は全妊娠の約5%に見られるといわれています。
早産には、体が自然に出産の準備を始めてしまう「自然早産」と、妊娠高血圧症候群や胎児発育不全など、ママや赤ちゃんの健康上の理由によって医師の判断で出産を早める「人工早産」があります。
早産は赤ちゃんの発育に影響を与える可能性が高いため、できるだけ予防することが大切です。飲酒や喫煙などライフスタイルの乱れも早産の原因となることがあるので、生活習慣には気をつけましょう。
おなかの張りや出血などの症状に注意し、異常を感じたら速やかに医療機関を受診してください。
正期産:妊娠37〜41週
正期産とは、妊娠37週0日~41週6日までの期間に出産することです。正期産は全妊娠の約90%に見られるといわれています。
妊娠37〜41週の間に生まれる赤ちゃんは、ママのおなかの外で生きていくために必要な能力が整っており、いつ生まれてきてもよい状態です。リスクも低いため、この期間での出産が望ましいとされています。
過期産:妊娠42週〜
過期産とは、妊娠42週0日以降に出産することを指します。過期産の発生率は、全妊娠の4〜10%程度といわれています。
過期産は、ママと赤ちゃんのリスクが高くなるため注意が必要です。妊娠40週を過ぎると胎盤機能が低下し、赤ちゃんに必要な酸素や栄養が不足します。さらに、羊水が減少し心拍異常を引き起こす可能性もあるのです。
過期産を防ぐために、妊娠41週に入ると、医師が今後の方針を検討します。妊娠42週以降は赤ちゃんの死亡率が急上昇するため、ママと赤ちゃんの命を守るために誘発分娩を行うケースが一般的です。
また、現在の産婦人科では、ママと赤ちゃんの安全を第一に考えた出産管理が行われています。そのため、予定日を大きく過ぎての過期産は少なくなっているのが現状です。
妊娠週数に関するよくある質問
ここでは、妊娠週数に関する気になる質問と回答をまとめました。
出産予定日が変わることはある?
初期の超音波検査や妊婦検診の進行によって変更になることがあります
多くの場合、妊娠11〜14週頃に出産予定日がほぼ確定します。しかし、その後の検査や状況によっては出産予定日が変わることもあります。一般的に妊娠週数は、月経周期が28日であるという前提のもと、最終月経が始まった日を妊娠0週0日として計算します。しかし、ママによっては生理不順だったり最終月経の開始日がわからなかったりするケースもあり、計算結果との誤差が生じる可能性もあるでしょう。そこで、超音波検査で赤ちゃんの実際の大きさを測定し、平均的な赤ちゃんの成長度合いと比較します。これによって医師は妊娠がどのくらい進んでいるかを判断し、必要に応じて妊娠週数を変更することがあります。
出産予定日どおりに生まれる確率はどのくらい?
数パーセント程度とされています
実際に出産予定日ちょうどに生まれる割合は数パーセント程度とされています。出産が予定日どおりでない背景には、妊娠週数の計算に誤差が生じることや、赤ちゃんの成長速度の違いなど、さまざまな要因があります。出産のタイミングは多くの要因によって決まるため、完全に予測することは困難です。出産予定日はあくまで目安として理解し、心の準備をすることが大切です。
出産予定日どおりに生まれた?
トモニテ編集部では、妊娠・出産を経験した女性を対象に、妊娠週数ごとのお悩みや過ごし方についてのアンケートを実施。
そのなかで出産の時期について調査したところ、「出産予定日の8日以上前」と回答した人が30%(66人)と最も多い結果となりました。
次いで多かったのは「予定日の4〜7日前」で17.7%(39人)、「予定日の1〜3日後」で15.9%(35人)という結果に。
「予定日当日」と回答した人は9.1%だったことからも、出産予定日どおりに生まれるケースは少ないことがわかります。
出産予定日よりも早まるケースが半数近くを占めているので、いつお産が始まっても大丈夫なように、早いうちから出産に向けた準備を進めておきましょう。
生理不順だと出産予定日が変わりやすい?
出産予定日に誤差が生まれることがあります
出産予定日はあくまで目安であり、誤差が生じることがあります。出産予定日の計算方法は、一般的な月経周期(28日周期)と14日目に排卵した場合を想定していますが、実際には個人差があります。生理不順のママは排卵のタイミングが14日目ではない場合が多く、出産予定日がズレる可能性があるのです。
妊娠何週目で妊娠に気づく?
一般的には妊娠4〜5週目に気づきやすいです
多くのママは妊娠4〜5週目に気づくようです。妊娠4〜5週目ごろは、最終月経から約2〜4週間後あたりです。妊娠4〜5週目頃は、妊娠によっていつもと異なる体調の変化が現れる時期。もちろん個人差はありますが、妊娠初期にはさまざまな症状が現れます。「生理が遅れている」「吐き気があり食欲がない」などの症状によって妊娠に気づくママも多いでしょう。
妊娠週数は排卵日から数えるの?
排卵日から数える方法もあります
妊娠週数の計算方法としては、最終月経の開始日を基準とする方法(月経後胎齢)と、排卵日を基準とする方法(受精後胎齢)の二つがあります。排卵日を基準とする場合、排卵したその日を妊娠2週0日として数えます。しかし、排卵日を基準とする計算方法は、基礎体温や排卵検査薬などによって排卵日が確定されている場合にしか使えません。したがって、最終月経開始日を基準とする計算方法のほうが一般的です。
流産しやすい時期は?
妊娠12週までが特に流産しやすいといわれています
妊娠11週6日まで(12週未満)は、特に流産しやすいといわれています。そのほとんどが赤ちゃんの遺伝性疾患や先天性異常によるものです。妊娠12週までの流産は、ママの努力や注意だけでは防ぎきれないのです。
妊娠の壁って何?
流産しやすい時期のことを指します
妊娠の壁とは、流産しやすい時期とその後の時期との境目のことをいいます。SNSの書き込みなどから広がり、使われるようになった言葉のようです。先ほど説明したように、妊娠11週6日まで(12週未満)は特に流産しやすいため、「妊娠12週の壁」ともいわれています。医学的には、妊娠12週の壁という言葉はありません。しかし、流産の8割以上が妊娠12週未満に起きていることは事実であり、実際に妊娠12週を過ぎると流産の割合が減少することから、この言葉が使われるようになったようです。
妊娠週数は妊娠の経過を示す大事なバロメーター!
妊娠週数は、ママのおなかの中で赤ちゃんが成長する経過を数える単位のことです。妊娠の経過に合わせた生活を送るためにも、妊娠週数や妊娠月数は大切な目安となります。定期的な健診を受けて、赤ちゃんの成長とママの健康を確認しましょう。また、不安や疑問は一人で抱え込まず、産婦人科に相談しましょう。
- 妊娠週数は最終月経開始日を妊娠0週0日として数える
- 妊娠の時期によって、妊娠初期・中期・後期に分かれる
- 出産予定日はその280日後(40週0日)として算出する方法が一般的
- 出産予定日は目安であり、実際の出産日は前後する可能性が高い
- 赤ちゃんが生まれるタイミングはリスクの少ない妊娠37~41週が望ましい
【注意事項】
本記事は公開時点での情報となります。
本記事は妊娠中の方への情報提供を目的としており、診療を目的としておりません。
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