【医師監修】妊娠初期(妊娠1〜4ヶ月)|よくある症状・過ごし方・赤ちゃんの様子を解説
この記事では、妊娠初期によくある症状や妊娠初期の過ごし方、赤ちゃんの様子などを解説します。
赤ちゃんの誕生に向けて、妊娠初期の正しい過ごし方や注意点を知りましょう。
この記事のまとめ
- 妊娠0週0日から妊娠14週6日までを妊娠初期という
- ママにはつわりや疲労感など、さまざまな症状が現れる
- 赤ちゃんは急速に成長し、骨や筋肉、内臓などの各器官の機能が発達する
- 妊娠初期に仕事や出産方法、出産後について話し合っておく
- 定期的に妊婦健診を受け、赤ちゃんの成長とママの健康状態をチェックしよう
妊娠初期はいつからいつまで?
妊娠初期とは、妊娠1〜4ヶ月のことを指します。妊娠週数にすると、妊娠0週0日から14週6日までの間です。この際、最終月経の始まった日を妊娠0週0日として数え始めます。
ママのおなかのなかで受精卵が着床し、赤ちゃんの成長が始まる大切な時期です。また、多くのママがつわりを経験する時期でもあります。
妊娠3〜5週ごろはママの体に胸の張りや眠気などの変化が見られることが多く、これらは妊娠初期症状とも呼ばれます。
妊娠初期の赤ちゃんの様子・大きさは?
妊娠初期の赤ちゃんは急速に成長していきます。
超音波検査で赤ちゃんを包み込む「胎嚢(たいのう)」が確認できるようになる妊娠2ヶ月ごろはさくらんぼ1粒程度の大きさですが、妊娠4ヶ月にはレモン1個分ほどに成長します。
また、妊娠2ヶ月ごろの赤ちゃんは魚のような形をしていますが、妊娠3ヶ月ごろには脳や心臓などの内臓の基礎がほぼ完成します。頭や足がはっきりと分かれ、顔つきも人間らしくなってきますよ。
妊娠4ヶ月ごろには、骨や筋肉、内臓などの各器官の機能が発達。手足を動かす様子がエコー検査で確認できるようになります。
妊娠初期のお腹の大きさはどのくらい?
妊娠初期は、おなかの大きさに大きな変化が見られないことが多いです。妊娠初期の赤ちゃんは非常に小さく、子宮の大きさもそれほど変わらないためです。
妊娠1ヶ月の子宮はにわとりの卵ほどの大きさですが、妊娠4ヶ月ごろになると新生児の頭ほどの大きさになります。おなかが少しふっくらしてくるママもいますよ。
妊娠初期のママの体に起こる変化とは?
妊娠初期は、赤ちゃんを育てるためにママの体にさまざまな変化が起こります。
たとえば、妊娠ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が分泌される影響で、体温が上昇したり、眠気を感じたりします。つわりが始まるママもいるでしょう。また、胸が張ったり、感情の起伏が激しくなったりすることもあります。
妊娠初期によくある症状は?
妊娠初期は、ママの体にさまざまな変化が起こる時期です。ただし、症状の現れ方や強さには個人差があります。ここでは、妊娠初期によくある症状を見ていきましょう。
妊娠初期によくある症状
微熱
眠気と疲労感
つわり
特定のにおいが苦手になる
お腹の張り
腰痛
便秘
頻尿
おりものの変化
感情が不安定になる
妊娠初期の過ごし方は?
妊娠初期は、無理をせず体調を優先して過ごすことが大切です。以下のポイントに注意して過ごしましょう。
十分に休息をとる
妊娠初期はホルモンの影響で眠気を感じやすくなります。十分な休息をとり、疲れた体を労わりましょう。
適切な睡眠をとることを心がけ、毎日少なくとも6時間は寝ることも大切です。昼間も疲れたら30分程度仮眠や休養をとるとよいですね。
適度に運動をする
適度な運動は、妊娠中の体重管理や体力維持に効果的です。血行がよくなり新陳代謝も促され、気分転換にもなります。
激しい運動や長時間続けることは避け、散歩やヨガ、ストレッチなどの軽い運動がおすすめです。
また、医師から安静にするよう指示されている場合は、体を休めてください。
食べられるものを少しずつ食べる
つわりがある場合は無理に食べようとせず、食べられるものを少しずつ摂取しましょう。
妊娠初期の段階では、赤ちゃんはママからは栄養をもらわず、卵黄のうという器官から栄養を補います。
赤ちゃんがママから栄養をもらうのは、胎盤が完成する妊娠5ヶ月(妊娠16週)頃からです。
多くのママは温かい料理のにおいに対して敏感になります。冷たい食べ物を試してみるとよいでしょう。
家族の協力を得る
妊娠の経過が順調であれば、日常生活や家事を行っても差し支えありません。とはいえ、妊娠初期は体に負担をかけすぎないよう注意しながら過ごすことが大切です。つわりで家事がつらい場合は家族内での分担を変え、休みながらゆっくり行いましょう。
赤ちゃんのためにも、おなかや腰に力の入る動作や、重い物を持つことは控えましょう。パパには「つわりでつらい」「重いものを持つと危ない」など、具体的な理由を伝えるとよいですね。
妊娠初期の過ごし方について先輩ママからのアドバイス!
トモニテ編集部では、妊娠・出産を経験した女性を対象に、妊娠中の過ごし方や気をつけていたことについてのアンケートを実施。
そのなかで、つわりがつらいときの過ごし方や心の持ち方についてのアドバイスも寄せられました。
妊娠何週の人向けのアドバイスなのかも合わせて記載しているので、参考にしてくださいね。
ぽっぽさん/20代/専業主婦/近畿地方在住/子ども1人のママ
つわりで下着の締め付けが辛くなるので、締め付けのない下着を早めに用意した方がいい(妊娠7週頃)
Rさん/30代/パート・アルバイト/関東地方在住/子ども1人のママ
不安になりやすいので、ネットで調べすぎないほうがいい(妊娠5週ごろの人)
puniさん/20代/会社員(正社員)/関東地方在住/子ども1人のママ
さなちさん/40代/会社員(正社員)/中部地方在住/子ども2人のママ
ちーくんままさん/20代/専業主婦/北海道在住/子ども1人のママ
りりこさん/30代/専業主婦/近畿地方在住/子ども2人のママ
洗うのも簡単で、染めるのもしなくていいのは大きいです。
y.cさん/30代/パート・アルバイト/中部地方在住/子ども3人のママ
emiさん/30代/専業主婦/中部地方在住/子ども3人のママ
くじらさん/40代/専業主婦/近畿地方在住/子ども2人のママ
はるままさん/20代/会社員(正社員)/東北地方在住/子ども2人のママ
つわりのときは無理をしないこと、妊娠線のケアをすること、妊娠報告は限られた人のみにすること、などさまざまなアドバイスがありました。
これらを参考にしながら、妊娠初期は無理をせず安心して過ごせるとよいですね。
妊娠初期に気をつけることは?
次に、妊娠初期に注意すべき点や気をつけるべき習慣について解説します。
禁煙する
ママが喫煙してしまうと、たばこに含まれるニコチンによって血管が収縮し、赤ちゃんに栄養や酸素が十分に届きにくくなります。
また、流産や先天性異常、低体重児出産などのリスクも高まります。妊娠がわかった時点で禁煙しましょう。
激しい運動は控える
妊娠初期は流産しやすい時期でもあります。ランニングなど、心拍数が上がる激しい運動は避けましょう。
また、おなかが圧迫されるスポーツや、転倒の危険性がある自転車なども危険です。
自己判断で薬を飲まない
妊娠初期に薬を内服すると、赤ちゃんに影響が出ることがあります。自己判断で薬を飲まないように気をつけましょう。
市販薬を内服したい場合は必ず医師に相談し、産婦人科以外を受診する際には必ず妊娠中であることを伝えてください。
生ものを食べるときは注意する
妊娠中は抵抗力が下がっており、感染リスクが普段よりも高い状態です。生ものには食中毒を引き起こす可能性のある細菌やウイルスが潜んでいることがあるため、注意が必要です。
また、マグロやキンメダイなどは水銀を含んでおり、過剰摂取すると赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるといわれています。
ただし、生ものを完全に禁止する必要はなく、摂取量を抑え体調不良時を避ければ大きな心配はないとされています。
体調が安定しているときに、新鮮なものを食べるようにしましょう。
ハイヒールを履かない
ハイヒールはバランスを崩しやすく、転倒のリスクが高まります。
妊娠初期に転倒してしまうと、ママや赤ちゃんに危険が及ぶ可能性があるため注意しましょう。
妊娠初期にやっておくとよいことは?
妊娠していることが判明する妊娠初期。何から始めればよいのかわからないママも多いでしょう。
ここでは妊娠初期にやっておくべき準備や行動について解説します。
通いやすい病院を探す
産婦人科には、妊娠がわかって以降、出産後まで何度も足を運ぶことになります。そのため、通いやすい病院を探しましょう。ママができるだけ負担なく通える病院を選ぶことが大切です。
また、病院によって選択できる出産方法(自然分娩や無痛分娩など)が異なる場合があります。どんな分娩を希望するか、予算内に収まるか、病院のサービスは充実しているかなどを事前に確認しておきましょう。
妊婦健診を受ける
妊婦健診は、妊娠中のママやおなかの赤ちゃんの状態を定期的にチェックするために行われます。妊婦健診を受けることで、ママは安心して妊娠生活を送ることができるのです。
妊娠がわかってから妊娠11週ごろまでは1~2週間に1回、妊娠12週からは4週間に1度実施されます。
特に、妊娠初期の超音波検査は、赤ちゃんの心拍を確認し、ママの子宮に「子宮筋腫」や「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」などの異常がないかなどを調べるためにも大切です。
ごく親しい人だけに妊娠の報告をする
安定期に入るまでは流産の確率が高く、妊娠12週未満の流産は流産全体の80%を占めます。万が一を考えて、両親などのごく親しい人だけに妊娠の報告をするとよいでしょう。
職場への報告は、一般的には妊娠12週以降がよいとされています。
つわりがひどいママや医師から安静を指示された場合など、妊娠前と同じ働き方が難しいと感じたタイミングで職場に報告しましょう。
仕事をどうするか考える
妊娠初期は、赤ちゃんのためにもママのためにも、体に負担をかけないことが大切です。とはいえ、介護職や立ちっぱなしのサービス業など、仕事内容によっては続けるのが難しい場合もあるでしょう。
妊娠初期のうちに、今後の働き方について考えておきましょう。
母子手帳をもらう
医師から妊娠届出書を渡されたら、できるだけ早いうちに母子手帳をもらいましょう。
母子手帳は、妊娠中・出産時のママの状況や赤ちゃんの成長の過程などを記録するものです。
医師がこれまでの状況を把握するために欠かせないものなので、早めに受け取るようにしてくださいね。
妊娠届出書は、赤ちゃんの心拍が確認され正常な妊娠だと判断されたときに渡されます。これを住民票のある自治体に提出すると、母子手帳が交付される仕組みです。
出産方法を考える
妊娠初期から出産方法について考えることで、十分な準備時間を確保でき、自分に合った方法を選ぶことができます。
出産方法
自然分娩
無痛分娩
帝王切開
計画分娩
水中分娩
自宅分娩
ほかにも、リラックス法を用いたソフロロジー法、お産の進み方や陣痛のメカニズムを知り不安感や恐怖心を抑えるラマーズ法などがあります。
出産に立ち会うパパや家族の意見も取り入れ、出産方法を考えましょう。
給付金や控除を受ける準備をする
妊娠初期のうちに、給付金や控除を受けるための準備をしましょう。妊娠や出産にかかる費用の負担を軽減するため、国や自治体がさまざまな制度を設けています。
「出産育児一時金」など誰でも利用できる制度もあれば、「出産手当金」など勤務先の健康保険に加入している会社員だけが対象となる制度もあります。
自分が利用できる制度を調べたうえで、申請に必要な書類をあらかじめ準備しておきましょう。
自治体によっては独自の支援制度がある場合もあるので、住んでいる市区町村役所に確認するとよいでしょう。
また、一部の出産費用が医療費控除の対象となることがあります。控除を受けるには確定申告が必要なので、手続きの方法や期間についてもしっかりと理解しておきましょう。
出産後の生活について話し合う
妊娠初期から出産後の生活について話し合っておくことで、出産後の赤ちゃんとの生活に向けて準備と心構えができます。
出産後のママの体は、お産のダメージやホルモンバランスの乱れなどにより、心身ともにまだ万全な状態ではありません。授乳やおむつ替え、毎日の沐浴、赤ちゃんのお世話など、慣れない育児に疲れてしまうことも十分考えられます。
妊娠初期の段階から育児・家事の役割分担をパパと一緒に決めたり、赤ちゃんを迎える住環境を話し合ったりしておくと、心に余裕が生まれるでしょう。
妊娠初期に関するよくある質問
ここでは、妊娠初期に関するよくある質問と回答をまとめました。
妊娠初期は流産のリスクが高いって本当?
妊娠12週頃までは特に流産しやすい時期です
妊娠12週未満の流産は流産全体の80%を占め、特に流産しやすい時期です。妊娠初期に起こる流産は、ほとんどが赤ちゃんの染色体異常が原因です。ママの仕事や運動、生活習慣が原因で流産になることはほとんどありません。とはいえ、妊娠中に飲酒や喫煙を継続するとおなかの赤ちゃんに影響し、流産のリスクが高まることも事実です。妊娠がわかった時点で禁酒・禁煙に取り組みましょう。
妊娠初期に摂っておいたほうがよい栄養素は?
葉酸を積極的に摂取しましょう
妊娠初期は、できる限り栄養バランスのよい食事を意識しましょう。特に葉酸は、妊娠初期に摂取すると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことができます。食事だけでなく、サプリメントも用法・用量を守ってしっかりと活用しましょう。また、妊娠初期は赤ちゃんに血液を送るために貧血になることもあるので、鉄分を積極的に摂取することも大切です。赤ちゃんの血液や筋肉を作るたんぱく質、骨を作るカルシウム、カルシウムの吸収をよくするビタミンDも摂取しましょう。ただし、妊娠初期はつわりのひどい時期でもあります。体調のよいタイミングを活用して、栄養豊富な食事を摂るよう意識しましょう。
妊娠初期に十分に食事できなくても大丈夫?
食べられるものを少しずつ食べましょう
つわりがひどい場合は、食べられるものを少しでもよいので口にしましょう。空腹状態だと逆に吐き気が強くなってしまうためです。水分の多い果物や野菜、スポーツドリンクを口にしましょう。ただし、糖尿病のリスクがあるため、糖分の多いものを飲み過ぎないように注意してくださいね。
妊娠初期のおりものはどんな状態?
量が増え、さらっとしていることが多いです
妊娠初期のおりものは、量が増え、さらっとしていることが多いです。おりものの色の違いはわかりにくく、白濁していたり、クリーム色や黄色っぽかったり、着床出血が混ざってピンク色や茶色っぽくなったりすることもあります。しかし、悪臭がしたり、大量の血が混ざったり、外陰部のかゆみや痛みをともなったりする場合は注意が必要です。早めに医師に相談しましょう。
妊娠初期は赤ちゃんの成長が始まる大切な時期!
妊娠0週0日から妊娠13週6日までを妊娠初期といいます。
妊娠初期は、赤ちゃんの成長が始まる重要な時期です。赤ちゃんの体に基本的な器官が作られ、ママの体にも大きな変化が訪れます。定期的に妊婦健診を受け、赤ちゃんの成長とママの健康状態をチェックしましょう。
そして、出産に向けて準備を行い、気になることは産婦人科で相談してくださいね。
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